3日戻したその先で、私の知らない12月がくる

作者 木立 花音

63

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★★★ Excellent!!!

本作は作中で「リワインド」と称されるいわゆるタイムリープする能力をもつ少女が主人公です。

だけどこの作品の魅力はタイムリープして時間を戻す事自体にもありますが、それに頼った物語構成にはなっておらず、タイムリープそのものは作中での一つのエッセンスであり、多数の魅力が軸になっているところにあると思いました。

青春の中で感じる甘酸っぱさ、すれ違う気持ち。恋愛もののストーリーとしてしっかりまとまっているところが最大の魅力かなと思います。

絵画であったり、バドミントンであったり、作中にある要素が青春ストーリーとしての盛り上がりを増して、それらの要素だけでも楽しめます。

その上で時間を戻す事によって生じる事象、そしてその弊害。
そこがお話をきちんと彩っているところが秀逸だと感じました。

文章もきっちりまとまっていて、テーマ性がはっきりしているのも、さらに作品を盛り上げています。

このお話は過去に戻る力をもった少女が主人公です。
だけどもお話のテーマとしては未来を見ているお話だと思います。

時間遡行そのものが主題ではなく、それを一つの要素としてうまく取り入れているところが何よりもお話としての完成度を高めているなと思いました。

興味をもった方はぜひご一読ください。
きっと心地よい読後感を得られると思います。

★★★ Excellent!!!

本作は時間を三日きっかり戻すことの出来る、「リワインド」という特殊な力を使うことができる女子高校生が主人公の青春物語です。
『現代SF×青春』。SFは難しそうに見えますが、学園青春の要素があることでその実入り口の広い作品。

本作の魅力は何と言っても登場人物達の繊細な描き方!
主人公をはじめとして、皆がそれぞれ抱えているモノがあり、高校生という多感な時期なりの悩み、葛藤を等身大のまま描かれています。
そんな悩みや自分の過去と正直に向き合い、人と人が関わって成長していく様は、甘酸っぱくも美しい。

ご都合的な展開はなく、誰もが一挙手一投足に何かしら理由があって動いているので、物語に納得しながら読むことができることでしょう。
主人公が過去にしてきた後悔や未練をエピソードで交えてくることで、今の彼女の等身大を知ることができるという実に巧みで見事な構成。この理由付けの上手さがこの物語で光る部分です。

また、SF要素としての時間逆行のイイところ。
戻したということは本来進むべきだった未来から何かしら変化を起きるということ。
本作は伏線が多くちりばめられていそうな雰囲気が沢山施されています。
是非、読者の皆さんもページを戻してみて、何がどう変わったのか、主軸だけでなく細かなところも見るとより面白くなってくるはず!


素敵な作品です。是非、ご一読を!

★★★ Excellent!!!

ご縁があり、この物語に出会いました。更新分まで読み終えましたので、レビューさせていただきます。

本作は主人公の女の子が、事故に遭ってしまった親友をなんとかしようと、自身に宿る時を巻き戻す超能力「リワインド」を使うところから物語が始まります。しかし三日前に戻ってみると、そこには前に見た覚えのない人がいて……と、序盤から先を期待させてくれます。
やがて明かされていくのは、彼女の持つ未練や後悔。初恋の人に似ている彼と親友との間で揺れる葛藤。そして部活動での戦いなど、過去から現在に至るまでの彼女を取り巻く環境です。

本作の魅力は、やはり主人公の彼女だと思います。巻き戻しという特異な能力を持ちつつも、やはりそこは年頃の女の子。最初から上手くできるなんてことはなく、間違えることもあります。しかしだからと言って、巻き戻しを使って今度こそ上手くやってやったぜ、わーい、で終わることもありません。
大切なのは、彼女自身が間違いに気づいて、それと向き合うこと。目を背けていた失敗を見つめ直し、一歩前へと歩き出そうとすること。いつの間にか、一つずつ自分の限界を乗り越えようと頑張る彼女の姿を、自然と応援している自分がいました。

しかも、今後はどんでん返しがあると明記されているので、先が気になって仕方ありません。思わず首を傾げてしまったイチョウの木でのシーンや、もう一つの12月という意味……一体この後、何が待っているのでしょうか。
他の皆さまも、是非読んでみてください。

★★★ Excellent!!!

序盤からこれでもかと伏線が張られています。見えない伏線から見える伏線まで、伏線マニアにはたまらない作品です。すぐに回収されず、それでいて時々飴が与えられ、じりじりと読み進めてしまう力があります。

内容に関しては、序盤の創作者あるある、めっちゃ好きでした。創作者は潜在的に乙女なんですよね、みんな…。

主人公のオタクっぽい語り口、バドミントンのシーン、思春期のめんどくさい恋愛模様、そして主人公の未開封のような感情、全てにおいて完璧なバランスの上に成り立っています。

いい作品でした!
ほんと読めてよかったです…。伏線の回収ありきの作品だと思うので、早く続き書いてくださいね(圧)