#23 最強の夫婦③


12万PV達成!!!いつのまにか15万文字も達成!!!


ジャンル別日間6位ありがとうございます!!!


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人間はいつから魔法が使えたか。


約3000年前。




人類はUCの登場によって使えるようになったと言われているがそれは間違いだ。


さかのぼること3000年前、あるひとりの男が超生物ー神と呼ばれる存在と契約をした。

その人物が人間の保有する魔力を対価に魔力回路を得た。


そしてそれ以降、その家系だけは陰で魔法を行使し、世界を守って来た。

ある時は王になり、ある時は暗殺者として活躍した。



そして、古くから超生物の一種である龍と契約している、古参家が1つ藁科家。


藁科家は代々龍と契約し、日本を守ってきた一族。その第99代当主というのが藁科結人だった。



          *



「第一段階<龍召喚リリース聖星龍リエス>」





結人がそう宣言すると結人の周りに5つの魔法陣が現れる。

小さい頃から何度も何度も構築した魔法陣だ。

とてつもない魔力を帯びており、5つの魔法陣は魔力の収縮が終わると空間を裂いた。

そして中から5本の龍を宿した剣が現れた。

色、形は異なるがとてつもない魔力をもっておりそこに存在しているというだけで空間が震える。


結人の左手には先程まで使用していた漆黒の剣を持ち、右手には先程顕現させた純白の剣を持った。

そして彼の周りには赤、青、黄、緑の四色に輝く、4本の剣が宙を舞う。


結人は自身の周りからは白銀のオーラを放っていた。そして輝く銀髪はさらに光るのを増した。そして背中には白銀の翼を生やした。

漆黒の戦闘服に白銀の髪や翼、その二色から結人は黒白と呼ばれるのだった。

結人は圧倒的な存在感を放ち、場を一人で支配した。



     *



同刻 ツクヨミー紅焔専用ルーム


「ついに来ましたーーーーー!!!」


咲夜は1人その場で飛び上がる。


「久しぶりに見ました!結人さんの剣♪いつ見てもかっこいいですー」


1人でベットにダイブした。枕に顔をこすりつける。

そして再び画面に注目した。





同刻 日本、アマテラス


「新たに6つの巨大な魔力を確認!黒白様の第一段階だと思われます!」


「ハハハ、久しぶりの本気だな。」


「はい、これで終了ですね。」






同刻 アメリカ、ニューオリンズ、ジルトレア本部


「これを見ろ!トップ・オブ・ヒューマンの魔法だ!」


「本当じゃないか!すぐにデータをとれ!」


「ああ、もうやってる!」


「相変わらずとんでもないな・・・」






同刻 イギリス、ロンドン支部


「今すぐ、全スーパーコンピュータで計測を行え!」


「「「了解!」」」


「相変わらず凄いですねほんと・・・」


「あぁ全くだ。ほんと彼には毎度驚かされているよ。」







同刻 ドイツ、ベルリン支部


「あら、この魔力パターン・・・結人君じゃない?」


「なんだ、学校に入学したって聞いていたけど楽しくやっているみたいじゃないか。」


「今度の夏休み辺りに顔を出しませんか?久しぶりに家族で団欒でも・・・」


「そうだね、そうしよう。」




        *




1歩、歩むごとに世界が震える。

6本のとてつもない魔力がこもった剣。


生まれてこの方、こんななど見たことがなかった。

今日もの攻撃を止めるために仕方がなく、この地にやって来たというのにあんな化け物がいるなんて聞いていない。

正直今すぐ逃げ出したい気分だったが、だが逃げられる気すらしない。


それに先程のこいつの攻撃、空間を曲げられた?

