第41話 ランクアップ試験 ゼロ編1
「さすがにそれは…」
「何?私の判断が間違っていると?」
「いえ…」
ウォレスさんがギルド長に抗議したが全く相手にされなかった。
「いや!さすがにそれは!」
俺もさすがにそれはないと思って抗議をした。
「…雷使ってもいいとなっても?」
「っ!?え!?なっ…」
気が付いたら俺はギルド長に後ろから首に手を回されて耳元でそう言われた。危機感知は危険がある時にしか反応しない。つまり相手が全く危害を加える気がない場合は反応してくれない。反応してくれるならソフィの半ストーカー的行為を感知できる。そしてなんで雷魔法のことを知っているのか分からない。偽装Lv.MAXはちょっとやそっとじゃ本当のステータスは見れない。色んなことに驚いて頭が真っ白になった。
「焦っているところ悪いけど昔にシャイナちゃんとの模擬戦見ちゃったんだよね?最後…使おうとしたよね?」
「え!」
「人払いしたからここには私たちしかいないし、外から覗くことは絶対にできないようにもしておいたよ。あと終わったらみんなに箝口令も敷くから大丈夫よ」
ちょっと待って…ツッコミどころが追いつかない…まず王宮で盗み見なんてできるのか?それともギルド長も招待されていた?でもいなかったよな?こんな綺麗な人がいたら目立つからすぐに分かる。そしてエンチャントを発動途中で属性まで分かるものなのか?さらに人払いまでしておいたということは計画的犯行なのか?
「だからさ…本気を出していいんだよ?」
「っ!」
「今の自分の実力試したいでしょ?」
ここまでお膳立てしてくれたのならウォレスさん達にどれだけやれるか試したい。
「もう一押しか……あっ!あと私基準で、ある合格ラインまでいったらとーっても珍しい魔法を教えてあげる!」
「え!?」
「それをエンチャントしたところ見たいしね〜」
やばい。俄然やる気が増してきた。
「それで…やる?」
「やらせてください」
「いい子ね…ふふっ…」
そしてまだ少し戸惑い気味のウォレスさん達と模擬戦をすることになった。
「ウォレスたち」
「な、なんでしょう?」
「魔物相手だと思って本気でやりなさい」
「わかりました」
いや、ギルド長さん…あんた俺の事なんだと思っているんですか?そしてギルド長からそう言われた瞬間にウォレスさん達の雰囲気がガラッと変わった。
「両者準備はいい?」
「「「「「……」」」」」
「……」
「始め!」
お互い集中しているため返事はなかったが準備ができているのは誰の目から見ても明らかだった。
「雷エンチャント!」
先手必勝とばかりにウォレスさんに雷エンチャントを使って二刀流で攻撃を仕掛けた。
ガキンッ!
「っ!」
しかしウォレスさんの前にガードナーさんが立ち塞がって巨大な盾で攻撃を防がれた。
「凍れアイススpッ!!」
先にガードナーさんを倒そうとしたが後ろから危機感知が反応したので詠唱を終了して剣を後ろに振った。
「反応早いね…」
急に後ろから来ていたのはティラさんだった。気配が掴めないから分からなかった。
「ん?」
そしてこのまま攻めてくるかと思ったらすぐに2人が引いた。
「ウィンドスピア!」
「ウィンドスピア!」
「ライトスピア!」
2人が引くとすぐに危機感知が反応した。ガードナーさんの後方を見ると魔法が放たれていた。
「きっつ!」
高速反射を最大限に使って全ての魔法を斬った。
「アイスウォール!」
パキンッ!
魔法を斬ったらまた危機感知が反応した。剣ではガードしきれないと判断して氷魔法で壁を作って距離を取った。すると俺の作った氷の壁は簡単に砕かれた。
ドンッ!
しかしその俺の行動も読んでいたのかガードナーさんが盾でタックルを仕掛けてきた。剣でガードしたが勢いは殺せず吹っ飛ばされた。
やばい…何も出来ない…させてくれない。でもこの状況はシャナの時に体験している。このままでは俺は2年間で何も成長していないことになる。ソフィに失望されてしまう。これから2年間の成長を見せてやる…
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