第13話強さへの階段
決壊したダンジョンがある区に到着する。
「これは……酷すぎる」
街のいたる所で煙が上がっていて鼻がまがる臭いが立ち込めている。
ダンジョンがあった場所には遠目でも分かる程に巨大なゲートが開いていた。
「この短時間で…!デルガ!お前は苦戦しているハンターの援護をしろ!アグリード透明化出来るか?出来るなら背後から来たモンスターを教えてくれ」
「分かりました。しかし私はゲートの中から見させていただきます。透明化するより全体を見渡せますので」
「ならそれで、デルガ早速いけ!」
言い終わるより早くその場から消える。
「魔力を広げろ、モンスターの多く人の少ない所を探せ俺達で穴を埋める」
アグリードが以前デルガがやった方法で魔力を水を撒くように放ち、真の要求する場所を探知する。
「ありました」
「悪いけど移動頼んだ」
ビルから助走をつけて跳ぶ
アグリードが真を抱え自身の背中から魔力を噴射する。
真に魔力を纏わせる事で飛来物の危険を減らす事で空の高速移動を可能としていた。
1分と経たず目的地の空中に到着すた。
そのままアグリードの腕の中から離脱する。
アイテムボックスから短剣を取り出して下に見える巨大な人型に刺す大勢を整える。
(アグリードのこの魔力をモンスターに刺した瞬間に放てばそのまま地面とキス事はねぇよな!!!)
「…………ッッッァァァアアアアアアアアアア!!!」
ズドン!!!!
短剣がモンスターの首に刺さる。
そして纏っていた魔力を思い切り下方にぶつけた。
「グモッーーーー」
叫ぶ暇もなく巨大な人型のモンスターは魔力に押し潰され真の経験値に変わった。
【レベルアップ】
「これで……24」
「あっ、あんた何者だ…」
近くに今し方真が殺したモンスターと戦っていたハンターがいた。
その顔は驚愕に彩られている。
そんな表情も無理はない。上空数百メートルから人が降って来たと思ったら次の瞬間には濃密な魔力が目の前のモンスターを押し潰したのだから。
「スカイダイブして来たただのハンターだ。他にモンスターは?」
「あんたがハイオークを圧殺した時の衝撃音で散り散りになって逃げた」
「ならその間引きをすれば取り敢えずOKという事ですか?」
「あぁ」
ギリお兄さんのハンターがキョロキョロしてから問いかける。
「仲間は?」
「既にこのダンジョン決壊の対応に当たっています。直ぐに合流するので心配はいりません、では!」
「おい!待て!」
ギリお兄さんハンターの言葉など聞かずに次の場所に移動する。
「グォォォアアァアアァ!」
建物の間、上空からモンスターが強襲する
『右手です!』
咄嗟のアグリードの声に反射で答える。
右足を軸足にして体を無理矢理捻り回転する、真を噛もうとしていたウルフの牙が空を切る
そこにすかさず短剣を斬り込んで殺す
『上です!』
斬る
『左2!右3!』
斬る
『上に2ひーー』
鳥類型モンスターの首を掴みもう1匹を叩き落として刺し殺す。
そのまま右から来たゴブリンの頭に短剣を1度刺して蹴り飛ばす、飛ばされたゴブリンが他のゴブリンを巻き込み倒れる。
握っていた鳥類型モンスターの首を斬る
【レベルアップ】
『オークです!主』
斬る
死なない
斬る
死なない
ハイオークの振り回した棍棒が真の胴体を捉える
「ガッ?!!!」
レベルが23 に上がってから時間も多少経ち少しずつ自身の体の変化に対応してきている真は空中で体を捻り衝撃がモロに体に来ないように着地した。
疾駆
体に対応出来てきた事によりアクロバティックな動きだけでなく単純な身体能力にも差が出てきていた。
数値上はDランク程度だったがいきなりレベルが上がり対応出来ていなかった真はその数値に振り回されていた。
「グォォォアァァァァァ!!!」
振り下ろした棍棒が紫紺の短剣が交差し短剣が勝った事によりハイオークは怒り狂い棍棒の残骸を捨て拳を放つ。
真も答えるように利き手でない手に逆手に短剣を持ち右手を握り突き出す。
体躯の違い、拳の大きさの違いそれら全ての要素を含めてハイオークより劣る体躯の真の拳が打ち勝ちハイオークの拳を破壊する。
「ッッッ!!!」
弾き飛ばされる大きな拳。
体を低くしハイオークの体の下に潜り込む。
全身をバネに変え放たれた拳が顎を捉えた。
骨の折れる音、硬皮が千切れる音がが混じり首が飛んであたりに紫がかった血が広がる。
【レベルアップ】
《オークの耳飾り》を入手しました。
肩で息をして周りを見る真
「凄いな……これ。癖になる」
モンスターを殺す感覚、それが自身の経験値として数値に変わる感覚、格上を打倒した時の優越感。
それらが少しずつだが真の中に快感として募っていく。
アグリードは異変を感じたが口には出さなかった。
「アグリード戦闘中にドロップ品が出たらそのままドロップ品の装備操作をお前の方でやってくれるか?少しでも能力値を上げて備えたい」
真はモンスターが襲ってこない間に意識を集中し、アグリードに自身の装備操作の権限を一時的に譲渡した。
《オークの耳飾り》を装備しました。
《ハイオークの指輪 : 耐性》を装備しました。
……………
…………
……
アグリードの操作により真は全てのドロップ品を装備した。
筋力: 45 → 筋力: 62 体力: 25 → 体力: 35
俊敏: 17 → 俊敏: 42 知力: 16 → 知力: 16
感覚: 23 → 感覚: 50 器用: 38 → 器用: 45
大幅に能力値が上がった。
いきなりの身体能力の上昇に漸く慣れて来た所でこの上昇でまた数値に振り回されるかと思った真だが体を少し動かし気付く。
「思い通りに動く?」
感覚の能力値が倍以上に引き上げられたのが感覚の違いに完璧に対応していた。
「レベルはまだまだCランクの足元にも及ばないけど装備品のお陰でCランク中位から上位まで上がったな」
楽しそうに呟いて手を握ったり開いたりを繰り返す。
「これならあの時みたいに芥さんと鹿島さんの背中をただ見てるだけって事にはならないよな?」
初めてダンジョンに潜りトラウマと悔しさを刻まれた記憶が蘇る。
「見捨てる真似はしなくて済むように……」
短剣を握り前を向く
「ギギギギギギ!」
「ルルルァィァ!!」
「グギャギャギャギャ!!」
「グォォォォオォオォオオオオオ!!!」
ゴブリン、フィフシィナイト、ホブゴブリン、オークと統一感のないモンスター数十匹が真の前に並んでいた。
「ステータス、装備は充実するけどダンジョンの決壊だけはあまり経験したくないな」
先程以上に上がった俊敏の能力値を存分に活かし1番体のデカイオークを斬り殺す。
1匹のオークの死をもって戦いの第2波が始まった。
【レベルアップ】
【レベルアップ】
【レベルアップ】
毒を吐いてくる鳥を経験値に変えた所で武器をドロップした。
武器ばかりは自分自身でしか装備出来ない。
「《毒鳥の羽剣》?」
魔力のないサバイバルナイフの代わりに新しいサブウェポンを手に入れた。
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