竜都ドラグニア
エトラダでは騒動に巻き込まれたが、その後は特に問題もなく、俺達は順調に進んでいた。
そのエトラダで散々な目にあわされたラウスが、一念発起してハイクラスに進化することを決意し、道中でも積極的に狩りをしてたんだが、残念なことにドラグニアに着くまでに進化することはできなかった。
それでもレベル42まで上がってるから、時間の問題だとは思う。
とはいえ、例の急性魔力反動症が出てしまったから、しばらくはおとなしくしてるしかないんだが。
「ラウス様の急性魔力変動症はお任せください。サユリ様からも詳しくお聞きしていますし、いざとなったら、ユーリ様やアプリコット様もサポートしてくださるそうですから」
ラウスのためにっていう想いでSランクヒーラーになり、バレンティアにまでついてきたベルンシュタイン伯爵令嬢のキャロルもやる気になっている。
獣車に戻ってきたら既にドレイク・ペインに絡まれていて、急いで助けようとしたところを例のハイドラゴニュートに捕まり、レベッカとキャロル、ユリアも囲まれてしまったから、ラウスは武器を抜かざるを得なかったそうだ。
何人かは倒したが、例のハイドラゴニュートの相手はやはり厳しく、さらには多勢に無勢だったから袋叩きにあってしまったが、ハイドラゴニュートは武器を奪ってすぐに離れたことが功を奏して、ラウスは気を失うだけで済んでいたらしい。
マジでクズだったな、あいつら。
そしてエトラダを発って5日後、ようやくバレンティア竜都が見えてきた。
「着きましたよ。ここがバレンティアの竜都ドラグニアです」
「へえ」
そろそろ日も沈みかけてきてるが、やっと着いたか。
ドラゴニアンの聖地でもあるウィルネス山の麓にあり、大きなウィルム湖を臨むバレンティア竜国竜都ドラグニア。
まだ距離があるから正確にはわからないが、見えるとこから判断するとアミスターの王都フロートと大差ない感じだな。
「やっとか。まあ俺達は作業してたから、そこまで暇してたわけじゃねえけど」
「途中で
「だね。おかげで作業が捗ったよ」
クラフター3人組が、ドラグニアが見えたってことで自室から顔を出した。
今列に並んだとこだし、それなりに並んでるから、まだ時間掛かりそうだぞ?
この3人、
ユーリの短杖は、杖本体は
ユーリは
そして精霊魔法だが、
精霊と契約し、使役することができるそうだが、そこは召喚魔法や従魔魔法と大差ないそうだ。
違いは、精霊は常に契約者の近くにいて、契約者の魔力で成長していくってことか。
契約できる精霊は従魔魔法と同じく1体だけだが、ユーリは王都で水の精霊と契約できたそうなので、急遽精霊魔法の魔石も組み込むことにしたってわけだ。
精霊魔法の魔石は精霊とも相性がいいから、こっちも威力が増幅されてるって話だ。
キャロルの長杖は仕込み杖になっていて、抜けば剣としても使えるようになっている。
ガードの部分は刀みたいな鍔だから攻撃を受けるには向いてないが、どっちかと言えば杖としての用途に重点を置いているそうだ。
こちらも
剣として使う場合は柄尻になるから、そこを利用しての打撃は出来ないんだけどな。
キャロルもヒーラーだが、たしなみ程度に剣術を学んでたそうだから、それならってことで仕込み杖にしてみたんだが、意外にも相性は良さそうだったな。
キャロルも道中で戦わせてみたが、
天樹魔法も
木々の成長を早めることも出来るし、草を操って簡易的な罠を作ることも出来るみたいだから、草原や森の中とかだと使い勝手が良さそうだ。
そしてキャロルのアーマーコートは、マリーナやフィーナ同様に胸が開いていて、胸や肩に小さな装甲がある。
ヒーラーだから重装甲は必要ないし、そもそも余程の事がなければ最前線に行くこともないから、必要最小限で十分だ。
それでもデザインは決めてもらってるから、末永く愛用してもらいたい。
