37.いらないものの換金と歓迎会
やっぱり遅くなったぜ3回目の更新!
本章最終話楽しんでいってくれ!
あと、日付が変わる頃に番外編として現在の登場人物まとめを載せるから明日の朝にでも楽しんでくれよな!
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「……マジで近接戦闘用の魔法なんてあんの?」
「あるよ。雷のレベル1に「サンダーハンド」って言うのがあるんだけど、これを射出しないようにして使えば感電する腕として使えるから」
「……魔法やべぇ」
「どっちにしてもフート殿は近接戦を鍛える必要はありますがにゃ」
「だな。ほかのふたりはどうしたらいいと思う?」
「そうだにゃぁ。アヤネ殿は装備をなんとかしたほうがいいと思うにゃ。いまの戦い方を変えるのが厳しい以上、武器の攻撃力を上げるのが最善ですにゃ」
「攻撃力ねぇ……なにかいい方法はあるかしら」
「ミキ殿は、とにかく実践あるのみですにゃ。一対一の戦闘でも無傷で耐えられるようになれば文句なしですにゃ。いまの戦闘方法は、戦闘後にフート殿に回復してもらえる前提ですにゃ。何らかの理由でそれができないとなると一気に危険になりますにゃ」
「……確かにそうですね。がんばります!」
「チームとしては問題ないですが、個人としては問題ありにゃ。個々人の問題点を補うように今後はがんばっていくにゃ」
「そうですね。がんばりましょう」
「さあ、このあとは新人歓迎会にゃ。もう少し時間があるけど、どうするかにゃ?」
「そうだな。灰色の森で集めた不要素材を買い取ってもらうっていうのはどうかな?」
「灰色の森素材ですかにゃ、それは助かりますにゃ。都では灰色の森産素材は品薄なんですにゃ」
「じゃあ買い取ってもらいましょうか」
飲食コーナーの方は忙しそうだが、素材カウンターは空いているのでそっちに向かうことに。
そちらでは暇そうにしているオヤジがひとりが片肘ついて立っていた。
「暇そうであるな。オヤジ殿」
「ああ、ネコの旦那。弟子の三人も一緒か。今日は久しぶりの大型新人が来たってことで大騒ぎだよ。よかったじゃねえか」
「たはは、吾輩のおかげではないんだけどにゃ。それよりもオヤジ殿。素材の買い取りをお願いしたいのにゃ」
「買い取りか。どの程度になるんだ?」
「えっと……どれくらいにゃ?」
「二週間近く籠もっていたからそれなりの量かな?」
「……そんだけ籠もって生き残りゃあれだけの強さも納得か。それじゃあ、大量になるだろうから、奥の倉庫に来てくれ」
オヤジに案内されてきたのはまさしく倉庫。
いろいろな素材が所狭しと並べられていて、見ているだけでも楽しそうである。
「ここだ。ここに並べてくれるか」
「はいよー。それじゃあ、始めるぞ」
並べてくれいうことなので、アイテムボックス内で整理されたアイテムをずらっと並べていく。
すると。
「ちょっと、待て! いくらなんでも多過ぎだろう! 一体どれだけの魔物に襲われていたんだ!?」
「あ、やっぱり多いのか。感覚がわからなかったから変だとは思わなかったけど、多かったんだなあ」
「さすがにこの量を数えるのは明日になるぞ……。というか、魔石はないのか?」
「魔石は別のことに使いたくてね」
「ならいいか。集計は明日でいいか?」
「かまわないよ。あと、今日の歓迎会? に出てくれてもいいから集計はあまり急がないでいいよ」
「そうか? まあ、明日中には終わらせるよ。……そろそろ準備も整ったんじゃねえか? 主役たちはさっさといったいった」
倉庫を出てハンターギルドの廊下まで戻ると、確かに歓迎会の準備ができているようだった。
「お、主役が来たな。はよ、こっちに座れ」
集まってくれた先輩ハンターたちは20名ほど。
意外と集まってくれたんだなぁ。
「よっし、主役も揃ったな。全員、ジョッキは持ったか?」
「あ、新人三人は念のためジュースのジョッキであるよ。主役が早々にに酔い潰れては困るのであるからな」
