第9話 3月10日 はじまり

珠弓との生活は今のところ問題なく。日々が過ぎている。問題といえば……やっぱり話さない事か。今のところ家には2人生活している人が居るはずなのに、いつも部屋は静かだった。


多分……大学は今までみたいには、行かない気がするんだが……大丈夫だろうか?いや、まさかもあるか……珠弓のオーラで周りがすぐに納得とか……なんかありそう。


まあとりあえず1週間ほど珠弓と一緒に生活をしてみたが「話さない」という問題を気にしなければ。珠弓は1人でも十分生活できる。全く問題なく1人暮らしでも大丈夫じゃん。だった。料理も問題ないし。っか。めっちゃ上手い。あと家事も普通にできるし。規則正しい生活してるし。問題はどこにもないと思った。まあ「話さない」を気にしなければ。だが。


ちなみに1日の流れはこんな感じ。


……。

……。

……。


朝。まだ大学は休みなので、大学へ行くときみたいに早起きはしないが。今は珠弓がいるので、朝ダラダラする。ができないため。休みの割には早めに俺は起きている。


ベッドから起きる。そして着替える。いつもの流れ。そしてちらりと隣を見ると仕切りがある。仕切りを置いてあるので、珠弓の姿は見えないが。起きているか。寝ているかは音でわかる。仕切りがあるだけで同じ部屋なので、今のところ静かだからまだ寝ているだろう。いや、ちょっと音がしたから……起きてるかな?


っか。こんな仕切りだけでいいのだろうか。とか思っているんだが……珠弓は問題ないらしい。置いた俺が言うのもだが……これだけではめっちゃ問題ある気がするんだが……。


一度メッセージで珠弓とこの仕切りのことに関してはやりとりをしている。リビングも広いので「俺はリビングで寝るけど?」と提案したが。すぐに「ダメです。絶対にダメです」と珠弓からお返事が来たので、今のところはそのままなのだが。いいのかな。とか、いつも思っている俺。


そして珠弓は俺の事を信用しすぎではないか?と思う。仕切りしかないので、覗くやらやらは簡単にできるんだが……ってしないからな?してないぞ?本当に。でも、普通に音。物音は同じ部屋に居ると聞こえるので……なんというか。生活の音が丸聞こえというのか。まあとにかくいろいろ大変。


あと、仕切りの向こうには俺が入れない。とかいうことはない。掃除やらで普通に入るので……うん。珠弓の私物っていうのか。普通にいろいろ見てます……。


ちなみに家事の役割分担は……。


「その時の気分でするか」


♪♪


「それでいいと思います」


みたいな感じですぐに決まった。料理はしたい方がする。っか先に作り出した方がする。掃除は気になったら。買い物は一緒に。っか。俺と珠弓は相手に任せる。ではなく。2人とも家事は苦には思わないタイプだったので、今のところ交互にという感じに、当番とか全く決めてないのにちゃんといい感じにまわっている。


って、こんな話はいいか。とりあえず俺は起きた。起きました。すると少しして、仕切りの向こうでもゴソゴソ。音がした。多分珠弓は俺が起きたのを確認してから、いつも動き出していると思う。今ベッドから降りて、着替え……音的に脱……って実況する必要ないので、準備できた俺は仕切りに向かって話す。


「洗面所。先に使うからな」


いつも通り。珠弓から返事はないが。多分これで大丈夫なので俺は寝室を出る。まあこの流れが毎日ある。そして、珠弓は俺が準備を終えると同時くらいのタイミングで寝室から出てくる。そして俺と交代で洗面所へ入っていく。そしていつもこの時にぺこりとお辞儀をする珠弓。多分おはようという意味みたいなので。俺は「おはよう。珠弓」といつも返している。特に何も珠弓からは言われないのでその解釈であっているらしい。ちなみに寝起きの珠弓は……なんというのか。レア。まだ眠そうに居るあの姿。撫でたくなるような感じ。って俺今日は余計な事多く言ってるな。


まあ、なんか珠弓が遠慮しているというのか。俺に合わせているという感じもあるが……「自由にしろ」と言ったところで珠弓は変わらないと思うので。今のところはこのままでいいか。とか思っている。


そして、その後は2人で朝ごはんを食べて。洗濯と掃除。という流れ。ちなみに、洗濯は初日の時に珠弓がメッセージで……。


♪♪


「洗濯は恥ずかしいので、私が全部します。お願いします」


やら言って来たのだが……同じ部屋に住んでいるので……まあ外に干しても。中に干しても……見ちゃうんですよ。はい。片付ける時も今みたいな休みならまあ珠弓にしてもらえば……だが大学始まったらどうなるかと考えると……珠弓が遅いことも当然あるだろうしで、結局今は……。


