4-5

 写真撮影のあとは、最初の私服に着替えて5人で雑誌のインタビューだそうだ。

インタビューしてくれる出版社のお姉さんが可愛かった。


Q「Realの皆さんは、高校の軽音楽部でバンドを結成して、10年目だそうですが、メンバー交代もなく、同じメンバーで晴れてデビューとなりましたが、どのようなお気持ちですか?」 


D「高校1年の5月に結成して、10年という節目でのデビューは本当に嬉しいです。

みんな別々の中学だったので、いろんな人に楽器できるやつを聞きまくって、このメンバーに声をかけました」


Q「では、最初から仲が良かったわけではないんですね?」

 

S「異次元の人って印象でしたね、大輝は。

一応、学校の名誉の為に言っときますけど、僕らの高校は、けして偏差値の低い高校ではなかったんですよ。

なのに、メンバー全員超ヤンキーで、笑えましたね」


R「えっ?俺も?俺は、ヤンキーじゃなかったけど?」


S「あぁ。龍聖は、ヤンキーじゃなかったけど、超にらんでた!そうゆう顔だっただけだけど」


Q「ケンカしたりはなかったですか?」


Y「ケンカってゆうケンカはないですね。

俺と桂吾はボクシングをやってたんで、手を出しちゃいけないって思ってたし。 

いつもいつも、2人で瞬に怒られてましたけど、ケンカはしたことないかな〜」


K「俺は、悠弥と中学から仲良かったから、一緒にいるとついついふざけすぎちゃって、大輝と瞬には、本当によく怒られてましたね〜」


D「おい!仲が良いエピソードだせよ!」


K「みんな性格もバラバラだから、いいんだと思います。怒る人、怒られる人、真面目な人、ふざける人、ぼーっとしてる人がいて、ちょうどまとまってる」


R「今、俺のことぼーっとしてるって言った?」


K「アハハ。龍聖は、マイペース。しょっちゅう寝てる。でも、このルックスなんで、いつ見ても隙がないように見えんだよな〜!」


D「元々無口だしな。

ぼーっとしてるってのもあんだな」


R「俺はちゃんと話は聞いてるよ」


D「だな。話聞いてね〜のは、悠弥だな!」


Y「はっ?なんで俺だよ?」


Q「本当に、皆さん仲がいいんだなと思いました。 

それでは、楽曲についてお聞かせ下さい。

デビュー曲のYO.I.Nですが、作詞作曲の桂吾さん、曲にこめた思いを教えて下さい」


K「コンテストのお題がラブソングということだったので、初めてラブソングを書きました。

今まで、恋の歌を書こうなんて発想もなかったので、だいぶ苦労しました。

何年も前にお別れした人と再会して、その晩に書き上げました。

その人と会えなくなってからも、ぶっちゃけ忘れられなくて、今も余韻の中で生きていますって曲です!

これが、全部ノンフィクションなのか、フィクションなのか、聴いた人が勝手に想像してもらっていいですよ〜!

これ、ガチ目に女々しい男の曲なんで!アハハ!」


Q「桂吾さんの魅力は、その雰囲気。

チャラさと男らしさが、カードをめくる度に違ってるみたいな感じですね!」


K「えっ!いい表現力!さすがに、出版社の人は言うこと違うな!それ、パクらせてもらおっと」


S「デビュー曲は、バラードですが、今まで10年間ハードロックでやってきたので、それも皆さんに是非聴いてもらいたいですし、今まで僕たちのことを応援してきてくれたファンの方にも、このバラード曲は受け入れていただけるものだと思っています」


Q「実は、長野にいる友達に誘われて、2回ほどですが、ライブを拝見させていただいたことがあります」


D「そうなんですね!ありがとうございます。

いつやったライブだろ?

聴いてみてどうでしたか?」


Q「すっごく良かったです!ノリノリでした。

ファンになりましたね。私も、realistです!」

 

Y「リアリストって何?」


Q「Realのファンのことです!」

 

全「マジか~!アハハハハハ!」


K「realistって、現実主義者ってことだけど、ほんとはね〜!俺らのファンをそう言うなんて知らなかった!」


R「本人たち知らないって、ウケんな!」 


Y「誰のファン?」


Q「龍聖さんです」


Y「普通に即答されちゃったな〜!そこは、全員です!とか言ってくれよ〜!」


Q「アハハ!すみません!早く龍聖さんの歌声を聴きたいです」


D「CDを楽しみにしていて下さい。

まだ、レコーディングもしてないんですけどね」

 

Q「ありがとうございました。CD楽しみにしています」



「ありがとうございました!以上で、終了になります。お疲れ様でした」

立ち上がって、深々と頭を下げた。

「ありがとうございました!」

俺たちも立ち上がり、歩き出したところで、後ろから声をかけられた。

「桂吾さん!一緒に写真撮ってもらえますか?」

「えっ?俺?龍聖と撮れば?」

「あ、龍聖さんの歌声が好きなだけですから」

とっておきって感じの笑顔を見せた。

「へぇ〜珍しい!歌だけで、龍聖には興味ないの?」

「いえ、興味ないってことじゃないですけど、桂吾さんに興味をもちました」

テレたように下を向いた。

「ふ〜ん。じゃ、いいよ」

ツーショットで写真を撮った。

「ありがとうございます。これ、どうぞ!」 と、名刺をくれた。

坂上えみり

裏に携帯番号がメモされていた。

「じゃ!お疲れ様でした!」

そう言いながら手を振った。

とりあえず、捨てないけど、正直こうゆうタイプは好きじゃない。

恥ずかしげに下を向いたりって仕草も、あざとい感じしかしない。

しかも、雑誌の編集者だろ?それが、初対面でナンパしてくるかよ?

可愛い子だけどな。

まぁ、プライベートで連絡とることはないな。






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