第51話 クラス

「そこの3人ちょっといいか?」


「はい?」


人が全然いなくならないなーっと人だかりを見ていたら学園長に話しかけられた。


「あーっと…俺は魔法に詳しくないから頼む」


「なら先に声をかけると言ってください」


しかし学園長はすぐ隣にいたメガネをかけた細身の隈が濃い男性にそう言った。というかこの世界にメガネがあったのね。初めて見た。


「初めまして、私は副学園長のフリップ・モンテインと申します」


学園長の隣にいた人物は副学園長だった。ちなみに学園長の名前はイワン・ゴーキーというらしい。


「早速本題に入りますが、的当ての試験でアレオーラ氏の魔法威力の最大値では到底的を壊すことはできません。ただ…元々的が壊れる寸前なら可能でしょう。そしてアレオーラ氏の前に試験を行った3人の受験生の魔法威力の最大値は的の耐久上限を超えていました」


「「「ごめんなさい」」」


ここまで言われると何が言いたいかはもう察することができた。そのため素直に頭を下げた。


「謝られるなんてとんでもない!元々威力に耐えきれない程度の柔い的しか用意できなかったこちらの落ち度です」


普通に怒られているのかと思った。というか誰でもこの状況は怒られていると思うはずだ。


「ただ、貴方達のせいかおかげかは分かりませんが、1位になってしまったアレオーラ氏には謝っておいてください」


「はい」


それは元々謝ろうと思っていた。


「それと出来ればアレオーラ氏に魔法を教えてあげてくれませんか?」


「魔法を?ですか?」


「はい。今彼女は多くの人から魔法を注目されています。それが重圧にならないようになるまで魔法を教えてあげて欲しいのです」


「わかりました」


確かに今回のことは俺たちが全面的に悪いので教えるのは別になんの問題もない。


「それとアレオーラ氏は攻撃系魔法はあまり得意ではありませんが回復系の魔法はとても得意なので回復系の魔法はアレオーラ氏から教えてもらうといいでしょう」


「わかりました」


回復系の魔法は俺は取得できてないので教えてもらってもいいかもしれない。しかしソフィが既に取得しているので回復系の魔法の優先度は低い。


「時間を取らせてしまって申し訳ありません」


「いえ、大丈夫です」


「では私たちはこれで」


そう言って学園長と共に去っていった。そして見てみるともう人だかりは無いので俺達もクラス分けを見に行った。



「見る必要なかったね…」


「そうですね」


(こくっ)


クラスは成績順でA~Gまで決まっていて1位から20位までの20人がAクラスでBは21位から50位の30人がBクラスのようにAクラスだけが20人でBクラス以降は30人クラスとなっている。なんでAクラスだけ20人かは知らない。


「ちょっと遅れてるっぽいから少し急いで行こう」


もうここには誰もいないので少し急ぎめでクラスに向かっていった。



「ごめんなさい、少し遅れました」


「大丈夫ですよ。指定されている席に座ってください」


教室に着くともう全員着席していた。俺達も黒板に書いてある席順に座った。どうやら出席番号順で、出席番号も受験の成績順のようだ。なので俺の前の席はクラウディアさんで、俺の後ろの席はソフィ、シャナと続いている。


「では全員揃ったのでオリエンテーションを始めます」


そして俺たちが席に着くとオリエンテーションが始まった。

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