3-28

 「理彩子!まだ、手元にね〜けど、賞金振込まれたら、すぐに金返すから!悪いな!立て替えてもらってて」

と、大輝が理彩子に向かって言った。

「何?大輝、理彩子に借金してんのかよ?」

悠弥が笑って言った。

「衣装代!!全部理彩子が用意して、払ってくれてるんだよ。おまえら、なんも考えてね〜けど」

「あっ!そうなんだ!全然考えてなかった。

自分の分を、それぞれ払えばいいんじゃね〜のか?」

と、俺は大輝に言ったつもりだったが、

「それじゃ、ダメだって!」

俺の後ろから、理彩子が言った。

「それだと、不公平になっちゃうからさ〜!

で、大輝が全員分まとめて払うってゆうから。

じゃ、それでいいよ!ってね」

「ってゆうか、俺が自腹切るつもりなんて、全くね〜よ!

俺、最初から賞金の50万当てにしてたから」

「マジかよ?アハハ!ギャンブラーだな!」

と、俺は笑った。

「まっ、それは保険!無理だったら、各自払えって言ったかもな。俺は安かったし」

「へぇ〜そっか!みんな、それぞれ違う衣装だから、値段違うんだな?

誰のが1番高いんだよ?

俺は、ハーパンだし安そうだな!」

と、悠弥が理彩子に聞いた。

「だ〜〜れだ!?」

「うっぜ!!どうせ、ラブラブ彼氏のめちゃ白い衣装だろ!」

と、悠弥が答えた。

「ブッブー!!違います!!」

「ん?じゃ、瞬か?」

「ブッブー!瞬のは、2番目に高いけどね!」

えっ?

「まさかの、桂吾?」

「正解!桂吾の衣装代、5万超え〜!!」

「はぁーー?ウソだろ?

ものっすげーペラッペラだぜ!なんも、着てね〜んじゃないかって思うくらい、軽〜いし!!

あれのどこに5万?」

俺はマジでビックリして、うしろを振り向いて理彩子に聞いた。

「あれ!シルクだから、生地代だけでも超高いの!風になびかせたかったってのもあるけど、

桂吾が主役の曲にしたかったから」

えっ?

理彩子がそんな風に考えてくれてたなんて、全く思いもしなかった。

「ありがとな!理彩子!

でも、そう言うこと、先に言ってくれよ!

ずっと薄っぺらだな〜って思って着てたよ」

「桂吾が主役だって言ってんのに、その主役から5万とれね〜だろ〜!

だから、みんなの分まとめて賞金から出すから」と、大輝が言った。

「それは、それは!お願いしま〜す」

「俺のはいくらだよ?」

と、悠弥が聞いた。

「いちきゅっぱ!かな」

「なめてんな!理彩子!!」

「俺なんて、いちにっぱだぜ!」

と、大輝が言って、みんなで笑った。

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