禁忌:知ってはいけない
「色々な禁忌を調べていくと、知ってはいけない話っていうのも出てくるんですよ」
コーヒーというよりは黒い砂糖汁の有様である。
私はそれを啜りながら、言葉を続ける。
「まぁ、知ってはいけない話なんて、世にありふれてますけどね。
芸能人の裏側とか、社会の仕組みとか、
ハッピーに暮らしていくには知らない方がいいことのほうが多いんですよ」
例えば、この黒い砂糖汁が身体にもたらす悪影響もそうだ。
当然、私はそれを調べようとは思わないし、知ったところで忘れるだろう。
勿論、コンビニスイーツのカロリーだって調べない。
「好奇心は猫をも殺す……それでも人間の好奇心って奴は、
そういう話に興味津々ですよね、私もそうです。
だから、知ってはいけない話について今からお話しようと思います。
と言っても、聞いたら呪われるような話ではなく、
おそらく、健康に対する被害も出ないでしょう」
私は黒砂糖汁を飲み干す。
値段相応のコーヒーだったものも、ここまでやると愛おしい。
ただ、流石にお冷のグラスにも手が伸びる。
「じゃあ、話しますよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます