第200話 お・あ・ず・け?


「ご飯どうしようかな。輝夜、今日小猫たちご飯は?」

『あちらで食べるみたいですよ。ここには、人数分のお弁当が届きます』

「えっ、作るのに」

『人数が多いから、滝夜さんには手に余ると思いました。作りたかったですか?』

「や、そういう訳じゃないけど」


 なんかもったいないっていうか、届けてもらうの悪いっていうか。


 ピンポ~ン


「おっ、また誰か来た」


 今日来客多すぎじゃね?

 ドアのガラスの向こうには、あれ、比護杜さん?


「いらっしゃい……」

「ど、どうも」

「ちょっとドア開けてて」


 後ろから二本田さんが、パン屋さんみたいなケースを抱えてる。


「わ、お弁当か、ありがとう、持つわ」

「サンキュー」


 参・ハジメ・マコ・二本田さん・比護杜さん・おれ。

 6人分?

 さほど重くはないけど、比護杜さんも大荷物だし、ホテルから運んできたなら大変だった。

 というか、ほんとに何があるの??


 テーブルにお弁当を置いて、ケースを壁に立てかける。


「それはやめた方がいいて」

「やるっつってんだからやるの」


 なんか言い合いしながら階段を降りてきたハジメとマコ。

 また、おれの知らないところで何か起きてる。


「お弁当ありがとな」

「チワワ」

「お疲れ~」

「荷物……」

「あ、もらう。ここ置くで」


「聞いていいかな」


 みんなが一斉におれを見る。

 その表情がなんだか固くて、無言だし、ますます何かがある感じを強めてる。


「何があったの?」


 みんながハジメを一瞬見る。

 おれに言っていいかを問う視線。


「言うから、まず弁当食わして」

「はぐらかさないで「はぐらかせへん」


 かぶせて言い切ったハジメの、目付きがマジだ。

 これ、絶対いい話じゃない。

 おれに関することで、しかも聞いたら落ち込むようなやつ。


「ちょぉっと~、なにマジになってんのよう。むしろ喜ばしいことジャン、おあずけだよお・あ・ず・け!」

「ええ???」


 もうなんだかワカラン!


「ま、そうかもな。さ食べよ」


 そう言ってテーブルを見ると、二本田&比護杜の二人、いつの間にかもう食べていた……

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