第11話 元FPSプロ。頑張る。
俺は内心めっちゃ焦っていた。
10メートルを超える巨体の生物に対して「拳銃など通じるのか?」と。
これはどう動くのが正解なのか?
地図を見た限り、ここら辺は森なんだが、ビッグレッドボアの通ったと思われる道がぽっかり空いている。
破壊力抜群のようだ。
ブオオオオォ!
ビッグレッドボアは咆哮をあげ、こちらに突進してきた。
スピードには自信があるが、万が一当たると死ぬから俺は早めに避けた。
俺がいた場所が、綺麗な更地になっていた。
「あれ食らったら死ぬなこれ。」
俺は近くにあった岩陰に身を隠して作戦を考えた。
まずは拳銃が効くかが問題だ。
試しに一発当ててみたい。
効かなければ俺に勝ち目はない。逃げる一択だ。
だがこちらも位置がバレるのは避けたい。
ある程度の距離から撃ち、その後すぐにその場から離れて身を隠す必要がある。
俺は少し頭を出し周囲を見渡してみた。木が多く影には隠れられそうだ。
だが、近くに隠れるとビッグレッドボアが突っ込んできて、巻き込まれる可能性がある。
ある程度の距離を一瞬で移動したい。
ここから撃ったとして出来れば20メートルは離れたい。
撃ったとして、ビッグレッドボアがこちらに振り向く時間を約1秒と仮定して考える。
なにか囮が確実に必要だ。
アイテムボックスを見てみる。囮になるようなものは何も入って無かった。
ちなみにブラックサンダーウルフとスネークライオンは、あの後ダンクルトの冒険者ギルドに査定して貰っているため入ってない。
周りに魔物は多少いるが、銃は音が出るため撃てない。撃ったタイミングでこの場所倒れるようなタイミングでしか。
右方向、約10メートルのところに小さな1人隠れるような岩、逆には森が広がっている。
その時、左方向を猿の魔物が通り過ぎるのが目に入った。
「左方向に走りながら猿を倒し、同時にビッグレッドボアを撃つ。猿を俺が撃った場所に見えるように配置するか。デコイだな。」
ここは腕の見せどころだ。レーザーポインターを猿の頭に当てて一撃で倒す。と、ほぼ同時にビッグレッドボアに撃った。
急いで猿を上空に投げ、俺は左の森の中へと身を隠した。
ビッグレッドボアに撃った弾は、貫通はしてなく少しめり込んでいるだけだった。
これはまずい。効いてはいるようだがかすり傷程度だ。やはり拳銃ではきつい。
ちなみに俺がもといた場所は、安定の更地だ。
続けていたら俺が持たない。
「逃げるしかないか…。」
俺は逃げる選択を選ぼうとした。
だが、今のビッグレッドボアの突進で町へ戻るための道は更地になった。
帰れない。絶望的な状況だ。
こちらの攻撃がほぼ通じず、あちらの攻撃は当たればほぼ即死、良くて重症だ。逃げることも出来ない。
「はぁ〜、マジかよ……。詰んだな。俺はほぼ死ぬ、最後悪あがきでもしてやるか。はぁ〜、せっかくリア充になれそうだったんだけどな。受けなければ良かったわ。」
俺は悪あがきのための弾薬を作るためのMPを確認するため、ステータスを開いた。
すると……!?
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