AIの章

第89話 半年後

 リンドウ達が極秘ミッションをクリアして半年が経った。その間リンドウはほとんどの時間を都市国家内で過ごしてたまに荒野に出ている程度だった。


 ミッションが終わってからはエリンとルリが1週間泊まりにきて朝から晩まで毎日3人でやりまくり、やっと帰ったと思ったら休暇を取ったツバキのマンションに3泊。そうしてその後はマヤが泊まりに来た。休む間もなく女達の相手をしたリンドウ。



 エリンとルリからは


「どうせリンドウも私たちと同じでしばらく荒野に出ないんでしょ?じゃあたっぷりと時間があるじゃない」


 そしてツバキからは


「ずっと働き詰めだったから4日間休暇をもらったの。休暇中はずっと一緒にいて」


 そしてマヤは


「ミッション終了のお礼よ。貴方がいない間ずっと寂しくて毎日の様に1人で慰めてたんだから」


とリンドウの家に2泊していった。


 

 2週間ほどセックスしかしない日を過ごした後は3日程一歩もマンションから出ずに体を休め、そして普段のルーティーンを少しずつ復活させていった。


 射撃場とジムで身体を動かして鈍っていた身体を以前の状態に戻していく。そうして月に1、2回荒野にでると小型相手に狙撃とスナイプの鍛錬をする。


 そんな日々を送って半年が経った。



「そろそろ仕事がしたくなってきたんじゃない?」


 ハンター支部の会議室には支部長のツバキがいる、そしてそれに向かい合う様にランディ、エリン、ルリ、そしてリンドウと極秘ミッションに参加したメンバーが集まっていた。ツバキに呼ばれて集まってきていた。


「このメンバーを呼んだってことはあのミッション絡みなのか?」


 ランディの言葉に頷くツバキ。そして


「今度はスナイプとかじゃないの。偵察をお願いしたいの」


 そう言ってツバキが説明を始める。リンドウがスナイプを成功させラップトップを破壊して6ヶ月経ったところで現在の工業団地の様子を近くからドローンで撮影してきて欲しいというのがミッションの内容だ。


 ツバキの説明を聞いたあとルリが、


「ちょっと待ってよ。それくらいならハンターじゃなくても守備隊で十分じゃないの?」


 ルリの言葉に他の3人もそうだと同意する。その疑問が出るのは既に予測済みだったのかツバキも頷くと、


「そう、普通ならわざわざハンターを出さなくても守備隊でも出来ると言える。ただ政府からはもし工業団地で機械獣が増えていてこちらを襲ってきた場合少人数の守備隊で対応できないだろうと言ってるの。あなた方は半年前にその戦闘能力を証明しているから信用が高いのよ。それとこちらの方が本当の理由なんだけどもう1つ政府が貴方達にお願いしたいと言っている理由があるの。それはね、」


「機密保持か」


 ツバキが言いかけたところでリンドウが先に言うとその通りと頷くツバキ。


「リンドウが破壊したラップトップのあったエリアが核兵器開発地区予定地だったと知っているのは限られた人間のみ。都市防衛隊でも知ってるのはごく一部よ。もちろん一般の兵士は知らない。機密はどこから漏れるかわからない。近づけないのが一番なのよ」


「うまく騙された感じだな」


 ランディがハンター4人の気持ちを代表して言う。そのランディの言葉を軽く聞き流したツバキ、


「船の操縦だけは前回と同じく守備隊が担当する。出発は3日後よ」


 そう言うと各自の端末にミッションの内容と報酬が書かれたメッセージが送信されてきた。それを読んで全員が同意して返信する。全員の同意を確認すると、


「探索とはいえ何が起こるかわからないからしっかりと準備してね」


 そうしてツバキが部屋を出ると残った4人で打ち合わせをする。


 ブツブツと言っていた4人だがミッションの契約に同意した時からすっかり気持ちを切り替えている。


「ドローンの操作は任せて。だから3人で警戒をお願い」


 エリンが言うとオーケーだとランディとリンドウ。


「私は装甲車の上で重機マシンガン担当ね」


「そうなるな。ルリにマシンガンを任せて俺は狙撃銃で備えよう。ランディは運転席に座ったままでいつでも装甲車を動かせる様にしてくれ」


 それからスクリーンに工業団地の場所を映して車を停める場所を決める。結局工業団地が見下ろせる起伏の上からドローンを飛ばして偵察をすることにした。


「ここなら工業団地から5,000メートルは離れている。見つかり難いし逃げるとしても逃げやすい」


 エリンの言うポイントがベストだろう。リンドウがいいんじゃないかと言うとランディもそこしかないなと言い場所が決まった。


「探索がメインだからできるだけ戦闘は避ける方向で動こう」


 リンドウが言って打ち合わせは終わった。4層に戻ってランディが先に自宅に戻っていった。残り3人になるとエリンが思わせぶりな視線をリンドウに送る。


「出発は3日後、まだまだ十分時間があるわね」


 ルリは通りを歩きながらリンドウにしなだれかかってきて耳元で、


「ミッション中は出来ないんだから、その前にたっぷりと出していって」


 その言葉でリンドウは引きずられる様にして2人のマンションの中に入っていった。



 ミッション当日、ハンター支部の車で3層の南にある入江に行くとそこには前と同じ様に不恰好な船と装甲車が停まっている。近くにツバキが立っていて


「今回の周波数は210.2MHz、気をつけてね」


 全員がゴーグルをその周波数にセットする。


 前回と異なるのは他に偉い人が誰もいないことだ。4人ともその方がいいので支部の車から装甲車に装備を放り込んでいき、予備のタイヤや燃料などチェック、PC環境の設定、そしてエリンはドローンを試しで操作する。


 そうして全て確認後に装甲車を船に乗せてシートで覆うと船は再び北の砂浜を目指して出港していった。


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