第15話 狙撃訓練
2人は元々素質があるのか狙撃銃についても驚異的な伸びでモノにしていく。
4日間地下の射撃場で訓練をした2人。今日はリンドウの運転する車で荒野に出ていった。D3地区の廃墟に車を停める。
「俺がナビゲーターをする。500メートル切ったら撃て、外れてもいいぞ焦らずにもう一度狙って撃つんだ」
車を走らせていると前方に小型獣が1体徘徊しているのが見えた。2人が車を降りて立射の姿勢になる。リンドウらを見つけた小型獣がこちらに突進してきた。
「700メートル」「600メートル」
その声で身構える2人、そして
「500メートル」
の声で2人が銃を撃った。リンドウが自分の狙撃銃のスコープで標的を見ているとサクラが全弾命中、マリーは3連発のうち2発が命中。機械獣はその場で爆発して残骸となった。
「マリー、最後の弾が外れた。銃の反動をしっかり両手で制御するんだ」
「はい」
その後もD3地区で小型の機械獣を相手に訓練する2人。移動する機械獣の動きに合わせて銃身が動きその首を撃ち抜いていく。
「2人とも小型相手に500メートルでの命中率が80%程度だな。せめて90%まで上げるのを目標にしよう。そうすれば200メートルでは小型相手でも勝手に100%の命中率になる。そして500メートルで自信がついたら射程距離を伸ばしていくんだ。最終目標は1,000メートル」
そうして荒野で5日間訓練をした結果2人ともBランクが相手なら500メートルでほぼ90%の命中率に上がっていった。1,000メートルはまだまだだがそれでもサクラとマリーは何発かは命中させる。
訓練を終えてD門を潜って戻ってきて車から降りると、
「端末のここを見るんだ。ゴーグルの情報が端末から支部に転送されていて倒した機械獣の討伐数とそれに対する報酬が出ているだろう?これがお前さん達の報酬だよ。ミッションがなくても日銭くらいは稼げそうだな」
「小型獣でも結構お金になるんだね」
自分のゴーグルを見ていたマリーが言うと、
「そういうことだ。俺達はAランクで報酬の基本ベースが高くなるからな」
「じゃあミッションがなくても生活できるね」
「ただ無理はするなよ。疲れたらしっかり休むのも仕事だ」
「いろいろありがとう」
サクラが礼を言うとマリーも同じ様に礼を言い、そうして2人で顔を見合わせてると
「それでね、これから2人でリンドウの家にお邪魔してもいい?」
「2人でお礼をしたいの」
と言ってくる2人の目を見たリンドウ、頷くと3人でリンドウのマンションに足を向けた。
それからしばらくしてリンドウの部屋のリビングには全裸の男と全裸の2人の女がソファにすわってジュースやミネラルウォーターを飲んでいる。2人とも見事な肢体だ。胸も股間も隠そうともせずにソファに座ってジュースを飲みながら
「リンドウって射撃だけじゃなくてセックスもすごいのね」
「あんなに逝かされたのって初めてよ」
「エリンやルリが夢中になってるのも分かるわ」
「おいおい、あいつらは俺に夢中じゃないぞ?」
リンドウが言うとサクラが首を大きく振り、
「ううん、私たち女性には分かるの。口ではああ言ってるけど2人ともリンドウに夢中よ。どうしてそこまで夢中なんだろうって思ってたけど今日わかった。すごいもの」
「そりゃありがとよ」
「それにしてもいいマンションね、こんなところに住みたいな」
マリーが言うとサクラも
「そうよね。セキュリティも悪くないし部屋は広いしさ」
「2人なら住めるんじゃないのか?」
そう言って金額を言うと
「貯めなきゃね」
とお互いに顔を見合わせている。
「家も銃と一緒だ。いいところに住むと安心して休める。風呂もでかいと疲れも取れる。防音も完璧なら安眠もできる。安い所だと本当に休めないぞ。そして疲れが残っていると実戦で思わぬミスをする。それが命取りになることもある」
頷く2人。その後雑談をしていたらそういえばとマリーが、
「リンドウは今日みたいに1人で外で機械獣を倒してお金を稼いだりしてるの?」
「以前はな。最近は幸いにして蓄えもあるんでほとんど出てない」
「その時は狙撃銃?」
頷き、そして
「狙撃銃も使いこなせるとソロでも問題なく稼げる様になる。マシンガンと違って弾丸の消費が少ないし見入りは悪くないぞ。ただ急所を確実に撃ち抜ける技術は必要だけどな」
「私たち2人でも大丈夫かしら?」
心配そうに言うサクラを抱き寄せると
「大丈夫だ、サクラもマリーも十分に実力はある。突進してくる機械獣に慌てたり身体がすくんでもいない。伊達にAランクに昇格してる訳じゃない。自分の実力を信じるんだ。2人で1体を確実に倒す。その繰り返しが実力を上げる。気がついたら1人で倒せる様になってるものさ」
そうしてもう片方の手でマリーを抱き寄せる。
精悍なリンドウに抱き寄せられて全裸で頷く2人。その目は再び潤んできていた。ハンターは命と隣り合わせの稼業だ。なのでどうしても刹那的な生き方になりがちになる。いきおい貞操観念も低くなる。従い4層には娼館やアフターOKの飲み屋が多数存在し男の性の吐け口となってハンターの財布からがっぽりとギールを吸い取っていく。一方女は男なら誰でもいいとはいかない。強い女はやっぱり強い男に惹かれるものなのだ。そういう女性達にとってはリンドウは理想の男だ。Aランクの中でもトップクラスの実力、精悍な顔つき。大抵の女は一晩一緒にいたいと思うだろう。そして抱かれると離れられなくなっていく。
リンドウにはその気がなくても自然と彼の周りには女が集まってきていた。
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