第438話 孫文 📚



 正直に言うと、名著として知られ、かっちりと堅いエッセイが詰まこまれた『この国のかたち』〈全6巻〉より、徒然なる思いから友人への手紙まで、ゆる~い文章が集められた『司馬遼太郎が考えたこと』〈全15巻〉のほうがずっと面白いのです。


 それもそのはず、前者は雑誌『文藝春秋』の巻頭随筆の連載ですから、書き手にも力みが生じたのでしょう。ただひとつ、23歳で終戦を迎えた元将校による「孫文は明るく透明度の高い人柄だった」という記述には大いに打たれるものがありました。


 

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