第141話 北部探索ミッション 準備

 ハンター本部の呼びかけで支部長会議が招集された。ツバキも自分の執務室からTV会議に参加する。画面には自分以外の9地区の支部長の顔と本部からは本部長のピートと職員らが映っている。


「時間になったな。始めよう」


 ピートの言葉で会議が始まった。本部職員から都市国家から北側のルートで電波塔の北側を探索するミッションの説明がされる。


 職員の詳細な説明が終わると画面の向こう側で支部長の1人が


「なるほどな。上陸して西から行くんじゃなくてここから北を目指して探索するのか。その手があったか。私は気が付かなかった、見事な発想じゃないか」


 その声に画面の向こう側で苦笑するピート。


「褒めてくれるのは嬉しいが、この発想をしたのは本部じゃないんだよ」


 そう言って少し間を開けて、


「ここから北を目指すべきだと提言したのはD地区の1人のハンターだ」


 その言葉で支部長らの表情が変わり、1人が


「リンドウか?」


 と聞くと画面の向こうで頷き、


「そうだ。リンドウが提案してきた」


 ピートの言葉に支部長らの表情がなんとも言えない表情になる。そしてしばらくの沈黙のあと、1人の支部長が


「リンドウ、俺達より優秀じゃないか」


 と声を出すとあちこちから全くだとか本当だという声が聞こえてきた。ツバキは最初から黙って皆のやりとりを聞いている。


「彼の優秀さについては今更語ることもないだろう、それでだ」


 ピートが言い具体的なミッション遂行についての打ち合わせが始まった。

 本部職員からこのミッションには燃料車1台(2名)、食料、弾薬を積んだトレーラータイプの装甲車1台(3名)それに装甲車4台(15名)の都合6台、20名を考えている。装甲車4台とロングレンジ装甲車の屋根には遮蔽板を備えた重機マシンガンを装備させる。ミッションの期間は約2ヶ月程度になるだろうと説明があった。燃料車やロングレンジ装甲車はスピードが出ないからだ。


 聞いていた支部長からは


「いいんじゃないか」


 と言う声と


「長いミッションになるしもうちょっと人を増やした方がいいんじゃないか?」


 という意見も出た。反対意見を言っていた支部長にピートが、


「余りこのミッションにAランクをさくと、万が一大規模襲撃があった時の対応が非常に厳しくなる」


 その言葉になるほどと頷く支部長達。それは考えていなかったが可能性としては十分に有り得るなという声が聞こえてきた。ピートはしばらく間を置いてから、


「私が今言った不在中の大規模襲撃の可能性について、その可能性を指摘して20名前後にすべきだと言ったのはやはりリンドウだよ」


 リンドウは会議の後でツバキと夜を過ごした時にミッションメンバーについての自分の意見を述べていた。そしてツバキから本部にリンドウの意見を上げていたのだ。


「どこまで読み切ってるんだ、あいつは」


 B地区の支部長のアイクが感心した声を出して言う。


「いずれにしても本部としてはリンドウが懸念している大規模襲撃の可能性も考慮して今回は20名でミッションを行うこととしたい。各地区から2名だ」


 そうして1週間後に再度会議を開いてそれまでに各地区から2名のメンバーを選抜しておく様にと指示が出た。


 ハンター本部は全体会議が終わるとすぐにマヤが所属している武器メーカーに連絡を取り、装甲車の屋根の上に遮蔽板付きの重機マシンガンを装備する様に依頼する。また普通の装甲車1台に従来よりも強力なレーダー設備を備えつける様にも合わせて依頼した。


 D地区の支部長のツバキは全体会議が終わった後ピートからの要請で2人だけでTV会議を続けそれが終わるとすぐにリンドウの端末に連絡を入れる。



「本部長のピートからミッションに関してD地区の1人はリンドウにしてくれと直接言われたの」


 テーブルに用意した夕食を向かいあって取りながらツバキが言う。ツバキからの連絡で彼女のマンションを尋ねると夕食の準備がされていた。


「そうなるだろうなと覚悟はしていた。俺が言い出した話だからな」


 自分が出向くのは当然だろうと思っていたリンドウはツバキを見て答える。目の前の女はスーツのジャケットだけ脱いだ白のシャツとグレーのタイトスカート姿だ。家に帰ってシャツのボタンを上から2つ外していたので胸の盛り上がりが丸見えで、谷間まではっきりと見えている。


「あと1人は誰にするつもり?」


 その声に視線をツバキの胸から顔にあげると


「ヤナギだな」

 

 ちょっと意外そうな表情になるツバキ。


「エリンやルリじゃないのね」


「ああ。あいつらとランディは休ませてやろう。それに万が一俺たちのミッション中に大規模襲撃があってもエリンなら場を仕切れる。そしてヤナギはマシンガンが上手いしな。それとこれが一番の理由だがヤナギは都市国家のハンターの間で顔が広い。奴がいると無用なトラブルは起こらないだろう」


「わかったわ。明日にでもヤナギに話をする」


「頼む」


「今回は探索ミッションとは言え未知のエリア。何が起こるかわからない。気をつけてね」


 リンドウは頷き、


「そう言うミッションは過去からもしてきている。巨大廃墟の探索もそうだ。事前に起こりうることをいくつか想定しておくとその時に慌てない。時間はかかるかもしれないが慎重に進んでいくつもりだ」


 そう言うと目の前の料理にフォークを伸ばすリンドウ。その言葉と目の前のリンドウの落ち着いた仕草を見てツバキはこの男に任せていれば大抵の事態には問題なく対応できるだろう。誰もが認めるハンター中のハンター。射撃能力以外でも優れた才を持っている。人より常に2歩、3歩先を見ている。ハンターとしても男としてもこれ以上の男はいないと思っていた。



 寝室で白いシャツのボタンを外しながらツバキはリンドウが自分を見ている視線を感じるとゆっくりとシャツを脱ぐ。白のハーフカップブラから巨乳がこぼれ落ちそうだ。そうしてスカートも脱いでハーフカップブラと小さなショーツだけになるとリンドウに近づいてきてそのズボンを脱がせていく。そうしてリンドウに見せつける様にブラを脱いでそれからゆっくりとショーツも脱いで全裸になると、


「この迷彩服になってから脱がせるのが楽になったわ」


 そう言うとリンドウの迷彩服とズボンを脱がせ、足元に跪いて下着を脱がせるとそのまま股間に顔を近づけていった。

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