ゴブリン討伐戦
51.リオンのソウルパーチャス共有化
「さーて、今日も新しい朝が始まりますにゃ~」
「うーん……やっぱり、まだ眠いです」
「ほんっとうにミキって朝弱いわよね」
「まあ、どのみちなれてくるさ」
翌朝、俺たちはいつもの時間に起き出して朝食を食べるなど仕事に行く準備を進めた。
ミキとアヤネは身支度を調えるということで、一度二階へ上がっていった。
そんななか、いつも最初に準備が終わるのは俺だ。
なにせ、ハーフローブを着て杖を装備して終わりなんだから。
ハイエルフ故に中にチェインメイルを着込むわけにも行かず、普通にローブを着込んで終わりである。
そんなわけで、みんなが装備をつけるのを待っている間、いろいろとソウルパーチャスの画面を確認してみる。
昨日の魔物を退治したときにかなり大量のソウルを入手していたらしい。
この経験値をスキルに回せば、大量のスキルが手に入るのだが……無理せずにレベルアップに使用しよう。
というわけで、レベルを限界まで上げてみた結果、こうなった。
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名前:フート
種族:ハイエルフ
Lv:33
HP:489(245)
MP:2426(803)
筋力 :88(49)
体力 :146(94)
素早さ:187(124)
賢さ :445(228)
器用さ:311(160)
魔力 :1932(476)
幸運 :98
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相変わらず筋力が死んでいるが魔力とMPが群を抜いて強くなっていた。
これなら、リオンが「レベルも上げるように」言ってくるわけだ。
念のためソウルパーチャスで覚えられるスキルの一覧も確認していくが、スキルの中で取得可能になった新しいスキルはなにかないかな……。
「あれ? 棒術や斧術スキルの取得ソウルポイントが10倍になってるぞ?」
前からそうだったかな?
どうせ斧なんて持つことができないから気にしたことはないけど、上がったのか、これ?
他にもみていくと、武術系スキルの一部がソウルポイント10倍になっていた。
「なにをしているにゃ、フート殿?」
「ああ、リオン。準備が終わったのか」
「はいですにゃ。……ソウルパーチャスでもみていたのですかにゃ?」
「ああ、一部のスキルが取得ポイントが高くってさ」
「ふーむ、なにか種族的なものがあるのでしょうかな。そういえば吾輩にソウルパーチャス機能を付与することはできるようになったのでしょうかにゃ」
「あ、そういえばそんなこともあったな。ちょっと待って……うん、問題なくソウルパーチャスを使ってもらえるようになったな」
「本当ですかにゃ! ……おお、これがソウルパーチャス。ものすごい量のスキルがありますにゃ」
「【鑑定】系のスキルがあれば検索ができるぞ」
「お勧めのスキルはありますかにゃ?」
「そうだな……【ソウル取得量1.5倍】とかか? 手に入るソウルが増え続けるからとってもおいしいんだよ」
「おお、それは便利ですにゃ。どれどれ……たった15万ソウルですか。安いものですにゃ。早速取得ですにゃ」
「ちょっと待った!? 【ソウル取得量1.5】が15万か?1万5千じゃなく?」
「15万でしたにゃ。まあ、吾輩のソウル量からすれば雀の涙ですにゃ」
「他には何かないのか?」
「おお、【剣術レベル8】なんて言うのがありますのにゃ……伝説の7の上、どんなにすごいんでしょうにゃぁ」
「レベル8スキルなんて俺たちのスキル一覧にも出ていないんだけど」
「むむ……取得に必要なソウルは400万ですかにゃ。でも取っちゃうにゃ!」
「俺たちとソウルの使い方が違う」
「当然にゃ。吾輩のいまのレベルは160にゃ。ソウルなんてめちゃくちゃ余っているのにゃ」
「……そうなのか?」
「なにせレベルアップまで1億ソウル以上要求されるのにゃ。それならスキルを覚えて底上げだにゃ」
「なるほどなぁ。それなら……」
リオンに俺が知っている限りのお勧めスキルを教えてみた。
すると、すべてのスキルが必要ソウル10倍程度だったが、そんなのお構いなくリオンは覚えていく。
その結果……。
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名前:リオン
種族:ケットシー
Lv:160
HP:38987(13584)
MP:32897(10137)
筋力 :35087(5634)
体力 :9065(4087)
素早さ:56882(8097)
賢さ :8231(3878)
器用さ:6724(2350)
魔力 :29877(4078)
幸運 :156
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うん、化け物だ。
リオンはマジックフェンサーという魔法も使う剣士らしく、筋力・素早さ・魔力をすべて強化した。
そのほかにも器用さが高ければ高いほど魔法威力の安定さと詠唱速度の圧縮が期待できるそうだが、そっちはスキルでカバーできるのでパスしたそうだ。
ちなみに、スキル取得前のステータスでなにを狩りに行こうとしていたかと聞けば、俺たちが倒した黒熊らしい。
「あの熊は本来レベル160でも厳しい相手でしたにゃ。ただ、人里に近づいてきているという話で吾輩に偵察指令が下ったのにゃ。まさか倒されているとは思いもしませんでしたがにゃ」
「確かに、そんな化け物をどうやって倒したんだろうな」
「おそらく、一緒に戦ったいうフェンリルたちが相当ダメージを蓄積させていたはずですにゃ。皆さんは最後のとどめを手伝った、というところでしょうにゃぁ」
「そういや、攻撃用のスキルって【剣術レベル8】以外になにを覚えたんだ?」
「【風纏剣レベル5】と【水纏剣レベル5】、【風元素魔法レベル5】に【水元素魔法レベル5】あたりですかにゃ。ソウルはまだまだたくさん余っているので、必要そうなときには追加するにゃ」
「風纏剣と水纏剣って?」
「魔法を剣に乗せるためのスキルですにゃ。吾輩はこのスキルレベルが低く、マジックフェンサーとしては半人前でしたにゃ」
「ふーん、それで、魔法の種類が元素系なのは?」
「ケットシーとしては精霊系の方が相性がいいはずなんですがにゃぁ……吾輩はどうしても精霊魔法を取得出来ず、元素魔法の方が簡単に覚えられてしまったのですにゃ。これも相性でしょうにゃ」
「そっか。それじゃ、これからはさらに活躍を期待していいんだな?」
「むしろ全部の獲物を吾輩に捕られないように気をつけるにゃぞ?」
階段の上から足音が聞こえてきた。
女性陣も準備ができたということだろう。
さて、今日も行くとするか。
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