百二十一話 一方地上では8

「じゃ、最後はあのどろどろだな。」



鳥人間と猫人間を同時に倒した、

三人は未だにずっと体をどろどろ

している顔だけ人間の化け物の

方を見る。




「あれは一体何なのだよ。

俺達に一切攻撃を仕掛けてこない。」



「......そんなのどうでもいい......

来ないなら......殺す。」



「あぁ、そうだな。」



カクバはそう言うと慎重にどろどろ人間に

近づく。



「ェオッ......エォ......」



どろどろ人間はカクバの接近に気がつくと

なにやら変な声を漏らし出す。



「気持ちわりぃ奴だな、悪いが倒させて

もらうぞ。」



カクバは依然として動こうとしない、

どろどろ人間の前に立ち、手を振り上げ

殴ろうとしたそのとき。




「エオオオオオオオエォオォオオッ!」



どろどろ人間は突如大声を出した

かと思えば、自身のどろどろの

液体から何かやら不気味な煙を

噴き出す。



「うぉ!? んだこれ!」



「吸うな! カクバ。」



三人はすぐさま、息を止める。



「っ!」



カクバは息を止めながらも、

この状態では危険だと判断し、

どろどろ人間に殴りかかる。



ボチャッ



しかし、カクバの拳はどろどろ人間の

体へと吸収されていく。



「クソッ! んだよこれ!」



カクバはそれに思わず驚き、口を

開いてしまった。



「!?」



カクバの口の中に謎の煙が

入っていく。



「......な、なんか......眠く......なって...」



カクバはそのまま地面にたおれこみ、

眠りについてしまった。



すると、目の前にたおれこんだカクバに

どろどろ人間はじりじりと近付いていく。



それを見たバーゼンはすぐさま銃を構え、

発泡するが、それもまたどろどろ人間の

体に吸収されてしまう。



「......ぶはっ! はぁ! はぁ!」



バーゼンは息が続かず、辺りの

煙を吸ってしまった。



「っ! しまった......」



「バーゼン!」



驚く鬼灯の横で、バーゼンもまたばたりと

倒れてしまったのだった。

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