空間魔法の使い手か?だとしたら余計に手強いな。



結人は6本の剣を携えて1歩ずつ歩み出す。

以前使ったのは入学する前だっただろうか、久々の感覚だった。


感覚は良好、衰えは全く感じないむしろ以前よりも強くなっているかもしれない。

そんな錯覚をするほど久しぶりだった。


結人は足を止め左手に持つ剣を掲げると、彼女の真横を狙って純黒の剣をゆっくりと投げ下ろす。


「さてと・・・」


たったそれだけだ。

たったそれだけの事で漆黒の剣は氷を叩き割り、そしてまるで嵐のような暴風が彼女を襲う。

そしてその風圧だけで、彼女を数mも吹き飛ばした。彼女は先程作った氷の床に叩きつけた。


「がはっ!」


(なんなんだ、あいつは・・・おかしすぎる。火力、機動力その全てが私を遥かに超えている。)


相当なダメージを負ったはずだ。これは警告、いつでもお前を殺せるぞと脅し戦意喪失を狙った。

投げた純黒の剣は宙を舞い再び結人のもとへと戻る。

ただし今度は左手ではなく結人の周囲に漂う。


「これで戦意を喪失してくれればいいのだけど・・・」


今回の目的はこの謎のUCの生け捕り。

これで終わると思っていたが、そうはいかなかった。

彼女はもう一度こちらの方を向くと電気をまとい一直線に攻撃してきた。


「おっと、危ないな。」


結人はその攻撃をいとも簡単に己の剣を使って防御する。

純白の剣を除いた残りの5本で彼女の電撃、その全てを無力化した。

龍を宿した4本の龍剣と漆黒の剣を結人は自由自在に動かし、攻撃を繰り出す。


「<絶縮>・・・」


空間魔法で空間を縮め、反応出来ない速度で斬撃を放ち敵を切り刻む。ただし、刃の部分に魔力をまとわせて切ってしまわない様に工夫する。

そのまま切ったら殺してしまうかもしれないからだ。


衝撃だけで彼女を吹き飛ばす。

そして吹き飛ばした先に絶縮で飛び、攻撃を連鎖させる。

5度打撃を与えた後、海に叩きつける。


(何なんだこいつは・・・もしかして瞬間移動された?全く見えない・・・)


「・・・死なない程度で攻撃するって難しいな。」


攻撃しすぎてしまった事を懸念して近づいてみる。

すると海から突然、水しぶきとともに飛び出してきた。


気絶はしていないようだ。

まだ動ける事を知った結人は次なる魔法を放つ。



「空間魔法<絶断ぜつだん>」


<絶断>

対象となる魔法を空間ごと断ち切る魔法。

藁科に伝わる単純にして強力な魔法だ。。


手に持った白銀の剣に魔法を上乗せして攻撃を繰り出す。

繰り出された4つの斬撃は彼女の周りを切り裂く。

彼女の身体には当てずに彼女の周りを覆っていた雷を跡形もなく吹き飛ばす。


「これで終わりかな。」


すると突然、実力の差を知ったのか動きを止めた。

相手の意図が全く読めない。

降参のつもりだろうか。


この感じ・・・次の段階だ・・・。

先程とは違う魔法式が彼女を包む。

その魔法式は結人が今まで見た事の無いものだった。



ここで結人は1つミスを犯してしまった。



討伐よりも未知の魔法をみたいという気持ちが勝ってしまったのだ。



大量の魔力が彼女の周りに収縮すると上下に大小20個の魔法陣が形成される。


異変に気づいた結人は彼女の周りに巨大な魔力障壁を展開した。

しかし、間に合わなかった。

彼女は魔法陣を完成されると魔法を行使した。






『<光速飛行ライト・エビエーション>』


そう呟くと光とともに消えた。





結人はその場で呆然とする。


「・・・もしかしてだけど、やっちゃった?」



周りを見回してもそこに見えるのは海だけ。

なんの魔法を使ったのか分からなかったが、どうやら完全に見失ったようだ。状況を把握した結人は頭を抱えた。


「・・・今まで一度も任務に失敗した事が無かったのに。どうしよう、やっぱり反省文とか提出しなきゃかな。最悪順位が落とされるとか?流石にそれはないと思うけど強制退学とかになっちゃったり・・・やばい。」


結人は今まで失敗した事が無かった初めての失敗に焦りパニック状態になる。


【大丈夫ですよ結人さん、落ち着いて下さい。後は私に任せてすぐに私のもとに来て下さい♪膝枕してあげます、というかさせてください。】


【分かった、戻るよ。】


結人は固有魔法を解くと急いでツクヨミに戻ることにした。



後に残されたのは、まるで結人のミスをあざ笑うかのように沈む夕日だけだった。





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色変えてみました~


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