第174話 インターのよろこび 🚙




 インターチェンジはいつも「ぼくってつまらないなあ……」と思っていました。


 行ったこともない遠い土地へ向かう車と、どこかの地方から帰って来た車が一瞬で通過するだけ、ドライバーのだれもインターの存在に気を留めてくれないからです。


 ところが、ある夏の暁、インターの真下にある向日葵畑を撮影に来た若い男性が、

 

 ――1日24時間、1秒の休みもなく働きっぱなしで、本当にご苦労さまだね。

 

 カメラを仕舞いながら呟くを聴いたので、インターは明るい気持ちになりました。


 東山の向こう側で、元気な真夏の太陽が力強い助走を開始した時間のこと。🌄

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