第465話 様々な武器

「はっ!ふっ!」


「らあっ!」


俺は今、2本の槍を持ってベクアと戦っている。なぜ剣では無く、槍を使っているかと言うと、新しい称号を獲得しようとしているからだ。複数の武器系スキルを取得すれば、【称号】収集のスキルで何らかの使える称号が手に入るのでは?と思っている。



『ピコーン!』

『槍術Lv.1を取得しました』

『【称号】二槍流 を獲得しました』


「違う…」


俺は小声でそう呟いた。一応称号は獲得できたが、二刀流の槍バージョンの称号だった。つまり、普段の剣での戦闘時には必要の無い称号だ。



「次は斧だ!」


ちなみに、俺が槍術を取得できたのは、本格的に槍の特訓を初めてから4日だ。つまり、今日は霹靂神を放つ実験をしてから4日が経過した。

今度は斧術の取得を目指して両手に斧を持ってベクアにボコられに向かった。




『ピコーン!』

『斧術Lv.1を取得しました』

『【称号】二斧流を獲得しました』


「そうじゃない…」


またしても俺が欲しいような称号は手に入らなかった。ちなみに、斧術は3日で取得できた。やはり、武器によって才能とかあるのだろうか?まあ、斧が意外と使いやすかったのは先が重い剣という感じで使っていたからなんだけど。


あとそれと、この3日間で、身体のサイズをグラデンに計られた。それはソフィ達4人も同じだ。明日か明後日には似たような防具を試装してもらうだろうとグラデンに言われている。



「次は何使おう…?」


まだまだ武器はあるけど、王道のようなものから使っていきたい。と思って武器を探していると、ある武器が目に入った。


「刀か?」


この世界で刀を見たのはあの深林の老人が持っていた2本とここにある2本で計4本だ。王道とは言えないかもしれないが、次はこの刀を使ってみよう。



「はっ!」


俺はベクアと戦う前に刀を試すために、試し斬り用の木で出来たカカシのような物に刀を振った。


「あっ!」


そのカカシはボコッ!という大きな音と主に地面から抜けた。刀は木を両断することが出来ず、半分くらいで挟まっている。つまり、刀に引っかかったままカカシを引き抜きてしまったということだ。


「…今まではちゃんと斬ってはいなかったんだな」


途中で止まった木を見ると、今まで剣では叩き斬るということはやっていたけど、スパッ!と綺麗に斬ることはしていないというのがわかる。まあ、剣と刀は少し違うので、何とも言えないけど。

もしかすると、刀の斬れ味が悪かったのかもしれないが、それでもこの木くらい斬れる性能はあるだろう。


「ベクア、すまんが、少し1人で特訓してみる」


「全然いいぜ。キャリナ!相手をしてくれ!」


「わかりました!」


俺はそれからカカシに向かって刀を振り出した。




「お兄ちゃん、少しいいですか?」


「ん?どうかしたか?」


俺が刀の取り扱いに苦戦していると、ソフィが話しかけてきた。


「その刀を1本貸してください」


「いいよ」


俺はソフィに言われて、刀を1本ソフィに手渡した。


「はっ」


ソフィは俺の渡した刀でカカシに斬りかかった。すると、カカシはスっ!と意図も簡単に一刀両断された。


「え……」


「やっぱりそうですね。お兄ちゃんは無駄に力が入ってるんですよ。形は似てはいますが、剣と刀は完全に違う武器です。いつも剣を振るよりも力を抜いて振ってください。最初はふざけているくらい力を抜いてもいいかもしれません。そこから少しづつ力を入れていけばいいと思いますよ」


ソフィは俺にそうアドバイスをくれた。一応俺の方がソフィよりも近接武器の扱いは上手い自信があったから少し落ち込む。


「えっと…何でそんな刀の使い方上手いの?」


「そうですね…」


ソフィは少し悩む素振りをすると、俺に手招きをして近くに寄れとアピールしてきた。俺はソフィに近付くと、ソフィは俺の耳元に顔を寄せた。


「前世でもしかすると、刀を使う場面があるかもと思って、調べて使えるようにしておきました」


「えっ!?」


ソフィの口から出た言葉は想像の遥か上だったので、素で大きな驚いた声が出てしまった。


「冗談です。包丁の使い方と似てたので上手く使えただけですよ」


ソフィはそう言うと、俺から離れて行った。

最初の発言はどうも冗談には聞こえなかった。それに、前世ではまさにチートのようなソフィなら刀の使えてもおかしくないと思えてしまう。

まあ…うん。ソフィは包丁を使っていたおかげで刀の使い方が上手かったということにしよう。


「よし!」


俺はソフィに教えてもらった刀の使いを参考にして刀を振っていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る