現在エド達は、マリサさんの斧とヴィオラの双剣の製作をしているところだ。
本当はユリアの剣とアーマーコートも作ってもらいたいんだが、ユリアはまだ試用期間みたいなもんだから、渡すとしても正式採用してからになる。
キャロルはもちろん、レベッカとも仲良くなってるから、正式採用してもいいとは思ってるんだけどな。
そんなヒーラーのはずのユーリとキャロルはもちろん、他にも何人かがレベルが上がってたりするんだよな。
ヤマト・ハイドランシア・ミカミ
17歳
Lv.72
人族・エンシェントヒューマン
ユニオン:ウイング・クレスト
ハンターズギルド:アミスター王国 フィール
ハンターズランク:ミスリル(M)
オーダーズギルド:アミスター王国 フロート アウトサイド
オーダーズランク:オリハルコン(O)
プリムローズ・ハイドランシア・ミカミ
17歳
Lv.68
獣族・エンシェントフォクシー
ユニオン:ウイング・クレスト
ハンターズギルド:アミスター王国 フィール
ハンターズランク:プラチナ(P)
マナリース・A・ミカミ
18歳
Lv.47
人族・ハイエルフ
ユニオン:ウイング・クレスト
ハンターズギルド:アミスター王国 フロート
ハンターズランク:シルバー(S)
ユーリアナ・レイナ・アミスター
14歳
Lv.20
人族・ヒューマンハーフ・エルフ
ヒーラーズギルド:アミスター王国 フロート
ヒーラーズランク:ゴールド(G)
フレデリカ・アマティスタ
19歳
Lv.26
人族・エルフ
ユニオン:ウイング・クレスト
オーダーズギルド:アミスター王国 メモリア アウトサイド
オーダーズランク:カッパー(C)
ミーナ・F・ミカミ
17歳
Lv.39
人族・ヒューマン
ユニオン:ウイング・クレスト
オーダーズギルド:アミスター王国 フロート アウトサイド
オーダーズランク:ブロンズ(B)
ハンターズギルド:アミスター王国 フィール
ハンターズランク:ブロンズ(B)
フラム・ミカミ
18歳
Lv.36
妖族・ウンディーネ
ユニオン:ウイング・クレスト
ハンターズギルド:アミスター王国 フィール
ハンターズランク:ブロンズ(B)
リディア・ハイウインド
16歳
Lv.45
竜族・ハイドラゴニュート(氷竜)
ユニオン:ウイング・クレスト
ハンターズギルド:バレンティア竜国 ドラグニア
ハンターズランク:シルバー(S)
ルディア・ハイウインド
16歳
Lv.45
竜族・ハイドラゴニュート(火竜)
ユニオン:ウイング・クレスト
ハンターズギルド:バレンティア竜国 ドラグニア
ハンターズランク:シルバー(S)
ラウス
13歳
Lv.42
獣族・ウルフィー
ユニオン:ウイング・クレスト
ハンターズギルド:アミスター王国 フィール
ハンターズランク:ブロンズ(S-B)
レベッカ
13歳
Lv.37
妖族・ウンディーネ
ユニオン:ウイング・クレスト
ハンターズギルド:アミスター王国 フィール
ハンターズランク:ブロンズ(B)
キャロル・ベルンシュタイン
15歳
Lv.21
人族・エルフ
ユニオン:ウイング・クレスト
ヒーラーズギルド:アミスター王国 フィエリテ
ヒーラーズランク:シルバー(S)
エドワード・アルベルト
19歳
Lv.23
人族・フェアリーハーフ・ドワーフ
ユニオン:ウイング・クレスト
クラフターズギルド:アミスター王国 フィール
クラフターズランク:ゴールド(P-G)
マリーナ・アルベルト
19歳
Lv.24
竜族・フェアリーハーフ・ドラゴニュート
ユニオン:ウイング・クレスト
クラフターズギルド:アミスター王国 フィール
クラフターズランク:シルバー(S)
トレーダーズギルド:アミスター王国 フィール
トレーダーズランク:ブロンズ(B)
フィーナ・アルベルト
17歳
Lv.21
妖族・ハーピー
ユニオン:ウイング・クレスト
