「どうやったら回復しますか?」
題名のような質問をあちこちで見かけます。
が、私はこんな事考えたことがありません。
当然です。幼児期からこっち、健康体だった事がなかったからです。
幼少期は難病で6年も病院に通い、思春期は起立性貧血に悩まされ、二十代は激しすぎる生理痛で月のうち1週間しかまともに暮らせる期間がなく。今だって双極性障害のほかに、SAFO症候群やら関節リウマチやらで倦怠感がニュートラル。
教えてくれ、健康ってなんやねん!!
「働ける体になりますか」とかなら、素直にYESと答えられる。
私は12年のブランクがあるけど、3年半前から社会復帰しています。うちの彼なんて、4か月程度で社会復帰しました。それも施設に通ったとかじゃなく、再就職に時間がかかっただけ。ずっと就活してたから、実質ロスした時間は0と言っていい。退職・再就職は繰り返してますが、ちゃんと社会活動は続いています。
「自分に自信が持てますか」も、正直にYESです。
ただこれは、病気の前の状態を目指しては駄目だと思います。
その時に間違った自信を追いかけて、自分を追い詰めた可能性があるからです。
自信だけは、「今の自分を認め、慈しむ」方が良いのではないかと思います。
……私なんてね、病気前の方が自信ゼロだったから。『呼吸してごめんなさい』とか、本気で思ってたから。
「記憶力や思考力は戻りますか」は、半分YES。
さすがに壊れた細胞は戻りません、中に入っていたデータも戻りません。これはコンピュータと同じ。粉砕しちゃったハードディスクからは、どうやったってデータは取れないのと一緒。
ただし以前にも言いましたが、脳細胞は増えるんです。脳内には、まだまだ使っていない領域だってたくさんあります。心地いい刺激と共に覚えた事は、新しい細胞に記録されやすいです。特に達成感は、他人に頼らずに得られる満足感です。絵を描いたり、手芸をしたり、手記を書くのもいいと思います。自分が少しでも楽しいと思えることを、コツコツと続けてみて下さい。
大切なのは『何かを成し遂げること』。他人の評価ではありません。
一番大事なのは、『回復には時間がかかる事を理解する』ことかな。知識としてあるだけじゃなく、それを大前提として行動計画を立てること。焦るのも病気の症状ですが、小さな目標をコツコツ刻むようにして気分を紛らわすとかして、とにかくメンタルを安定させるよう努めるのが大切です。
いやまあ、外野がうるさい場合もあるんで、それも難しくはあります。
私は親も旦那も捨てたからいいけど、普通はそうはいかんもんだし。
だけど、味方はネットにたくさんいますし、双極性障害の支援プロジェクトも存在します。関連書籍や体験マンガもあります。
回復への不安が強い人は、まずは情報収集してみてはどうでしょうか。
やっていいのか分かんないけど、私もお世話になった民間支援団体のリンクを貼っておきます。
双極はたらくラボ
https://bipolar-work.com/
松浦秀俊 / 双極はたらくラボ編集長のTwitter
https://twitter.com/bipolar_peer
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