アダルトチルドレンと精神病

 アダルトチルドレンに、精神病を患っている人は多いです。

 いや、多いったってみんながみんなって訳じゃないですよ。家族ルールに近い社会で生活すればストレスは少ないでしょうし、愛情に包まれて育っても、体調だとか環境だとかの関係で、精神を病む人だって多いですから。


 だけど、ストレスを受けやすいのは確かです。

 なぜかというと、自分一人で行動の決定ができないからなんです。

 なんとか決定しても不安だったり、「自分の決めた事が正しい訳がない」と失敗するように行動したりと、ぶっちゃけ『息をする事すら怒られたらどうしよう』みたいな思考回路になっちゃってるんです。


 うちは3人姉弟なんですけど、親の言う事を真面目に聞いていた長子(私)と末っ子は、20代のうちにうつ病になりました。……いやもうマジできつかったよ、あの頃は。うつ病だって事すら親に信じて貰えなくて、父母揃って心無い事もたくさん言ってきたしね。しかも私も、「両親の方が正しいんじゃないか」ってぐるぐる混乱したりね。


 ああ、真ん中は早々に親の正体を見抜いていたので、上手に距離を取ってメンタルを保ちました。真ん中に「姉貴の真似をしたら(人生が)アウトだから、反面教師にする」って言われた時にはムカついたけど、今となってはナイス英断!だと思ってる。いやもう、小学4年生が言うセリフじゃねえよ。もしかして人生強くてニューゲームしてないか、真ん中よ。



 この「自分は無能」マインドを外すには、プロの手を借りるのも手ですけど、自分の生活圏外の人との交流も役に立ちます。特に趣味の世界。小説でもいいですし、イラストだとか、アクセだとか、DIYとか、最近ならゲームなんかも良いかも知れません。

 まず自分が評価される世界を見つけて、頑張れば報われる事だとか、無条件で応援してくれる人がいる事だとか、そういう経験を積むわけです。


 そして自己啓発。ネットにたくさん動画がUPされています。宗教じみたのは危険ですが、そうでなければ心にぐっとくるものを探してみて下さい。


 あとはまあ、親から離れる事かなあ。

 介護とかで難しい人もいるだろうから、せめて心のソーシャルディスタンスだけでも確保した方がいいと思いますよ。会話は最小限。

 ちなみに私は、家出したらうつ症状も関節リウマチの症状も消え、12年振りに社会復帰を果たしました。親のストレスがどれだけ凄いかって事だね。



 アダルトチルドレンの話をすると、『親が悪い』だとか『自分は被害者だ』だとかいう話になりがちなんですが、過去を恨んだってしょうがないんですよ。もし仮に親が「私が悪かった!」と泣いて謝ってくれたところで、子供の生きづらさは全く消えません。それに私の母もそうなんだけど、『親もアダルトチルドレン』という事も往々にしてあるんです。親も生きづらさに苦しんでいるんですよ。

 そうなると、もう誰が被害者か分かりません。だから冷たい言い方だけど、犯人捜しなんて無駄なんです。


 手っ取り早いのは、自分で自分を1から育て直す事です。

 いっぱい褒めてくれる仲間や場所を見つけて、「世の中にはランクなんてないんだなあ、誰でも好きなように生きていいんだなあ」って、心の底から理解して生きて下さい。――なーんて偉そうなこと言ってるけど、私もまだまだ勉強途中だよ(笑)

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