27回目

人は選びながら生きていく


自ら命を落とす人を

他人は生きることを諦めたという


命の終わりを選んだと何故思わないのか


生きることが当然だと思う人が大勢いる


生きようとして生きられなかった人は大勢いる


その全てが不幸だったと何故言える


命は重く大切なものだ


それは誰もが深層心理で理解していると思う


なら命が期間が短いことは悪いことなのか


そんなことどこの学者にも断言はできない


人が生まれて果てるまで


たくさんの物語があり

たくさんの人が伝えてきた


そのたくさんの命の中で

長く続いた命ほど認められたことがあっただろうか

生き続けた人ほど称えられたことがあっただろうか


結果的にそうであっても過程は違う


その長い期間で成し遂げた内容に対して

人は敬意を払う


より短い期間で成し遂げた人に賞賛を送る


命の長さに対しての価値を説く人はいない


もし言うのならただ死を避けるべきだという思い込みからのみ


長い年月で何かを成し遂げた人は

その過程で何かを見い出し完遂することを選ぶ


その結果命が長く続いたというだけ


長く生きる間の暇つぶしで何かを成した人はいないだろう


毎日、毎時間、毎分、人は刹那単位で何かを選び続けている



これはただの言葉遊びでしかない


けど、人は命の過程で選び続ける結果生き続けてきた


命を続けるために長い年月行動を選び続けているわけじゃない


長く生きた人

短く終わりを迎えてしまった人

全ての命は平等だ


悲しむことは悪いことじゃない

ただ、かわいそうなどと憐れむべきじゃない


命の期間でその命の価値に優劣をつけたり重さを決めつけるべきじゃない

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