警察官と不良少女

おむ

第1話

 僕――土屋つちや 綾司りょうじは生活安全課で働く新人警察官だ。

 今日は早番の出勤なのでコンビニでインスタントコーヒーを買って、駐車場の車の中でコーヒーを飲みながらスマホでNEWSサイトを見るのが日課だ。


 「パチ屋で残高六千円入りのプリペイドカードを盗んで警察官逮捕、か」


 他にも気になるような見出しのNEWSを一通り見て、残りのコーヒーを一気に喉に流し込む。


 飲み終えた紙コップを車内にあるゴミ箱に捨ててスマホを助手席へと置くと、仕事場である警察署へと向かう。


※※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 駐車場に車を止めた僕は正面玄関から入ると、飲酒運転撲滅と書かれたポスターを貼っていた受付担当のひいらぎさんが僕に気付いて話しかけてきた。


 「土屋さん、おはようございます!」


 「おはようございます、柊さん。今日も寒いですね」


 柊さんはとても笑顔が可愛い方で、いつも皆さんに元気を与える天使のような方だ。

 そんな天使のような存在の柊さんを狙う男が居ないはずがなく、生活安全課で共に働く同期の谷川は柊さんを狙っている一人だ。

 僕には高嶺の花で狙おうとは思わない。彼女の笑顔が見れたら僕はそれでいい。


 「あ、そういえばあの子、また補導されてましたよ」


 「え?またですか?補導内容は?」


 「深夜に街中を制服で出歩いてた、みたいですよ。まだ取調室ちょうしゅしつにいますよ。」


 「そうですか、分かりました。連絡ありがとうございます」


 僕は柊さんに頭を下げて生活安全課へと向かう。


※※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 「お〜い、土屋」


 課長の井手さんが手招きして僕を呼ぶ。


 「どうしたんですか?課長?」


 「あの子の聴取、お前に任せていいか?」


 「え?」


 「遅番の谷川が深夜に補導したんだが、一向に無口を貫くんだ。親御さんに連絡しようにも連絡できんくてな。土屋、あの子の相手上手いだろ?頼めるか?」


 「う、上手いんですかね?私?」


 「とりあえず後は任せたよ。私は今から会議に行かないといけないから、宜しくねー」


 かばんと上着を持って、颯爽さっそうと姿を消す課長。

 何か面倒事を押し付けられた気しかしないが、仕方なく相手をする事になった。


 とりあえず社内にあるインスタントコーヒーでも持って行こうと思う土屋だった。



 


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