第201話 撮影?

「それにしても、珍しい組み合わせだね? 仲良かったの?」


 後で、と言われても気になるおれは、遠回しに聞いてみる。


「うん、ホントは涙ちゃん誘ったけど、もしかしたら泊まるって言ったらダメだって」

「ルイちゃん?」

「鬼ノ目涙」

「……ごめんなさい」


 おれ、明らかにメンバー把握していない。後で輝夜に全員教えてもらおう。


「マコもトクイかって言うとそこまででもないから、りらとナッツー来てくれて嬉しい」

「こういうのバッチリだよ、任せて!」


 頼もしい返事する二本田さんの横で、ぺこぺこうなずく比護杜さん。確かなつきさん。ナッツーって。


「で、どう?」


 何がどう? なのか、おれを置いてきぼりで話は進んでいく。

 しかもりら、おれを眺めて首を傾げる。

 やっぱおれの事じゃん。バッチリおれじゃん。


「まー、できればカットしたいとこですけど、それだとあからさまだから今回は無しで。風呂には入ってもらって、ちょっといじろうかな」


 カット?? 風呂???

 一体何???


「ふーん。まー、言ってもどうせ滝夜だししょーがないよ」

「あはは」


 おれ、なんでこんな事言われてんのか。


「場所は確保してるけど、時間勝負だから早く食べて。今からだと……5時間くらいか」


 仕切ってるのは完全にマコ。

 他の二人は実働隊なのか。

 でもさっきまでハジメと何か話してたはずだし、それならハジメは何の役割なんだろう。


「夜景は無理?」

「テクないでしょう」

「プリちゃんどう?」

『アプリ連動でアドバイスできます。照明レンタルもできます』

「んー、じゃあ追加で予算問い合わせして」

『はい』


 プリちゃんと呼ばれてマコのウグイスが返事した。女子は隠さないなー。

 おれだったら絶対言わないけど、やっぱ同性? だからかなー。


 そしてどうやら、撮影っぽい雰囲気を醸し出している。

 それも、おそらく被写体はおれ。

 何で???

 どうして???


「滝夜、食べた? 早く食べて。風呂入って」


 クルってこっち向いて、当たり前みたいに指示するマコ。


「だから何で」

「撮影するから」

「だから何で!?」


 おれ以外の全員が視線を交わして、マコが言った。


「アンタのファンクラブ作るから」


 ……はあ???

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