第122話 新しい迷彩服

「よう。男前の放送を見たぜ」


「親爺さんまで、勘弁してくれよ」


 支部の地下での鍛錬を終えたリンドウが昼過ぎに武器屋に顔をだすと早速サムが茶化してきた。


「大規模襲撃が終わって今はのんびりしてるんじゃないのかい?報酬はたんまりともらってるし」


「ああ。とりあえずすぐに荒野に出て稼ぐ必要は無いほどだな。だから最近は支部の地下で鍛錬してるよ。今日は何か武器か装備か防具で新しいのが入ってるかなと思ってきてみたのさ」


 長年の付き合いのある武器屋の親父とサムとはツーカーの仲だ。リンドウは装備のほとんどをこの店から仕入れている。


「リンドウは本当に鼻が利くというかいいタイミングで店に来るよな。今日か明日あたりにあんたに連絡しようと思っていたところさ」


「ということは?」


 サムの言葉に目を輝かせる。


「ああ、武器じゃないが迷彩服で新しいのが入った。これは武器メーカーとは別のメーカーが作成しているんだが」


 そう言って奥から茶系と緑系の迷彩服を2種類持ってきて、1つを手に持つとその迷彩服を裏返す。思わず身を乗り出すリンドウ。


「身体保護スーツの生地を迷彩服の裏地に縫い込んであるんだ」


「これは便利だな」


 手に持ってみなと渡された迷彩服を持ったリンドウ。ぱっと見は今着ている迷彩服よりも生地が厚いが、


「軽いな」


 ある程度の重さを予想していたリンドウはその軽さにびっくりする。


「そうだろう。それも売りの1つらしい。従来の保護スーツと同じ強度を保ちつつ迷彩服を重くしていない。メーカーによると新しく開発した軽くて強い繊維を使ってるらしい」


 戦闘着に着替える時間が大きく短縮できる。強度も同じなら問題ないなと手に持っている新しい迷彩服を見ているリンドウ。


「首元だけは従来品と違って保護できないがな」


「それは仕方ないだろう。それよりもメリットの方がでかい」


 身体保護スーツはもちろん機械獣の攻撃に耐えられる程の強度はないが、戦闘時には重宝している。特に伏射の際、地面にある瓦礫の破片や小石が体に触れると痛いことがあるが保護スーツならそれをかなり緩和できるのだ。


 リンドウは手に持ちながら個人的にはこれは使えるがエリンとルリの様なショートパンツの迷彩服をきているハンターには無理だろうなと思っていた。


「エリンやルリのショートパンツじゃ無理だな」


 思ったことを言うとサムも、そうなるな。あいつらがズボンを穿けば問題ないんだがと言う。ダメ元で聞いてみるかとリンドウはその場でエリンの端末に連絡を入れた。新しい迷彩服が入荷していると話しするとルリと二人で見に来るという。


 しばらくしてエリンとルリがやってきた。


「久しぶりね」


 とエリン。ルリも、


「TVでも格好よかったけどやっぱ実物の方が何倍もいい男ね」


 二人が店に入ってくるなりリンドウに声をかけてくる。その言葉にありがとよと言い、これだと新しい迷彩服を見せる。サムがその迷彩服の説明をするのをじっと聞いている二人。


「迷彩服だけで済むってのはいいわね」


「それに軽いじゃない。動きに支障はなさそう」


 それから二人は試着させてくれと新しい迷彩服を持って着替えルームに入っていった。そこから出てきた二人を見てリンドウは


「ズボンタイプでも似合ってるじゃないか」


「そう?ありがと」


 リンドウの言葉に満更でもない二人は新しい迷彩服を着て体を捻ったり屈伸したりしている。今まで足を露にしてきた格好しか見ていないから二人のズボン姿は新鮮だ。


「動きやすいね、違和感はないわ」


「そうね。思ったよりもずっと軽いし」


 結局リンドウ、エリン、ルリの3人は新しい迷彩服を茶系、緑系の2種類購入してサムの武器屋を出た。3人とも早速新しい茶系の迷彩服を着ている。サムの店で迷彩服にはAランクのタグを貼り付けてもらった。


 通りを3人で歩いているとすれ違う男達がエリンとルリの新しい迷彩服を見てそれがズボンタイプであるのでがっかりしている様だ。すぐにエリンとルリの新しい迷彩服のことがこの4層で話題になるのだろう。


 通りを歩いて当たり前の様にリンドウの部屋にやってきた二人。冷蔵庫から出したジュースを二人に手渡し、迷彩服のままジュースを飲んでいるその姿を見て、


「それにしてもエリンとルリもよくズボンタイプの迷彩服に切り替えたな。ショートパンツが気に入っていたんじゃないのか?」


 二人は顔を見合わせると飲んだジュースをテーブルの上に置いて立ち上がってリンドウの目の前で新しい迷彩服を脱いでいく。


「だってほらっ、これだったら直ぐにできるでしょ?いちいち身体保護スーツを脱がなくても迷彩服を脱いだらOKじゃない」


 迷彩服を脱いだ二人はかろうじて股間を隠している小さなショーツ1枚だ。普段からブラをしない二人。二人ともその巨乳の先にある綺麗なピンクの乳首が尖っている。そしてリンドウに見せつける様に体を卑猥に揺らせながらショーツ1枚の格好でリンドウに近づいて、


「リンドウもこれを脱いだら即OKでしょ?」


 そう言ってリンドウの新しい迷彩服の上とズボンを脱がせていく二人。二人の素晴らしい身体を見た時から準備OKになっていたリンドウ。


「しばらくしてなかったら疼いてるのよ」


 ルリがリンドウに抱きついて耳元で囁けば、立っているリンドウの股間に顔を近づけてきたエリンも


「リンドウもビンビンじゃん、溜まってるんでしょ?全部抜いてあげる」



 数時間後ベッドの上で川の字に寝ている3人。左右からエリンとルリがリンドウの腕にしがみついている。二人ともすっかり満足している顔だ。


「もう仕事もしてないし、他の男に見せつける必要もなくなってるのよ」


「そうそう、リンドウに見てもらえれば十分なの」


「なるほど。俺にとっちゃあ嬉しい話しだ」


「その代わりこんないい女を2人自分のモノにしたんだからこれからもしっかり満足させてよ?」


「それは大丈夫だ。こっちも満足させてもらってるしな」

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