第39話

「朝葉様、冒険者の館から依頼が来ています」

トワロが朝からバンガローに尋ねてきた。

「ちょっとまってね、今、朝食が終わるから」

朝葉は急いで朝食を終え、冒険服に着替えた。


「おまたせ、トワロ」

「冒険者の館からの依頼は、デビルフィッシュの討伐です」

「場所は?」

「砂漠の先のダンジョンの地下4階とのことです」

「了解!」


朝葉とトワロはダンジョンを目指して歩き出した。

途中、角ウサギが襲ってきたが、今回は倒さずによけて進んでいった。


二人はダンジョンの前に着いた。

「つきましたね、朝葉様」

「うん」

トワロはたいまつに火をつけ、ダンジョンに入っていった。


地下四階までは、今までに倒したことのある敵ばかりだったので難なく進むことが出来た。

「地下四階だね」

「そうですね、朝葉様」

地下四階には地底湖がある。


そこにデビルフィッシュが居た。

「大きい!」

「1メートル半はありそうですね」

トワロは雷の呪文を唱えた。

「サンダー!」


デビルフィッシュが跳ね上がる。

「解体!!」

朝葉は跳ね上がったデビルフィッシュを解体のスキルで、三枚に下ろした。

「それじゃ、帰ろう」

朝葉はデビルフィッシュの骨と身を、食材袋に入れてダンジョンを抜け出した。


バンガローに戻ると、朝葉は外にあるゴーレムのかまどで、デビルフィッシュの骨を焼いた。「この骨から、美味しい出汁が出るんだよ」

「そうですか」

朝葉は香辛料のペーストを作って、大きな鍋でデビルフィッシュと一緒に骨を煮込んだ。


「良い匂い」

「そうですね」

スパイスカレーが出来上がる直前に、ナンをかまどで焼く。

ナンが膨らんで、所々きつね色になったところで机の上に移動した。


「出来たよ!」

朝葉はデビルフィッシュのスパイスカレーとナンをテーブルに並べた。

「いただきます!」


「香辛料が効いていて、デビルフィッシュの身も柔らかいですね」

「ナンにつけて食べると、ナンの甘さが良く合って美味しいよ」

二人では食べきれない量だったので、残りは冒険者の館に持って行くことにした。


「ごちそうさまでした!」

二人は大きな鍋を抱えて、冒険者の館に歩き出した。

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