第2話



「もう何回目だよ」

「数えきれないかも」

「おいおい……」


 俺は呆れ口調で、電話越しに仲間のトシと話している。そういえば昨日は、「東京に行くんだぜ!」なんて周りに自慢していたっけ。その時の俺の嫌な予感は、的中ときてしまったか。


「東京で、何してんだよ」


 東京でまで、警察のお世話になっているなんて思いたくないのだが。またしてもこの男は懲りない。


「いやさ、目を盗んでヤってやろうと思ってよ」

「馬鹿じゃねーの、東京だぞ」

「東京だからだよ」


 トシは自慢げに話してくるが、自慢できることではないぞ。馬鹿か。見知らぬ土地で、また、何をやらかしてんだか……。

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