第86話 依頼完了

「よしっ!そろそろ帰ろうか」


「はい」


「ん」


あれからリザードマンを狩り続けていたので数えてはいないがそれなりの数はあるだろう。

俺たちは御者と待ち合わせしていた場所に移動した。


「おっ!ちゃんと来たな」


「お願いします」


「おう!」


そして俺たちは初の泊まりでの依頼を終えて王都に戻った。


「こちら依頼報酬の銀貨92枚になります」


「ありがとうございます」


「そしてこの依頼で皆さんのランクがCランクとなりました。おめでとうございます」


「おお!」


俺たちはランクが上がったので新しく銀色のギルドカードを貰った。


「じゃあリザードマンを解体してもらいに行こうか」


「はい」


「ん」


そしてリザードマン31体を引き渡して少し多めに切りよく銀貨100枚貰った。今回の依頼のお金も1人あたり4分の1ずつ分けて残りをパーティ資金とした。


「じゃあまた明後日」


「ん」


そしてシャナとも別れて家に帰った。


『2人ともちょっといい?』


『ん?いいぞ』


『どしたのー?』


そして夜中の特訓も終わって今日の精霊たちとの会話の時間となった。


『2人は魔物のランクで言うとどのくらいの強さがあるの?』


これはリザードマンを簡単に倒してから思っていたことだ。Cランクなら俺は簡単に倒せる。しかしそんな俺で遊ぶことができるジールたちはどのくらいの強さか気になった。


『んー…俺はSSSランクくらいか?』


『ならユグは測定不能かな?』


高すぎる…通りで俺が遊ばれるわけだ……。



『…ちなみに今俺はどのくらいかわかる?』


『相性とかでも変わってくるからはっきりとは言えないがSランク並の強さはあるんじゃないか?』


『おお!』


なんか自分が強い気がしてきた。


『ちなみにわかりやすく魔物で例えるとどんな感じ?』


『ワイバーンならなんとか1人で勝てるがドラゴンには手も足も出ないな』


『そうなの?』


『ドラゴン系のヤツらって鱗が硬いからある程度の攻撃力を持ってないと何しても無意味なんだよね。あっ!目とかなら効果あるかもしれないけど!』


『ワイバーンなら戦ってもいいが、ドラゴンと遭遇したら逃げることだけを考えろよ?』


『了解』


ドラゴン相手に俺一人では歯が立たないようだ。やはり本格的にどこかに刺さってる伝説の剣でも探した方がいいかもしれない。ちゃんと俺用に2本セットであるといいな。そのことは置いておいてもう1つ気になったことを聞くことにした。


『精霊が人間と契約する利点ってあるの?』


ジールたちの強さを聞いて思ったが、1人でSSSランクもあるのに俺と契約する利点が全くないだろう。


『利点っていう利点はないかな?』


『ないな』


『ないの!?』


『俺たちの住んでいる精霊界は自然豊かなんだが自然以外何も無くて暇だから人間と契約するんだ』


『暇つぶしかい…』


『だから契約した相手が最低のゴミだな〜って思ったらパパっと契約解除したりするよ』


『気を付けます』


『あっ!今のゼロくんには契約解除する気はさらさらないから大丈夫だよ!』


『ありがとう?』


今のというのが気になるがとりあえず今のままでいれば契約解除されないのだろう。


『ジールの住んでた場所良かったよね』


『どんな場所に住んでたの?』


『俺は雷が降り注ぐところに住んでたぞ』


『むむ?』


『いっぱい雷が当たって気持ちよかったよね』


『そして雷草を踏むと足の裏がマッサージされるから良かったな』


『今度ゼロくんも来る?』


『いや…遠慮しておく…』


死因2回目も雷に打たれてというのは気が進まない。というか自然豊かって話じゃなかったか?雷も自然の1部なのか?


『というか俺もそこに行けるの?』


『あっ、まだ無理だった。もうちょっと待ってね。行けるようになったらいっぱい案内してあげるから!』


『あ、ありがとう…』


『どういたしまして!』


別に行きたいとは思わないがユグが100%親切心で案内すると言っているので断れなかった。そしてその後寝ると雷が大量に降り注ぐ夢を見た。夢見は悪かったが特に問題なく翌日も過ぎていって久しぶりの学園への登校日かつ対校戦のメンバー10人との顔合わせの日になった。



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