リルカと守り人8
リルカはまた別の世界に来ていた
ウルをつぶすにはまずウルの本拠地を見つけなければならない
そのためにもアウルを探さなければと考える
「お母様、本当に見つけられるのでしょうか?」
「何言ってるのミルカ。貴方とメルカ、そして私の力がそろえばきっと見つけられるわ」
アウルの気配はかなり大きいにもかかわらず、彼は隠れるのが異様にうまかった
様々な世界を回っているにもかかわらず、相対しなければその気配に気づけないのだ
「ところでリルカ様、すでに気づかれているとは思いますが」
「ええ、囲まれているわね」
気づかれたとその囲んでいる者達は出てきた
驚いたことに、全てが全く同じ顔
「ふ、ふふ、ほんとは種の方へ、ふふふ、行くつもりだったんだけど、見つけちゃったから、始末しようと思ってね」
彼の力はリルカからしてみれば大したことはない
一人一人の力は、感じるに下位世界の神ほどしかない
だが何かが異質だった
「あなた、一人ですね?」
「ふ、ふふ、そうだよ。僕らは一人。ふふふ、あ、ああ、これから起こることはただの蹂躙だけど、僕は悪くないよね? だって僕は命令されてやってるんだから」
少年は悪びれる様子など一切なく、ただ自分は仕方なくやっているということを強調している
そしてリルカたちを囲んでいるのは彼の分身と思われた
これだけの数を、下位の神クラスの実力しかないとはいえなかなかの実力者だと思われる
相手がリルカでなければだが
そんなことは彼も重々承知しているだろうが、絶対に勝てるという自信をもった顔をしている
「ふ、ふふ、始めよう。すぐ殺すから」
「そうはいかない!」
イツキが分身含め彼ら全てを切り裂いた
「ああ、あああ、やっちゃった。やっちゃったね。ああ、僕は悪くないからね。君が勝手にやったことだから」
残った本体が笑う
そのとたん、ミツキがズタズタに裂けて地面に転がった
「ぐ、あああ、うぐぅ、なんだ、何が起こった・・・」
「イツキ! すぐ治します!」
リルカはイツキの傷を治そうとしたが、傷口が塞がらず、むしろ広がって行く
「ぐ、ああ、アアアアア!!」
「ああ、またやっちゃいけないことをしちゃったね。ほら僕は悪くない。全部君たちが自分で導いた結果だ」
少年は笑う
その目の邪悪さから、明らかに彼がアウルの部下の中でも特質した存在だと分かった
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