百三十話 一方海では4
「は? い、いや。ちょっと待って
ください。どういう──」
「おそらくじゃが......この島はジュラ島
の西にある三日月島に向かっておる。」
「三日月島? どうしてこの船がそんな
ところに向かってるんです!」
「魚人じゃよ。今この船は魚人に
よって、その島につれていかれて
るんじゃ。」
「魚人! 今船の下に魔族がいるんですか!? なら今すぐ海に潜って
退治しないと──」
「よすんじゃ、今海に飛び込むのは
自殺行為と一緒じゃ。」
「では、一体どうすれば......」
「何もしなくてよい。
導いてくれるのなら、わしらも
臆することなく、立ち向かえばよい。
どちらにせよ、遅かれ早かれ、
三日月島の幹部も討伐しなければ
いけないんじゃ。」
「......わ、わかりました......。
でも、何故今から瞑想を?」
「少し用事を思い出したんじゃ。
それと、ヨーテルちゃんは昨日魔力を
使いすぎたみたいでいっこうに目を
覚まさん。じゃから、しばし、
ルドルフ君がこの船の指揮を
とることになると思うがよろしくの。」
「え、ちょ、ちょっと! ほんとに
僕に任せるんですか!?」
「うむ。それじゃあの。魚人に
気をつけなさい。」
「......は、はぁ......」
長老はそう言うと、
納得のいってないルドルフに
指揮を任せて船内に
戻ってしまった。
「ル、ルドルフ隊長。
ほ、本当にこのまま三日月島に
行くんですか?」
「えぇ。し、仕方ないでしょ。
長老が言うんだから。」
不安がる職業者達と同様に、
ルドルフもこれからどうなるのか
内心不安な気持ちで押し潰され
そうだった。
「ぼ、僕達は堂々と立ち向かえば
いいんですよ。
みなさん! いつでも、戦闘態勢に
入れるように準備を!
三日月島が見えてきましたよ!」
ルドルフの言葉通り、いく末の先に
うっすらと島の影が見えてきた。
名は三日月島。魚人が統治する謎多き
島がルドルフ一行を待ち受ける。
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