#28 見慣れた日常①

良さげなタイトルが思い浮かばなかった・・・

なんか思いついたら変更するかもしれないです。


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次の日、教室に入るといつもよりも教室がざわざわしていた。


【結人さん、今日何故かいつもよりざわついている気がしません?】

【僕もそう思う・・・多分あれじゃない?部活動を決めた生徒たちが情報交換でもしているんじゃない?】

【なるほど・・・そうかもしれませんね・・・私たちは既に決めてしまいましたが、もう一つなら兼部ができるそうなので、見に行ってみませんか?】

【うん、いいよ、面白そうなところがあったら行ってみようか。】


結人は先に着いていた樹たちに何故教室がいつもよりもざわざわしているかを尋ねた。


「なんか今日、いつもより騒がしくない?みんな」


「ははは、本当にわからないのか?お前ら」

「樹君、2人ってこれほど無知だったんだね・・・逆に驚いたわ」

「2人とも超がつくほどの箱入りだったもので・・・おそらく原因が自分たちにあるとさえ認識していないと思う・・・」


ん?確かに僕はだいぶ箱入りだけど今日は別段変な事はしていないぞ?


「そ、そう・・・」

「予想外でした。」

「2人ともすごいよね・・・攻撃力が半端ない。」


結人と咲夜に聞こえないように小声で会話する。


「何か僕たち変な所があるの?みんな。」


「よし結人、問題を出そう。昨日と今日でお前が変えたことはなんだ?」

「変えたことか・・・特にないなー、強いて言うなら部活に参加したことかな。」


結人は長考のすえ1番ありそうな事を答える。しかし、もちもんそれが原因ではない。


「そこじゃないよ。」

「結人がここまでだったとは・・・うすうす自分も気づいていましたが。」

「他にはなんかないか?」


「んー」


結人はしばらく考えてたが全く出てこない。

そんな中、咲夜に一つの予想が生まれた。


【もしかして、今日は久しぶりに腕を組んで登校した事じゃないですか?】


【あー確かにそれはあるかも、というかそれ以外考えられないな。】


咲夜と話し合って出た答えを伝える。


「あーわかった今日の腕を組んで登校した事?」


「それだよそれ!逆にどうして気がつかなかったんだよ。逆に聞きたいわ。」

「騒がれるに決まっているじゃん。特に結人君と咲夜ちゃんは!」


咲夜と恋人である事は今まで公表していなかったので、予想以上の反響に驚く。


「うちの新人たちがすみません・・・少々常識がないみたいで・・・後で教育しておきますので・・・」

「頼んだぞ、教育係としての責任を果たしたまえ。」


樹と桃による寸劇が始まる。最近感じていることだが、2人は気があうみたいだ。


まぁそんな事はどうでもいい、問題はどうして腕を組んで登校したでこんなに騒いでいるのかという点だ。以前、樹に貰った漫画にはたしかに学生のカップルがこのようなことをしていたのを記憶している。なんの問題も無いはずだ。


「そろそろ気付いたか?馬鹿者結人


「僕達が腕を組んで登校した事がそんなにおかしな事なの?」


「と、被告はこのように供述しておりー樹弁護士どうお考えでしょうか」


「もうダメ見たいだな・・・周りを見てみろ結人、お前みたいに恋人と腕を組んで登校する人なんか何処にもいないだろ?」


「確かに・・・」


「つまり、普通じゃないってことだ。」


樹の話は一理あった。というよりなんでこんな簡単な事に気が付かなかったのだろう。登校している間は全く違和感を感じなかったが今考えてみると少し浮いていたかもしれない。それに、この4人以外にはまだ恋人であることを公表していない事忘れていた。


「とりあえずもう時間だ、授業が始まる、話はまた後でな」


「う、うん。分かった」


2人は席に戻る、と言っても最初は出席番号順に並んでいたが、今は空いている席に自由に座る観覧席のような感じだ。そのため、結人と咲夜は教室の端の方に2人でいつも座っている。入学から約2ヶ月が経過した今、そこは定置のような所になっていた。


【先ほどから妙な視線は感じていたのですが、まさか嫉妬だとは思いもよりませんでした。】


【そうだね。今度樹に教えて貰おう、まぁ樹も多分ないけど・・・】


【そうですね。】

ーーー考えようによってはこれは良い手だったのかも知れませんね、結人さんと腕を組める上、結人さんに近寄る虫が減る!まさに一石二鳥!最終的にはお姫様抱っこをしてもらいながら登校というのもいいですね!夢が広がります・・・フフフッ


【どうしたの黙り込んで・・・考え事?】


【いえ、大丈夫ですよ、それより明日からの方針を決めましょう。私としては少し恥ずかしいですがこのままがいいです///】


【わかった、いいよ】


【では、今日の帰りもお願いしますね】


その後、2人は樹達に学生の常識というものを教えて貰った。








「こんにちは〜」


「こんにちは諸君、待ってたよ。さぁ部活動の時間さ」


樹たちからみっちりと学生としての常識を学んだ結人達は約束通り、昨日加入した時間魔法研究会の部室を訪れていた。

ここに来る途中、腕を組んで行こうとしたら。桃にモテない私たちを殺す気かと言われたから仕方なく手を繋いできた。


「席順はテキトーでいいからどんどん座って座って」


促されて席に座る、結人が端の席に座ると真っ先に隣に咲夜が座った。

この速さ・・・移動加速魔法をこっそり使ったな?可愛いヤツめ


「全員座ったことだし今日の部活を始めよう。今日のテーマはみんなの実力調べをするよ~」


そう笑顔で言いながら棚から重りを取り出す。


「ここに100kgの重りがありまーす。これをどれぐらいの間、収納しているか競う競技でーす。1時間耐久出来たら1tのやつを用意するから、ちなみに私は70分ぐらいだったかな、じゃあ早速やってみよー」



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読んでいただきありがとうございます!

次回更新は明後日です。

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