第147話 村木砦の戦い5
内藤興盛村木に到着する前の事。
俺が村木の地に来る前に、直ぐ近くの大野城の水野信元とその息子の刈谷城の水野信近が兵を出しており、更に知多郡北部から鳴海城の内藤昌豊が、桜中村城の高坂昌信、
「信長様、この度はぎょうさんの兵で、応援に来ていただきありがとうごぜゃ~ます」
俺達が到着すると水野信元が空かさず駆けて来て礼を言う。
「後からまだまだ来るぞ。俺の本隊がまだ来ていないからな」
「さらに来るのだがね。それは心強いがね」
その後、内藤昌豊と会話していると比良城の佐々政次が到着した。
「政次、ご苦労、成宗は息災か?」
「信長様、オヤジはもうダメかもしれねえ。歳で身体が思うように動かず、寝たり起きたりの毎日だぜ」
「そうかぁ。ゆっくり休ませてやれよ」
「いやいや、俺もそうしたいんだが、気持ちだけは若いから始末に負えやしねえぜ。今日も『信長の要請は俺が行く!』と言って聞かねえ。置いて来るのに一苦労だったさ」
「ははは、成宗らしいな。俺と一緒に天下を取る為に『20年後に生まれたかった』が口癖だったもんなぁ。この戦いが終わったら焼酎持って見舞に行くよ。どうせ城でも酒浸りなんだろ?」
「そうしてくれるとありがてぇ。オヤジも喜ぶぜ。オヤジはいつも信長様から届く焼酎を嬉しそうに飲んでるしな」
次に小折城の生駒家長が到着した。
「おう家長、ご苦労だったな。家宗は息災か?」
「はい。信長様、父は勘合貿易船が戻ってくるのを楽しみに、その後の商談の準備で忙しくしております」
「それは何よりだ。勘合貿易船の件は俺も楽しみにしている来年待ち遠しいなぁ。家長、吉乃も来てるから、出陣前に顔を見せて行くと良い」
「はい。有り難う御座います」
少し遅れて志賀城の平手政秀、那古野城の織田信光が到着。
そして内藤興盛達も到着し、更にその後、加藤順盛と佐治為景達も到着し全軍が揃った。
全軍で7800人。約8000人だ。
その内訳は下記の通り。
俺と妻達と近臣達 100人
緒川城の水野信元 300人
刈谷城の水野信近 200人
鳴海城の内藤昌豊 400人
桜中村城の高坂昌信 300人
沓掛城の近藤景春 100人
大高城の水野為善 100人
比良城の佐々政次 800人
小折城の生駒家長 800人
志賀城の平手政秀 800人
那古野城の織田信光 400人
清洲城の内藤興盛 1000人
美濃国の安藤守就 500人
荒子城の前田利久 800人
深田城の青山信昌 300人
松葉城の織田伊賀守 200人
熱田羽城の加藤順盛 500人
大野城の佐治為景 200人
因みに前田慶次と奥村永福は前田利久の小折城にいるので、利久の兵の中にいるはずだ。
こうして見ると俺の戦力もかなり増えたなぁ。俺が儲けさせている城主達は、みんな兵農分離策で順調に直ぐに出陣可能な兵数を増やしているな。
俺が天下布武を行う為に戦力増強が必要な事をみんなは良く理解している。だが数は順調に増えているが中身はどうかな? 訓練が行き届いているか見せて貰おうか。
俺は数に物を言わせて、村木砦を囲む様に陣を敷き直した。籠城する敵を包囲する形だ。
但し、後詰めの今川軍もいるだろうから、兵糧攻めなんてまどろっこしい事はしない。一瞬で決着を着ける。
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