会敵28 街の手前にて
シュトゥットガルトの手前5kmの林の中で、俺はミアの帰りをクロエと待っている。ミアが裸足では可哀そうだし目立ちすぎると言ってシュトゥットガルト迄買い出しに行っているのだ。
『助かったわ、あなた達に感謝しないといけないわね』
『そうかい、悪いが礼は貰えない。ここまであんたは歩いてきた。単車になんか乗っていない。いいな?』
俺は、目も合わさずに冷たく言い放った。
遠くから水平対向エンジンの排気音が聞こえてきている。排気音は瞬く間にでかくなって……
飛ばしてんな、ミアの奴。
「買ってきたよ~」
俺とクロエの重い空気の中に軽く入ってきたミアに、俺は手を上げて応え、早速、街まで乗せて行こうとすると、
ミアの奴、
『服も変えなよ、私ので良かったら』
「もう時間も無いぞ」
焦れる俺をよそ眼に
「レオ、ちょっと向こう行ってて」
終いには要らない子扱いだ。服から下着まで上げたそうだ。お前の片手サイズが良く合ったな。俺は心の奥でそ~っと呟いた。
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