第63話 雌伏

出仕停止処分を受けた俺は、帰蝶と直子、ゆずと一緒に那古野城には戻らず志賀城に帰った。


元々寝るだけのために帰っていた城なので、荷物は無い事から問題はない。


「元服が終わったから、エッチ出来るね」

帰蝶が俺を慰める様にそう言ってすり寄る。


「そうだね、エッチ出来るよ。転生者のテクニックを見せてやるよ」

俺は珍しく帰蝶の言葉に応えた。


「私も参加希望」

直子も珍しく俺に抱きつく。


「ぼ、僕も一緒だよ」

ゆずは緊張しながら言った。


「えええ! 初めてが4Pってどうなの?」

俺がふざけて言う。


「何言ってんのよ。一番目はアタイよ」

帰蝶が直子とゆずに言うと。


「「じゃあ、私(僕)が2番!」」

直子とゆずがハモる。


「ははは、まだエッチする気は無いよ、それどころじゃない。今は刃を研ぎ澄ます時だ。俺について来てくれ」


「「「勿論」」」

3人でハモる。


ーーーーーーーーーーーーーーー


志賀城に帰って、みんなに元服の儀の事を話す。憤る者達を宥め、復活を誓う。


「と言う訳で追放されちゃったぁ」

と俺が言う。


「何おぉ! 信長様を追放するなんて許さねぇ!」

鐘捲自斎は怒り拳骨を平手に当てて憤る。


「おう! 俺がぶちかましてやろうか!」

杉谷善住坊が鉄の銃身を床に打ち付ける。


「信長様追放? 親父は何やってんだぁ」

平手久秀は父である平手政秀の政治力に疑問を投げる。


「ほっほっほ、やる事は変わらぬよ」

果心居士はいつもの笑みを浮かべる。


「がっはっは、馬鹿な話だな。気にするな、俺が天下人にしてやる。俺は天下一の剣豪になる男だ」

と新免無二が笑った。


「ふっ、戦場で実力を見せれば良いんだ」

滝川慶次が朱槍を担いでいる。


他のみんなもそれぞれ俺をの事を思って怒り慰め、一緒に戦う事を誓ってくれた。


「有り難う。今は雌伏の時、実力を蓄えて目にものを見せてやるぜ!」


「おおおおおおお!」


ーーーーーーーーーーーーーーー


その後、平手政秀が帰って来たので、平手政秀に話し掛ける。

「政秀、すまん。志賀城に置いてくれ」


「勿論、ご自由にいつまでも居ていただいて構いません。それよりも申し訳ございません。志賀城下の発展はひとえに信長様の実力なのに、その功績を信秀様に伝えられなかったばっかりに、大うつけ者呼ばわりさせてしまい、挙げ句の果てに出仕停止まで………」


「親父はその事を知ってたよ、『奴らを黙らせる活躍をして戻ってこい』とさ」


「そ、そうですか。それでは是が非でも功績をあげないと駄目ですね。頑張りましょう」


数日後、お供の者を連れ、多くの荷物を持って養徳院と池田恒興も志賀城にやって来た。


「信長様、私と恒興も那古野城を出ました。志賀城で暮らします。信長様を陥れる様な者と一緒にいられません。信長様、辛かったでしょう」

と養徳院が言いながら俺を抱き締めた。


「アニキ、俺……、俺はアニキについて行くっす!」

涙目ですがりつく恒興の頭を撫でる。


「ツネ、俺は落ち込んでないぞ。今は雌伏の時だ、牙を磨いていろ、奴らに目にものを見せてやるんだ」


「うっす!」

恒興は、だんだんヤンキーの舎弟気質が強くなるなぁ。


ーーーーーーーーーーーーーーー


さて、俺は鉄砲の改良に着手しますか。

まず銃身をライフリングする。そして円錐形の弾頭にして金属製の薬莢に入った実包を造り、天候に左右されない後装式のセンターファイア式とする。構造がシンプルなボルトアクションにすれば完璧なんだけどなぁ。


日本の歴史でも信長は、『早合はやごう』っていう弾丸と火薬をカートリッジ化した物を使ってたみたいだし、やれば出来る。……気がする。


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【作者から一言】

鉄砲改良の詳細については次回説明します。




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