第183話 長良川の戦い
「美濃国で帰蝶の父斎藤道三と帰蝶の兄斎藤義龍が長良川で合戦しそうだ」と饗談から聞いて、俺は小姓の前田利家に出陣の連絡をする様に頼むと、帰蝶、鶴姫と共に城を出た。
急ぐ必要があるので、出陣はスレイプニルに乗る剣豪と近臣のみだ。
斎藤義龍は帰蝶の腹違いの兄。側室「深芳野」の子で庶子だ。
本来は帰蝶と同じ、正室の『小見の方』の息子である孫四郎か喜平次、利治が、道三の家督を継承するのだが、義龍は家臣を味方にして道三を隠居させて家督を継承した。
俺がスレイプニルのニルを呼ぶと、ニルは子供のスレイプニルハーフ達を連れて空を駆けてきた。
ユニコーンに乗った吉乃も一緒だ。話は変わるが吉乃はユニコーンの名前は「ニコ」にしたらしい。
俺と帰蝶、鶴姫がスレイプニルに乗っていると城から剣豪と近臣達が駆けてきた。
剣豪と近臣・小姓は33人(詳細は178話で紹介したので割愛)。
それに最近小姓に加えた松平元康と妻である帰蝶、ゆず、吉乃、鶴姫に俺を加えて39人。(直子はダンジョンで育児休暇中)
現地で蟲王達27人を召喚するとして66人。(詳細は178話参照)
後は、小天狗10人と最悪蟲達も召喚して、果心居士と猿飛佐助、石川五右衛門、饗談も加えて、松平元康がゴーレムも呼べるから、何とかなるかなぁ?
しかし、敵の斎藤義龍は2万人って聞いてるからなぁ。
ニルに乗って移動しながら色々考えていたら。
「信長様、斎藤道三が長良川の合戦で斎藤義龍に敗れて殺されたらしいのじゃ」
空中に饗談が現れた。
「『らしい』ってなによぉ!」
帰蝶が涙を浮かべて怒る。
「取り敢えず、落ち着いて詳しく話を聞こう。みんな地上に降りるぞ」
俺達は美濃国の最南端辺りに降りて、饗談の話を聞いた。
俺達が三河遠征中に、斎藤義龍は道三の息子であり腹違いの弟の孫四郎と喜平次を殺害。
息子を殺された怒りと自身の身の危険を感じて道三が挙兵。
しかし、義龍は家臣達を味方につけており、道三側についた家臣は明智城主・明智光安56歳、妻木城主・妻木広忠42歳、大御堂城主・竹中重元57歳の3人だけで、その他の家臣は全て義龍についた。
明智光安は亡くなった帰蝶の母である「小見の方」の兄で、妻木広忠も明智光安の親戚らしい。
結局「小見の方」の血族が味方したってところか、竹中重元は忠臣だったのかな?
その結果、義龍側が2万人の兵に対し道三側が3千人の兵。むしろ良く3千人集めたと感心するくらいだ。
合戦は初めは道三側が奮戦し優位に進める場面があったものの、多勢に無勢、数の有利に圧倒されて道三は敗れた。
「父を殺し弟達まで殺めるとは、義龍ぅ! 許せない!!!」
帰蝶泣きながらスレイプニルに乗って、義龍の居城である稲葉城に行こうとするのを引きとめた。
「今行っても義龍を倒せるか分からない。確実に息の根を止める為に準備をして行こう」
という訳で清洲城に戻った俺達。
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「おい信長、ここの酒はやっぱりうめぇな」
内藤興盛と大内義隆、津田監物らと酒盛りしてる
「父上えええええええ! 生きてたの?!」
道三に抱き付く帰蝶。
「あ、あぁ。信長の手下の佐助って奴に助けられたぜ」
「首が義龍に届いたって聞いたわ」
「別の人間の首だろうな。変わり身ってヤツかな?」
「もう! 悲しかったんだからぁ! 孫四郎と喜平次は何処?」
「………孫四郎と喜平次は殺されたよ。心配だったから、残った利治だけは佐助に連れて来て貰った」
「そ、そう………。孫四郎と喜平次は義龍に殺されたのね」
復讐を誓う眼をする帰蝶。
涙を浮かべてうんうんと頷いて、焼酎を飲みながら話を聞いている津田監物。
何でお前がここにいるんだぁ!
何時の間にか家臣達に溶け込んでいやがる。
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