ss 《いつもの朝》

<いつもの朝>



私、嘉神咲夜の朝は早い。

現在の時刻は早朝5時、睡眠時間はたったの4時間しかここの所取れていないが魔法で何とかしているから問題ありません、それに最悪、病気になって倒れてしまっても愛する人に看病してもらえるのだからむしろプラスなんですよね。


朝のHRが始まる8時半まではあと3時間半もある。


起きてまずすることは結人さんエネルギーを補給すること、私はこれがないと生きていけない。


とてもやわらかい頬っぺたをツンツンしたり、ギューッと抱きしめたりして補給していく。


「よし、補給完了!そろそろご飯の支度をしなくちゃ。」


体も心もまだ愛する人のそばにいることを望んでいるが、時間がないので仕方がなく朝食とお弁当を作る。


朝食とお弁当は咲夜の担当で、夕食は結人と交代交代で作っている。最初は結人が作ると言っていたが、咲夜の結人に自分の手料理を食べさせてあげたい気持ちが勝ったため、今は交代制にしている。


「これでよし、後は冷めないように収納魔法に入れてっと。さぁお楽しみの時間です。」


鼻歌を歌いながらもう一度ベッドに潜り込むと、結人の腕の中に入る。


「はぁ~最高です。私はこのために生まれてきたといっても過言ではありません。クンクン・・・結人さんの匂いです。」


毎朝繰り返しているとルーティンのようになつている、咲夜は7時になったら自動で起きる魔法を自分にかけて再び眠りについた。



           *



自分の魔法によって目を覚ますと目の前の少年はまだ夢の中だった。


「結人さん起きてください。朝ですよ。」


うめき声は聞こえるが起きてる様子はない。



「起きてくれないといたずらしちゃいますよ~」


「あと5分~」


起きないみたいですね・・・ですがこれはチャンスです。いたずらしちゃいましょう。


「起きないとキスしちゃいますよ。結人さん・・・チュッ」


咲夜がキスをすると結人は眠たそうに目を開けた。


「ん~おはよう咲夜、甘い口付けで起こされちゃったみたいだ。このままだと本当にダメ人間にされちゃいそうだよ僕。」


「おはようございます結人さん。さぁご飯にしましょうか。」


「うん、食べよう。作ってくれてありがとう咲夜」



今回もまたバレなかったみたいですね。このまま行くのもいいですが気付いた時の結人さんの反応をみるのもまた一興です・・・

ですが最近、結人さんの素晴らしさに気付いた泥棒猫が増えた気がします。今まで以上に壁を厚くしなきゃですね。結人さんは私のものです。

目標のために頑張んなきゃ、頑張れ私!

まずは私がキスしないと起きれない身体にして・・・フフッまた楽しみが増えました!明日は何をして差し上げましょうか・・


こうしてまたいつもの一日が始まる。


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