第122話 鶴姫
尾張国知多郡の山口教継の事は、饗談に探って貰いつつ日々の訓練を続けている。
そして、末森城から移ってきた家臣の中で有望そうな家臣は俺の仲間の訓練を受けさせている。
取り敢えず有望そうな家臣として、加藤弥三郎18歳と蜂屋頼隆19歳、坂井政尚19歳の3人を訓練に参加させた。
そんなある日、五右衛門が腕の良い船乗りを連れて来た。
先ずは倭寇達。
因みに
明の官軍に殺されるところを助けて家臣にした。
倭寇とは要は海賊で、商人から略奪も行うが、日本と東アジアや明の密貿易を主体に荒稼ぎしていた大きな組織だ。
その武力も優れていて柳葉刀を持って暴れ回り、明軍を撃破する事も度々あった程だ。
密貿易とは言え、貿易に関しては熟知している事から、正式な勘合貿易に従事して貰う。
そして
日焼けして色黒のスリムで長身の女性で、しなやかな筋肉がアスリートの様だ。
長い髪をポニーテールにして、前髪の両サイドを垂らす触覚ヘアだ。小顔効果を狙った髪型だが、意味があるのか? 元々小顔で美しいんだけど。
モデルが筋肉をつけたイメージだね。身長は190cm超だな。そして足が長い。
鶴姫は瀬戸内海の大三島にある
大内氏の水軍が大三島に侵攻した際、戦死した兄に替わって三島水軍を率いて撃退した女傑。
その合戦で恋人が戦死し姿を眩ました。
その恋人とはプラトニックだったらしく、何の因果か、作者の作為が炸裂し御都合主義の展開で、その恋人と俺が似てるらしい。
少女の頃のプラトニックは、成熟した女性の欲情を燃え上がらせ、少女の頃には恥ずかしくて出来なかった事を取り返すべく、やけに積極的なんだよねぇ。
「オタイは鶴姫やわ。あんたが織田信長な」
鶴姫は俺の前で腰に手を当て、足を開いて颯爽と立っていた。
「ああ、俺が織田信長だ」
「すごく可愛いやね」
ニコッと微笑む鶴姫はそう言って俺を抱き寄せた。
「え?」
「あんたを守ってやるきんよ。オタイを側室にしとっていたぁね」
鶴姫はいきなりキスして俺の口に舌を入れてきた。
はぅ。ナニ!どうなってんの?
反射的に舌を絡ませる俺。あくまでも反射です。故意じゃ無いんだよぉ。強めに抱き締められて二つの膨らみが首を挟む。
「ちょっとぉ!正室の前で何やってくれてんのぉ!毒殺するわよ」
帰蝶が俺と鶴姫を引き剥がす。
帰蝶は本当に毒殺しそうで怖い。
「ふふ、昔の恋人に似てるみたいやけん、やきんよ、つい抱き締めてしもたの。悪気は無いんや」
鶴姫は明るく笑っていたが、帰蝶は俺を抱き締めて鶴姫を睨む。
「長く離れるのがいやなんで、貿易は遠慮するにはするけど、水軍は任せとっていたぁね」
「まあ、良いだろう。良しなに頼むよ」
可愛いし。
俺は鶴姫に手を差し伸べる。
「こっちゃこそ宜しくお願いしますけんね」
鶴姫は俺の手を握った。
そして俺と鶴姫は笑顔で握手する。
「う~。側室を増やすのに反対はしないけど、ちょっと複雑だわ」
帰蝶は微妙な顔だ。
その時、突然饗談が現れた。
「信長様、鳴海城主山口教継・教吉親子が今川に寝返った。今川の兵が尾張に侵攻しているのじゃ」
「そうか、直政、長秀、出陣の準備だ。伝令を頼むぞ」
俺は冷静に、側に仕えている小姓の塙直政と丹羽長秀に告げる。
「承知しました」
長秀は応えた後、直ぐに駆け出した。
「へい!がってん承知、塙が苗字、手前に万事、お任せくださいマジマンジ」
塙直政も走ってみんなに知らせに行った。
「家督相続後、初の
「いくさやのぉ。ご一緒しますけん」
鶴姫が腰の刀の柄を握った。
「アタイも行くわよぉ!」
帰蝶が叫ぶ。
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