クラフターズギルド:アミスター王国 フィール
クラフターズランク:シルバー(S)
マリサ
20歳
Lv.25
妖族・ヴァンパイア
ユニオン:ウイング・クレスト
バトラーズギルド:アミスター王国 フロート
バトラーズランク:シルバー(S)
ヴィオラ
15歳
Lv.21
獣族・タイガリー
ユニオン:ウイング・クレスト
バトラーズギルド:アミスター王国 フロート
バトラーズランク:ブロンズ(B)
ユリア
14歳
Lv.18
獣族・ラビトリー
バトラーズギルド:アミスター王国 フロート
バトラーズランク:カッパー(C)
こんな感じで。
ユーリはまだウイング・クレストに加入してないが、これは王位継承権の問題があるからで、ラインハルト陛下の戴冠式にどうなるかが決まることになっている。
ユリアも使用期間中だから、ウイング・クレストには加入していない。
あとプリムの実母のアプリコットさんも来てるんだが、あの人は俺の義母でもあるし、無理に戦ってもらう必要性もないから、ユニオンの加入も本人が希望しなければそれでいいかなと思ってる。
あ、王都ではユーリやキャロルと一緒に、サユリ様に手ほどきしてもらったらしく、ユーリと同じGランクヒーラーになってたぞ。
「通って良し。よし、次!」
おっと、俺達の番か。
とはいえ、プリムのことがあるからハンターズライセンスやライブラリーは見せられないんだよな。
アミスターだと門番はオーダーだから、どこの街でもしっかりと口止めと誓約ができてて楽なんだけどな。
「ご苦労様です。こちらを」
「ア、アミスター新王陛下の!?し、失礼致しました!」
「いえ。人数は間違いなく19名ですが、中を確認なさいますか?」
「も、申し訳ありませんが、規則ですのでご容赦願います!」
「もちろんです。どうぞ」
ユーリが門番に自分のヒーラーズライセンスと書状を手渡す。
俺もそれに倣って、自分のユニオンライセンスを渡す。
こんな時のために、ラインハルト陛下が俺達の身分を証明する書状を用意してくれたから、まとめて身分証を掲示する必要もなくなっている。
不審人物がどうとかって言われても困るから、獣車の中を確認するぐらいは仕方がない。
「オ、Oランクオーダー!?」
「しかもエンシェントヒューマン……」
毎度驚かれるから、いい加減慣れてきたな。
「ど、どうした?」
「あ、隊長。いえ、こちらを」
「どれ。なるほど。ようこそバレンティアへ、マナリース殿下、ユーリアナ殿下」
隊長さんが出てきたが、さすがにこちらは慣れてらっしゃるな。
「ええ。今は獣車の確認をしてもらってるところだから、問題なければ進ませてもらうわね」
「かしこまりました」
とはいえ、ミラーリング30倍付与してるから、普通より時間かかるんだよな。
「し、失礼致しました。あ、隊長……」
「遅かったな。そんなに時間がかかるものでもあるまい?」
「い、いえ、思ってたより広くて……」
「そういう風に作ってありますからね。もうよろしいですか?」
「失礼致しました。どうぞ、お通り下さい」
「ご苦労様です」
ヘリオスオーブの街は、例え王族でも、街に入る際は必ず身分証を検める規則になっている。
ライブラリーは偽造が出来ないんだが、それでも王族や貴族のライブラリーを検めるのは恐れ多いって感じるらしいから、その隙を突いて偽物が現れないとも言い切れない。
だから王からの身分証があっても、ライブラリーやライセンスの確認は必ずすることになっている。
それでも2人ぐらいが出すだけで済むから、手間は大いに短縮されるんだが。
今回はアミスターの王女であるユーリと、同じくアミスターのOランクオーダーの俺がってことになってるわけだ。
それはともかくとして、俺達はようやく、ドラグニアに足を踏み入れた。
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