4-12
それからも毎日忙しかった。
いろんなマスコミ関係のところへ挨拶回り。
レッスンしたり、練習したり、その合間に曲を作ったり。
実際、まだCDが発売されてないから、デビューしたことにはなってないけど、ラジオの収録の仕事が入った。
これを流すのはデビュー後だから、デビューしましたってゆう設定で収録するそうだ。
今まで俺はラジオってあんまり聞いたことなかった。
ラジオって誰が聞いてんの?
月曜日から金曜日の21時から1時間の番組。DJ?パーソナリティって言うのかな?
有名な声優さんだそうだ。
特に若い子に人気がある番組だということだった。
月曜日から金曜日までの5日分の収録をします。
初日全員、瞬さんと桂吾さん、桂吾さんと龍聖さん、大輝さんと悠弥さん、最終日全員の収録を続けて録ります。
とスタッフさんから説明された。
ラジオのブース 狭っ!!
パーソナリティの女の人と、俺ら5人入って、超キツい!
よろしくお願いします。
と挨拶をして、収録が始まった。
あぁ、確かに声優か!アニメ声。
P「今日のゲストは、2月14日にCDデビューしました、ロックバンドのRealの皆さんです。
今週1週間お付き合いいただきます。
よろしくお願いします」
全員「よろしくお願いします!」
P「それでは、自己紹介お願いします」
D「はい!Realリーダー、ドラムスの大輝です」
S「ピアノ、ギター担当、瞬です」
R「ボーカル龍聖です」
K「ギターの桂吾です」
Y「ベース担当、悠弥です。よろしくお願いします」
P「ありがとうございます!
まずは、デビューおめでとうございます!」
全員「ありがとうございます」
P「Realの皆さんは、11月に行われた、大手音楽制作会社ルピアーノ主催の第1回バンドコンテストで、最優秀グランプリを獲得し、その時の演奏曲YO.I.NでCDデビューと言うことになりました。
コンテスト参加から、3ヶ月余り経ちましたが、どんな3ヶ月でしたか?」
D「本当に、慌ただしく過ぎましたね。
地元、長野から東京に拠点を移したので、バタバタしていました」
S「生活が一変したので、まだわからないことだらけです」
P「今回のコンテストは、応募総数3482組のバンドから、一次審査のデモテープ審査で、200組に絞られ、2次審査のスタジオ演奏で12組が選出され、最終審査は、安住メモリアルホールでお客さんを入れてのホール演奏でグランプリに選ばれたと言うことですが、最終審査はいかがでしたか?」
R「3000人入るホールで歌ったのは初めてでしたが、歓声の大きさにびっくりしました」
Y「演奏してる時は、僕たちにライトあたってるし、客席暗くて全然見えなかったんですけど、演奏終わった瞬間に、ギャーー!って歓声が本当にすごかった。
お客さん、めちゃいたんだ!って思いましたね」
P「緊張はしませんでしたか?」
Y「緊張は全然しなかったですね〜」
D「みんないつも通りにやれましたね」
P「デビュー前にもかかわらず、Realのファンが800人きたと言うことですが凄いですよね!」
K「本当に、ありがたく思いました。
みんな、長野から来てくれて、みんなの応援のお陰でデビューできたと思っています。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです」
P「もっともっと、お話を伺いたいところですが、本日はここまでです。
それでは、大輝さん、曲紹介お願いします」
D「はい、お聴きください。RealでYO.I.N」
「ありがとうございました!では、続けて、火曜日分の収録をします。
瞬さん、桂吾さん引き続きお願いします。
大輝さん、悠弥さん、龍聖さんは一旦ブースを出ていただいて、休憩してください」
と、モニタールームからスタッフさんが言った。
3人がブースから出て、瞬と2人になった。
ちょっと、広くなった。
