第116話 ジェイ達のパーティー③
「トーマ王子は、お勉強が苦手だそうですね?」
「いえ、そんな事はありませんよ。私より多くの事をご存じですが?」
「いえ、これは確かな情報スジからの話しなんですけど、この学園に来られる前に、王子を教えていた方が採点された点数は、見るも無残なモノで、ちょっと、帝国の大臣クラスの間で物議を醸してたらしいようですよ」
「えっ?そうですか?あの時は、私と一緒にお勉強をしましたが、先生は、大抵、トーマ王子様には、良くできましたよって言われて、私の方がもっとお勉強しなさいと言われてましたけど?」
「おかしいですね。でも、この話は本当のことですよ。それからですね、それより、もっと、怖い話が王子にはありましてですね。これ、ちょっと言っていいのかが
「はい、どうぞ、かまいませんよ」
「その、あのお顔の事なんですが・・・そのう、アーネ様は、何かご存じですか?」
「私には、陛下や侍従からのお話ししか知りませんが、何か?」
「そうですか、いえ、これはマル秘情報でして、真偽の程を確める
「呪いの事は知ってます。呪われた子供って、怖がられたことも知ってます。でも、魔王というのは知りませんね」
「そうですか。実は、人間が魔王になる場合、あのような痣とか、イボとか、何か、人間でない魔物的な症状が現れるらしいです。これは、
(いやー、熱弁しちゃったよ!これでいいかな?)
「・・・そうなんですか?」
「いえ、これは本当に機密扱いなので、絶対に秘密にしてくださいよ。オレ、殺されちゃうかもしれないし。もちろん、あの王子にも内緒にしてくださいね」
「・・・このことを知っている者は、ここに居る者達だけですか?」
「いえ、こんなこと、あまり他人に言えませんからね。この私とリッツとリッターとジェイだけですから、ご安心ください」
「そうですか・・・・でも、私の魔力感知ではトーマ王子様には魔族的なモノは・・・・・でも、私はトーマ王子様を信じてますので」
(わからないわ、何で、そんな話が・・・・・でも、私は信じてます、トーマ王子様。出会った時に、魔族なら私にはわかるハズです・・・でも、魔王って?・・そんな・・・・トーマ王子様とお話ししたい。トーマ王子様と・・・わたし、信じてますよ、トーマ王子様・・・・)
「も、もちろん、オレ達も信じてますから、ご安心くださいね」
(いや、これは流石にないだろう。だって、あの王子弱すぎるし笑。でも、まずは、こんな感じからかな・・・ジェイ、お前は怖いヤツだ・・・しかし、これも正義のため、友情のため、ジェイのためだ!オレ達でアーネを救ってあげなければね)
「さあああて、みんな、そろそろ時間だ。アーネもお酒、大丈夫?」
「はい・・・問題ありません」
「では、最後に、これからは、名前の呼び方に様とかさんとかを付けるの、止めようぜ!だって、オレ達は仲間だ。そして、友達だろう?アーネもいいか?」
「えっと、どうなんでしょう?皆さんは、それで良いのですか?」
「はい」
「はい」
フローラ「はい、アーネ様、そういうことにしましょう。もっと、アーネ様とお友達になりたいですし。その、前から気になってたんですが、アーネ様は王子様に対して、過剰に丁寧過ぎると思いますけど、いかがでしょうか。みんな、変に思っていますよ。ですから、これを機会にもっと王子様に対して親密感を出すためにも、トーマと呼び捨てではいけませんか?」
(これでいいの、ジェイ?)
「えっ?それは・・・みなさんは、そんな事を思われてたんですか?」
「そうだよ、アーネ。トーマはトーマと呼んでいいと思うよ。あいつの事だから、気にしないって。逆に、ちょっと、距離が縮まる感じがするんじゃない?オレ、恋敵だけど、トーマのこと、尊敬してるんで。オレだけ呼び捨てってのは、フェアーじゃない気がするしね」
フ「さすがは、ジェイ!ステキ!」
「そうですか・・・そんな風に言われたら・・・でも、恥ずかしいので、トーマ王子様と今度、お会いした時に決めますね。それで、よろしいですか?」
ジ「うん、別にそれで構わないから。でも、気恥ずかしいのは最初だけで、それからは、グッと距離が近くなる感じがして、思い切って良かったと思うから」
ジ「よし、これで、決まりだな!じゃあ、アーネ、そして、みんな、これからもよろしくね!」
リッター「ああ、じゃあ、乾杯してお開きにするか?みんな、用意して・・・・いいかな、かんぱーーーい!!」
「かんぱーーーーい!!」
パチパチパチパチ・・・。
こうして、パーティーは終了した。
アーネは、トーマに会いたくなり、セーラに相談するのだった。
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