「よっし。それじゃあ、新しい仲間の誕生に! カンパーイ!!」
「「「カンパーイ!!」」」
先輩方の景気のいい音頭につられて俺たちもジュースを飲む。
目の前にはさまざまな料理が並べられていた。
「三人も食べたい料理があったら遠慮しないで取って食べるのである。遠慮しているとすぐなくなるのであるよ」
「ええと、私も食べてますよ?」
「ミキは食が細すぎるのよ。ほら、このピザも食べなさい」
「アヤネさん、そんなに食べたら太っちゃいますよ!」
「そんなことないわよ、ミキは細すぎ。フートもそう思うわよね?」
「……またそういう答えずらいことを」
「にゃはは。ですがミキ殿が細すぎるのは同感であるな。もう少し筋肉をつけないとこの先苦しいのであるよ」
「うー、でもそんなに食べられませんよー」
「まあ、食べられる範囲でがんばるのであるよ。明日も鍛錬はあるのですから、食べて訓練を続ければそのうち筋肉は付いてくるのである。ついでに食べられる量も増えてくるである」
「……それって女の子として嬉しいことなんでしょうか?」
「女の子として嬉しいかどうか、なんてハンターを引退してから考えればいいのよ~」
俺たちの席にやってきたのは模擬戦でも戦ったライラさん。
そういえば、この人も女性なのに、それなりに体つきががっしりしていたな。
「ハンター業をやる限り何事も体が資本なのよ。ましてや前衛で華奢なんて下手したら攻撃をはじかれちゃうじゃない」
「……それはそうですが……やっぱり女の子としては複雑です……」
「そんなのは男子に任せればいいのよ。それに獣人が男子と一緒にパーティを組んでいるなんてそういうことなんでしょう?」
その一言にミキの顔が真っ赤になる。
「な……私とフートさんはそういう関係じゃ!」
「そうなの? じゃあ発情期はどうする気なの? アヤネもだけど」
「えっと……それは……」
「そういえば、発情期をなんとかする方法ってないの?」
「あー、そういうのは私よりも受付嬢とかに聞いた方がいいわよ? まあ、多分どうにもならないと思うけど」
「……うん、覚悟は決めておこう。そして避妊の方法は考えておかなきゃ」
「……アヤネさん、ポジティブですね」
「まあ、フートならねぇ。あんたもまんざらじゃないんでしょ」
「……それは、まぁ……」
「そういう話は本人がいないところでやってほしいなぁ」
ラザニアをつまみながら女性陣の話を流し聞く。
というか、隣で話されているからいやでも聞こえる。
「大変そうだな、お前も」
「あ、ニコレットさんでしたっけ。傷の具合は大丈夫ですか?」
「お前が我の傷を治してくれたそうだな。前よりも調子がいいぐらいだ。本当に助かった」
「いえいえ、俺の仲間がやり過ぎたようなものですから」
「……しかし、治療費だが、あんなに安くてよかったのか?」
「治療費のことはギルドマスターにお任せしたので……」
「一回につき大銀貨3枚、10回だから金貨3枚だ。教会に行けばこの十倍以上は請求されても仕方がない額だぞ」
「マスターがそれでいいと判断したならそれでいいんじゃないですか? でもそんなに払えるんでしょうか?」
「我らの稼ぎなら一回の遠征で十分に稼げる額だ。三人分でなく、ひとりあたりの額でな」
すごいな、先輩ハンターとなるとそんなに稼げるのか。
「お前のような治癒士がハンターギルドに詰めていてくれると助かるのだがな……」
「すみませんが、俺もハンターになる予定なので」
「いや、わかっている。忘れてくれ。ではな」
ニコレットさんが離れていったあとも、さまざまな先輩方が入れ替わり立ち替わりやってきてくれた。
なお、女性陣に関してはアヤネとミキ、それにライラさんの三人に絡まれたくないのか、やっぱり俺の方にやってきている。
そして宴もたけなわとなり、やがて歓迎会も終了していったのであった。
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