P「今日のゲストは、2月14日YO.I.NでCDデビューしました、ロックバンドRealから、瞬さんと桂吾さんです」
S「Real、ピアノとギター担当の瞬です」
K「ギター桂吾です。よろしくお願いします」
P「昨日に引き続き、お二人にお話をお聞きします。まずは、デビューおめでとうございます」
S、K「ありがとうございます」
P「この曲は、始めと終わりのピアノの音色が印象的ですが、瞬さんどう感じていますか?」
S「はい。ありがとうございます。
ライブとCDでは、バージョンが違うので、そこを聴き比べてみて欲しいですが、CD版は前奏だけで3分半のロングバージョンです。
YO.I.Nの世界観を感じられるドラマチックなピアノ演奏になっています」
P「桂吾さんは、このYO.I.Nの作詞作曲を担当されていますが、どんな思いをこめて作られましたか?」
K「Real結成して10年なんですが、今までラブソングって作ったことなくて、コンテストのお題がラブソングということで初めて作ったラブソングです。
バラードもあんまりなかったので、Realとしては新たな挑戦の曲になりましたね」
P「ラブソングというお題だといろいろな設定があるかと思うのですが、切ないラブソングにしたのはどうしてですか?」
K「それは、作った時の気分がそうだったってだけなんで、深い意味はないんですけどね。
結構ムズく作っちゃって、特にピアノが難しい楽曲になってしまったんですが、まぁ瞬なら出来んだろって信頼感で作りました」
S「本当に、難しいんですよ。レコーディングもテイク5やりましたよ。ハハハ」
P「お二人は、ダブルギターの部分もありますが、お互いのギターをどう思っていますか?」
K「瞬は、超うまいです!ギター歴が瞬の方が長いので、俺はレッスンして頑張ってるんですが、瞬もめちゃ練習する人なので、いつまで経っても追いつかないですね」
S「桂吾は、1言で言うと天才肌なので、何でも器用にこなせちゃう。
でも、努力もする人です。
ダブルギターは、見せ場ですね」
P「今後、どのような活動を予定されていますか?」
S「YO.I.Nを含めたラブソングのアルバムを出す予定です」
K「ずっとライブをたくさんやっていたので、
ファンの皆さんの前で演奏する機会を増やしていきたいですね」
P「ありがとうございます。
それでは、瞬さん、曲紹介をお願いします」
S「はい。お聴きください。Realで、YO.I.N」
「お疲れ様です!ありがとうございました!
一旦、ここで休憩入れます。
20分後、桂吾さん、龍聖さんで水曜日分の収録を行ないます。お願いします」
ブースを出て、通路を歩きながら、はぁ〜〜!と伸びをした。
「まじめだったじゃん!」
と、瞬が笑った。
「えっ?ふざけても良かった?」
「俺ら、新人だから、あのくらいがいいだろうな」
「だよな」
「桂吾は、ちゃんと空気読めるからな〜!
無闇やたらにふざけてるわけじゃないからな。
ハハハ」
「アハハ!悠弥と一緒だと、ちょっとふざけ過ぎちゃうけどな」
「あぁ!仲良しだからな。
そうゆうの、ちょっと羨ましかったりもするよ」
「へぇ〜!珍しいこと言ってんな〜!ハハハ!
じゃ、もっと仲良くしてこうぜ!瞬ちゃん!!」
そう言って、後ろからピタッとくっついて、瞬の腹に手を回した。
「瞬は、ハグさせてくれないから、バックハグ!!」
やめろよ!やめろよ!言いながら、控え室に入って行った。
「おっ!!楽しそうだな〜!」
と、悠弥が俺の後ろからくっついてきた。
アハハハハハハハ!!
「バカやってんな〜〜。おまえら、高校の時よりも、高校生レベルになってね〜か〜?」
大輝が呆れたように言った。
「アハハハハハ!」
「桂吾は、また出番なんだから、ふざけてねーで休めよ」
「俺、全然疲れてね〜よ!なんなら、しゃべり足りない!」
「マジで、バカだな〜!」
大輝が大笑いした。
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