感想は実際にどの程度反映されるのか?
感想が欲しい、欲しい、と言う声は良く聞く気がしますが、感想を貰って具体的には何を求めるのか?
これも人それぞれでしょうけれど、私の場合は単純に「良いところ・悪いところを客観的に指摘して頂いて次に繋げたい」と言う動機だと思います。
勿論、もっと違う思いがあって感想を求め、ネットに小説を上げている方も居られるかとは思いますが、今回は(いつもながらですが)私の観点から考えていきます。
結論から言えば、
ああした方が良い、こうした方が良い、と言う感想を現行の作品に反映させた事はありません。
と、言うより「出来ない」と言う方が正確でしょうか。
プロット、人物、コンセプト。
この辺りはもはや、作品を走らせてしまった段階で人に言われて弄れる部分では無いからです。身も蓋もないのですが。
もしも他者の意見でこれらの要素が揺らぐようなら、その方が問題かと思われます。
かつて、こんなケースを目の当たりにした事があります。
冒頭で既にヒロインが死体となっており、その場面を見せてからの出会い・交流が描かれている作品だったのですが、感情移入が極まった読者の哀願だったのでしょう、
「どうか彼女を死なせないで欲しい」
と言う感想に対し、作者からの返信、
「異世界転生と言うものがありまして……」
と言うやり取りを見たことがあります。
最初からそう言うプロットだったのか、感想を受けて進路変更したのかは定かではありませんし、これの是非については、ここでは何とも言えませんが。
話を戻して、個人的な事例。
「(某ヒット作)のようなヒロインが出てくると尚良いと思います!」
「持っとこう、最近のラノベのように、これこれこう言う攻め方をするべきなんだよ!」
前者はネットでいただいた感想、後者はリアル知人からいただいた感想なのですが、熱意は確かに伝わりましたし、熱意を持って頂けるだけでもありがたいのですが、
「自分でそうした作品を立ち上げるか、望みの話を書く作者をあたってください」
以上でも以下でもありませんでした。
逆の立場でこう言われたら非常にめんどくさいと思うのでしょうけど、他人が踏み込んではならない領分はこの辺りだと思います。
「自分で書けば良いじゃない」と思わせる事。
実際に、頂いた感想を明確な形で反映させた事例と言えば、無血のヒーロー短編集の存在だと思います。
この短編集が生まれたきっかけは、サイコブラックの方に頂いた「この方向性で、もっとギャグを取り入れては?」と言う感想にありました。
恐らく、その感想を下さった方の意図とは違った受け取り方になったのではと思いますが「この設定でもっと気軽に書いて良いんだ!」と言う気付きになりました。
また実際に作品を立ち上げた後に頂いた(恐らくサイコブラック本編を知らない方の)感想、
「短編にするには情報過多で、オチを迎える頃には肩透かしになる」
と言うのも非常に参考になりました。
リハビリと言う意味でも書いた作品なのですが、やはり、こうしたスピンオフ短編を書く事の難しさを教わったと思います。
まとめると。
誤字脱字や、修正可能な細かい指摘を除くと「指摘が反映されるのは次作以降になるのでは」と言う事。
また、感想を書いた人的にも思わぬ形で作者にインスピレーションを与えることもある、と言う事でしょうか。
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