#3 海に来た③


1600ブックマーク!




ちょっと遡ります。


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海から上がった結人たちは、身体に付いた塩分を落とす為に温泉にやってきた。

魔法を使えば一瞬で済ませる事ができるが、せっかくなのでみんなで温泉に行くことになったのだ。


温泉は久しぶりですね・・・


最後に入ったのは半年程に入った我が家にある露天風呂だろうか。

結人を除く同級生と入るのはこれが初めてだ。


結人さんに借りた、いや夫婦は共有財産なのでパーカーとショートパンツを脱ぎ水着姿になると、身体をタオルで隠しながら水着を上から順番に脱いでいく。


結人さんに見せるのはあまり抵抗がありませんが、同級生に見せるのは少々緊張しますね・・・


タオルで大事な所を隠す。

結人さんはあまりそういう事を気にしないお方。

でも私もお年頃の恋する乙女、自分のものについて考えてしまう。決して雷華のように巨大とは言い難いが同級生に比べたら大きい方だと思う。

そんな事を考えながら、スライド式のドアを開ける。


中に入ると辺りはしんとしていた。どうやら誰もいないみたいだ。


身体を隅々まで念入りに洗う。もしかしたら愛する人に触って貰えるかもしれないからだ。そんな甘い期待を胸に銀色の髪を丁寧に1本ずつ洗っていく。この日本人にしては珍しい白銀色の髪の毛はロシア人である母譲りだ。

個人的には結構気に入っている。何故なら結人さんが可愛いと言ってくれたからだ。


泡を流し終えると咲夜はゆっくりと温泉に浸かる。結人さんと一緒に入るのも良いがこうして1人でゆっくりと入るのもいいものだ。

特に悩み事なんてないが、心があったまる。



すると、その静寂をぶち壊すかの如く扉が開かれた。

もちろん入って来たのは桃と雷華だ。この2人は少し忘れ物をしたらしく、一旦戻ったため遅れてやって来た。


「温泉だ~」


2人も身体を洗い終わると直ぐに隣に入って来た。

温泉で女子が3人集まって話す話題なんて恋バナか戦闘力の話しかない。


「いいな〜2人とも戦闘力が高くて〜」


「戦闘力?どういう意味だ?魔法戦闘の事か?それなら支援系である桃がこの中だと1番劣るのは確かだが・・・」


「それはね~こういうことだよ。」


桃はニヤッと笑いながら雷華の背後に周りこむと手を回した。


「ほ~これはなかなか・・・Eかな?いや、Fとみた!」


「やめないか!桃」


雷華は赤面しながら手を振りほどいた。そして振り返る。


「そんなに揉みたいのであれば自分のやつを・・・・・・」


『壁』という文字が何故か頭を過り、自分が失礼な事を言っている事に気づいたため、話題を変える。


「いや、その~あれだ、咲夜のを揉めばいいであろう。咲夜なら揉まれ慣れているだろうし!」


「じゃあ次は咲夜ちゃんの方を・・・」


雷華は友人を売る。

桃は一度、咲夜の方をチラッと見たが、再び雷華の方を向いた。


「ダメだ・・・なんか罪悪感が・・・雷華ちゃんも見てみて。」


雷華も咲夜の方を向く。


・・・可愛いなんてもんじゃない、美しいだ。

同い年とは思えない程の抜群なスタイル。


思わず2人は見つめてしまう。


(やばい、美しすぎる・・・結人君すごいわ・・・)

(・・・なんか目覚めちゃいそう。女の子同士・・・)



「あ、あの皆さんどうしたんですか?」


急に真剣な眼差しで見つめられたため、咲夜は少し後ずさりする。身の危険を感じたからだ。


「ご、ごめん、咲夜ちゃんがあまりにも可愛くて・・・咲夜ちゃんやっぱりスタイルいいね、羨ましい!」

「私もあまりにも可愛くてつい・・・」


「あ、ありがとうございます。ですが、雷華さんも十分スタイルいいと思いますよ。」


咲夜も雷華に感想を伝える。


「あ、ありがとう。」


「それに、雷華ちゃんはおっきいしねー。いいな~モテて」


「モテる?私がか・・・?あいにく、恋人はいたためしがないぞ?」


「うん、大きい方が男の子にモテるらしいじゃん。って知らない2人とも?!」


「そ、そうなのか?」

「そうなんですか?」



恋愛に全く興味のない2人は顔を見合わせて疑問を覚える。


雷華も自分がモテるだなんて考えた事がなかった。小さい頃から魔法の練習一筋だったため恋人はおろか友人と呼べる存在もあまりいなかった。

こんなにたくさん友達ができたのは、この東京校に入学して初めての事だった。


一方の咲夜は他の男子の事など、その辺にある塵としか思っていなかったからだ。


咲夜の頭にある不安が浮かぶ。

無論、結人のことをとても信頼している。

しかし、聞かずにはいられなかった。


【結人さん、聞こえますか?】


【うん、聞こえているよ。どうしたの?】


壁の向こう側にいる愛する人に質問をする。


【結人さんも大きいのがお好きなんですか?】


いきなり冷たいモードで話す咲夜にドキッとする。

何かやらかしっちゃったけ、僕・・・

この怒りレベルは10段階の内の3ぐらい、つまりそんなに怒っていないということだ。対処を間違えなければ問題はない。結人は落ち着いて対処する。


【えっと~何が?咲夜。】


【例えば、む、胸とか・・・】


咲夜は少し恥ずかしそうに答えた。

・・・咲夜がこんな事を気にするとは・・・恐らく桃だろう、いや間違いなく桃だ。


【ん~僕は咲夜が好きかな。】


【私は大きいのがいいのか小さいのがいいか聞いているのですよ?】


【僕は大きいか小さいかじゃなくて咲夜が好きなんだよ。】


【も~結人さんったら///。仕方がない人ですね~】


【じゃあ、楽しんでね~】


【はい、そうします!】


どうやら正解だったようだ。結人はその後もゆっくりと温泉を楽しんだ。



咲夜は二人との会話に戻る。


「本当に2人とも何も知らないの?」


「はい・・・」「あぁ・・・」


純粋無垢な顔で2人は応える。


「は~、なら私が教えてあげるよ。まずこのクラスで間違いなく一番モテるのは大和君。強いし金髪のイケメンだし当然かな~」


その言葉に2人も同意する。よく告白を受けている所を見るからだ。


「で、次は結人君と咲夜ちゃん。でも2人は毎日そこら中でイチャコラしてるからね~。みんな、その様子を見ていた方がいいらしくて、暖かく見守ろうの会ってのができているって感じかな~」


「知らなかったです・・・」

「私も・・・」


「それでその次に来ているのが雷華ちゃんって感じなんだよ。で?雷華ちゃん誰か気になる人はいない?」


「そ、そうなのか。今の所はいないかな・・・」


「な~んだ。つまんないの~」


「そういう桃はどうなんだ?」


「まぁ私もいないかな~」


「2人ともいい方に出会えるといいですね・・・」


「後期に期待かな~」

「だね~」



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書いていて温泉に行きたくなりました。




ストックが増えて来たので明日も更新します!


読んでいただいてありがとうございます!

良かった星を下さい!

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