母親の話から、流れが……?



『くるるんの介護が割と必須なしゃぼんママについてそれぞれ一言ずつお願いします』


『柳生先輩に関するマロも結構送られてきてたわね。コメントかぁ……う~ん……』


 丁度いい、とばかりに枢が提出したしゃぼんに関する質問マロを読んだ2期生たちが短い唸りを上げる。

 暫し後、それぞれが彼女に対する意見を纏めた芽衣たちは、順番にそのコメントを口にしていった。


『私は……枢くんへの愛は凄く素敵だなって思ってます。このまま、いい関係を作っていけたらいいですね』


『母さんがこのままの性格だと、俺が定期的に燃やされる羽目になるんだよなぁ……!』


『なんだかしゃぼん先輩とは似たものを感じるから、これからも仲良くしていきたいさ~! 今後ともよろしくお願いしま~す!』


『俺を燃やす2トップとしての連帯感を感じないでください。今後はもう少し身の振り方を弁えてください』


『同じ家事出来ない者同士、ぐだぐだ話でもしましょう!!』


『母さんもそうだけど、お前も結構洒落にならない生活無能力者だからな? 機会があったら2人とも躾けてやっから、覚悟しとけよ?』


『え、え~っと……絵、お上手ですね!!』


『リア様、無理に褒めるところを絞り出さなくていいですから。むしろあの人と関わると純粋なあなたが汚れる気がするんで、是非とも距離を置いてください』


【枢の辛辣な突っ込みが草なんだが】

【クソマロだけじゃなく同期のコメントも捌くようになったか……】

【あの母親を持つと息子としては苦労するよな。同情するよ、枢¥3000 怠惰の悪魔の契約者さん、から】


 同期たちのしゃぼんに対するコメントに突っ込みを入れつつ、エンジンを温めていく枢。

 そんな彼の雰囲気を感じ取ったたらばは、一気にとっておきのマシュマロたちを枢へと放り投げていった。


『よ~し! それじゃあ、この調子で枢くん宛てに送られてきたマシュマロを処理していこうか! ガンガン行くさ~!!』


『おっ! 遂にクソマロ解禁か~? 私のところにも結構来てるし、容赦なくぶん投げてやるわよ!』


『おっしゃかかってこい! 全部打ち返してやらぁ!!』


 たらばと、それに乗っかった愛鈴の言葉に威勢よく(ヤケクソ気味ともいう)返事をした枢が深く息を吐く。

 そんな彼に向けて、同期たちは次々と自分の下に届いた枢宛てのクソマロを投げつけていった。


『くるるんよ! あれからリスナーから燃やされることもなくなって寂しいだろ? ここはいっそのこと叫んだほうがいいよ。たらばのたわわなタラバにパフパフされたいと』


『そんな欲ねえし、そもそも燃やされなくて寂しいとかねえから! 燃えないならそっちの方がありがたいんだよ!』


『くるるんへ たらねぇのたらばを間近に見てどうでしたか?? 感想をくわしーーーく聞かせてください。あとよかったら今度たらねぇのたらばを拝むときには誘ってもらってもいいですか? いいですよね、、、?←火炎瓶を持って』


『聞きたきゃ20万人突破耐久配信を観返せ! そこで言ってるから! 後、俺が定期的にたら姉の胸を見てるみたいな言い方してんじゃねえぞ!?』


『スネーク、こちら少佐。4人のレディの胸部サイズ順列の報告を頼む! 核弾頭が2基が1番なのは分かっている…が、その他3人の詳細が気になる。スネーク、状況を報告してくれ! 特に3番目と4番目どっちが小さ…ガガ…お、い……やめ…ろ!……ぐあーーっ(プツン』


『お前ら……本当に胸の話題が好きだな!? あのさ、それに答えたら俺が大炎上するってこと理解しておいてくんねえか!?』


『でも、ちょっと気になりますね。蛇道さん的には、羊坂さんと愛鈴さんのどっちが大ぎぐ見えでらんだが見えてるんですか?』


『リア様? さらっと俺にガソリンぶっかけないでもらえます?』


 胸に関するマシュマロを連続して投げつけられた枢は、見事にそれを捌きながらリアに突っ込みを入れた。

 普通のVtuberならばこの話題に触れることすらしないはずなのに、どうして自分の下にはこんなにセンシティブで危険なマシュマロがこんなにも届くのかとげんなりとした表情を浮かべた彼が溜息を吐く中、話は更に危険な方向へと進んでいく。


『まあまあまあ? 流石に芽衣ちゃんと比べたら私の方がデカいでしょ? 一応、成人してるわけだし……』


『え? そうだが? わーの目には、羊坂さんの胸の方が膨らんでらように見えますけどね?』


『多分だけど、愛鈴ちゃんはAじゃない? 芽衣ちゃんはギリBある気がするよ~』


『ぴえっ!? ななな、なんでそんな……!?』


『おう、止めろ!? なんでいきなりそんなセンシティブな話題になった!? 愛鈴お前、なんでこんなぶっこまれるような話題を提供した!?』


 どうしてだか女性陣のを表すアルファベットが出始めたことに慌てた枢が大急ぎで突っ込みを入れる。

 そのまま、流れを修正してくれそうな愛鈴へと話を振ったのだが、愕然とした様子の彼女は、どうやら枢の言葉が耳に入っていないようだ。


『嘘でしょ……? 芽衣ちゃん、私より胸大きいの……?』


『えっ? あっ、えっ!? 愛鈴さん、本当にAなんですか……?』


『ぐはぁっ!? ちょ、なにその憐みを感じさせる口調!? 許せねえんだけど!?』


 たらばと並んで最年長であるはずの自分が、同期たちで最小である事実を知ってしまった愛鈴が哀しみと怒りを入り混じらせた声で叫ぶ。

 この時点で嫌な予感しかしていなかった枢が表情を引き攣らせる中、女性陣は呑気にもかなりアウトな話を続けていってしまった。

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