都へとむかって
20.天陀の街到着
本日三回目の更新です。
明日からは朝の一回更新になる予定(予定なのでときどき夜更新もするかも)。
そして、申し訳ないのじゃが、この先30話近く戦闘場面がないのじゃ……。
街間の移動とか拠点の話とかハンター試験の話とか書いてたら、モンスター戦が45話くらいまで存在せず……。
誠に申し訳ない<(_ _)>
(いまの時点でも主人公たちが序盤にしては強すぎ説もある)
**********
「ここが天陀の街であるな。ここは魔黒の大森林への最前線ということで上位のハンターや冒険者、それを支える生産者が集う街である!」
高い城壁に囲まれたその街はわかりやすい城壁都市であった。
どう見ても居住性より防御力に全振りしているように思える。
「んー! これよこれ! これこそファンタジーの街よ!」
「ですよね、アヤネさん! 街の周りを壁で囲んでこそファンタジーです!」
アヤネとミキがよくわからないところで興奮しているが……ついていけないな。
「フート殿、あのふたりはいつもあんな感じなのですかな?」
「うーん。そんなことはないんだが……」
「ああ、赤の明星によくあるファンタジー病というやつであるか。では気にしない方向で行くのである」
リオンはふたりの様子を無視するようだ。
俺も無視しておこう。
街が近づいてくると、門が目の前に迫ってきた。
立派な城壁に恥じない、巨大な門だ。
「さて、もうすぐ入街審査であるよ。今回は吾輩に任せてもらえれば大丈夫である」
「わかったわ。それじゃ、任せるわ」
自信満々でいうリオンに任せることにする俺たち。
さて、なにがあるのかな。
「次……おや、リオンさん、もうお帰りですか?」
「はいである。運良く死道に入った直後に出会えたのであるからな」
「ということは同乗している方々が今回の赤の明星の皆様で?」
「そう言うことであるな。入街審査を頼むである」
「わかりました。すみませんが、車から降りてきてもらえますか」
衛兵の指示に従い、車から降りる。
一緒にレッサーフェンリルたちも降りてきたけど大丈夫だろうか。
「……おや、レッサーフェンリルの子供ですか。誰かの従魔で?」
「ああ、俺の従魔だ」
「それではこのあと、従魔ギルドで従魔登録も必要ですね。相当、警戒心が強いようですが……まあ、その程度なら問題ないでしょう」
「そうなのか?」
「従魔の中では主人にしかなつかない従魔など珍しくもないですよ。……おっと話がそれましたな。まずはこちらに来ていただいて、この水晶に触れてください」
「おお、ファンタジーの謎技術!」
「これ、わくわくしますよね!」
「……あの、お嬢さん方は大丈夫でしょうか」
「気にしないでください。一種の発作だと思って」
「はぁ。とりあえずあなたから触っていただいて。……青色ですね。問題なしと」
ふむ、この水晶の色でなにかを判別しているのか。
なんの識別なんだろう?
「これはあれですね。犯罪歴とかがあるかどうかを調べる水晶ですね!」
「おや、よくわかりましたね。まあ、そこまで万能じゃありませんが、一応確認のためですね」
「それでは次は私が触りますね!」
「……あなたも問題なしっと」
「最後は私ね。これで私だけ問題があったらどうしようかしら」
「うん、問題ありませんね。……まあ、赤の明星の方々がこのチェックに引っかかることは珍しいのですが」
「ということは引っかかる連中もいると?」
「保護されるまでに盗賊行為を働いていたりとかですね。まあ、この世界の常識がないので仕方がないのかもしれませんが」
「俺らの世界でも犯罪ですよ、それ」
「食うに困ってやむにやまれずということもあるらしいです。……っと話し込んでしまいましたね。リオンさんのところに戻りましょうか」
リオンのところに戻ると、リオンはリオンで衛兵と一緒に話をしていた。
「リオン、終わったぞ」
「はいですぞ。……それでは、そちらも監視よろしく頼みますぞ」
「はい。リオンさんも任務、お気をつけて」
「ここからは割と楽な仕事ですがな」
全員の検査が終わったということで、再び車に乗り込む。
車はゆっくりと街中へと進んで行った。
「街中でも車で走れるんだな」
「時速制限は厳しいのですけどな。いまだに、車道の整備が進んでないのである」
「へぇ、それは不便よね」
「地球でも昔はそうでしたよね」
「それでも、昔から馬車はあったので、自ずと車と人の住み分けはできているのですがな」
「そういえば、これからどこに向かっているんだ?」
「まずは吾輩たちの本拠地、ハンターギルド支部に向かっているのである。そこで仮のハンター証を発行してもらうのであるよ」
「仮、ですか」
「本証は首都に向かってから作るのであるよ。理由は本証を作るときにはすべてのスキルがわかってしまうためである。隠したいスキルのひとつやふたつ持っているであろう?」
ひとつやふたつどころじゃなく隠したいスキルはたくさんあるんだよなぁ。
灰色の森でなんの加減もせずにスキル上げしてしまったが問題だったかな。
「まあ、そういうわけだから、情報統制の簡単な本部で正式な登録をするのであるよ」
「了解、理解した。ちなみに、従魔ギルドってどこにあるんだ?」
「従魔ギルドは冒険者ギルドとハンターギルド内に間借りして存在しているのである。なにせ、従魔を連れている人物のほとんどはそのどちらかであるからなぁ」
「じゃあ、仮登録と一緒に従魔登録もできるな」
「であるな。……おっと、そんな話をしている間にハンターギルドにたどり着いたようであるな」
リオンが指さしたのは見事な石造りの建物。
三階建てかな。
「それではハンターギルドに入るのである。ささ、どうぞであるよ」
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