♪♪


「絶対にジロジロみないでくださいよ」


みたいなことになっていた。なんか珠弓には悪いが。珠弓がどんな服。下着なのか。この数日で理解してしまいました。すみません。本当にすみませんわざと見た。記憶した。ではないが……2、3回なら殴ってもいいですよ。はい。いや、もっと殴られても大丈夫です。はい。


一応書いておくが。基本ここまで無言の珠弓。たまにスマホ使ってなんか言ってくるこてはあったが……。


まあなんやかんやあるが。そのあとは。2人で平和に過ごす。みたいな感じ。買い物も行ったが。珠弓が必要なものを事前に冷蔵庫やら見てメモしてくれたりするので。俺1人の時よりなんかスムーズに買い物できるようになったし。荷物運びも2人になるとまとめて買えるのでかなり楽。


買い物の時はいつも俺がカゴ持ってまわっているのだが。お人形さんはトタトタと必要な物を探して来て、カゴに入れていってくれるので……俺はめっちゃ楽。っか珠弓初めて来たはずのスーパーなのに。お店の中を覚えるまでが早かった。むしろ1年居る俺よりもう何がどこにあるか把握していると思われる。


っか。俺と珠弓は、1年しか年が離れていないはずなのだが……トタトタとものを探してくれている珠弓を見ていると。なんか妹ができたみたいだった。まあ見た目は完全に小さいし妹……って言ったら怒られるかな?怒られるよな。とか思ったり。はい。結構思ってます。でもそう見えるし、かわいいので仕方ない。うん。ホントかわいいよ?


まあそんな感じか。そして何度も言うが静か。めっちゃ静か。基本俺しか話さないので。でも、居心地が悪いとかは全くなく。珠弓が居るとなんかそれだけで良い。お人形さんは居るだけでなかなかのパワー。部屋の雰囲気が変わりました。


ご飯を作ったら、頷きながらニコッと、食べてくれる珠弓。なかなかいいですよ?って、ほんとこのままだと珠弓話さないで生活できてしまいそうなのだが……まあ俺が慣れてるからダメなのか。


なんとなく珠弓の考えているであろうことは、見ればわかるので……珠弓も俺と居ると話す必要がないという現状。


ちなみに昼過ぎの眠くなる時間。毎日ではないが、かわいいお人形さんを見ることができる場合がある。


ソファーに座りながらクッション抱いてウトウトしているお人形さんは……そのまま保存したいレベルだった。って、また余計なことを話したか。俺の心の声が珠弓に聞こえていたら……怖い怖い。えらいことが起こりそうだ。


……えっと。どこまで話したか。まあ大学がまだないからこんな感じにのんびりの日が多いので、ボーっとしていたら。夕方。夜である。


ちなみに、風呂は何故か俺が先らしい。珠弓がそこだけはこだわった。というのか。譲らなかった。


「珠弓。先に入ってもいいんだぞ?」


♪♪


「ダメです。先輩が先です」


みたいなやりとりが何回か続いたので、珠弓が来てから今日までは俺が先である。なんでなのかは知らないが。あれか。自分の入った後に誰かがお風呂に入るが許せないとかそういうことなのだろうか。とか思っているのだが……なんかそれは珠弓のいつもの行動からはない気がするんだが……他が思いつかないのでそう思うことにしている。


あと先に言っておくと。風呂上がりのちょっとポカポカしている感じの珠弓もめっちゃかわいい。はい。毎日見ても……飽きない。最強の癒しである。俺こんないい生活していていいのかな?


そのあとは一緒にテレビ見たりしていると。たまにとなりで「……くすっ」 とかの笑い?が聞こえることもあるが。あれは話したには……カウントされないのかね。目が合うとちょっと恥ずかしそうにしている珠弓が居るが……笑いたければ笑えばいいのに。とか言っても……こいつダメなんさな。ホント。


そして、あとは寝るだけか。今のところそんな感じの1日が続いている。


なお、光一が来るとその時間だけ部屋がめっちゃくちゃ。本当に騒音レベルでうるさくなる。ホントいらん。来るな!なんだよ。騒音だから。そして珠弓もホントそのうちまた反撃に出そうで怖いです。はい。警察を呼ぶようなことにならなければいいが……ないよね?珠弓?ないよね?


っか。一緒に暮らし出して、結構真面目に珠弓を話すように教育しないとダメなんじゃないか?と思っている俺だった。このままでは……本当にダメな気がした。でも……どうすればいいか。いまのところ全くわかっていない俺でした。





今日のお人形さんはいつも通りです。 

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