第37話 毛利茂香
「好きな男の取り合いって~とても興味深いわね~? これは私が間に入って話を聞くべきよね~?」
な、何だ? この軽そうな喋り方をする『ロリっ子』は!?
何故、俺が彼女の事を心の中で『ロリっ子』と呼ぶのか……
それは、この
身長は羽柴副会長よりも更に低い。恐らく150センチ無いんじゃないのか?
残念ながら胸も……まぁ、一部の男子には人気がある様な気もするけども……
ただ、顔は色白でめちゃくちゃ可愛いらしくて『フランス人形』の様な顔立ちだ。
髪は少し茶色でセミロング、少しパーマがかかっている。
「な、何よ茂香? 毎回毎回、邪魔しないでくれるかな?」
「そうよ。私と静香の問題にあんたが割り込むのはおかしいでしょ!?」
「え―――っ!? でもさぁ……二人が揉めているのを止めるのも、お話を聞くのも幼馴染でもある私の役目じゃなーい? それに今回は今までとは全然違う『好きな男の取り合い』だなんて~面白いこと間違い無しだし~」
「 「おっ、面白がらないでよ!? こっちは真剣なんだから!!」 」
「それにさ~真面目な事を言うとね~生徒達の憩いの場でもある中庭であなた達が揉めているのは迷惑な行為だし、『仙石学園風紀委員長』の私としては見過ごせないでしょう?」
えっ!? こ、この人『風紀委員長』なのか!?
ってことは本多や他のクラスの『風紀委員』達のトップってことか!?
こ、こんな『ロリっ子』がか……?
全然、威厳が感じられないぞ!!
【徳川サイド】
「あ、あの人はこの学園の『風紀委員長』よ……」
「マジか、太鳳ちゃん? あ、あの小学生みたいな人が『風紀委員長』なのか?」
「前田君は外部入学だから知らないと思うけど彼女はああ見えて一年生の時も去年の二年生の時もずっと学年一位だった人なのよ……」
「マジか、伊緒奈ちゃん!?」
「まぁ、前田君が驚くのも無理ないわね。でもこれは本当なの。彼女の名前は『
「え―――――――――――――っ!?」
【中庭サイド】
「ところでさ~あなた達が取り合いをしている男ってどんな男なのよ~? 私にも紹介してよ~?」
「 「・・・・・・・・・・・・」 」
「あれ~? どうして教えてくれないのよ~? 私に隠し事なんてしていいのかな~? まぁ、いいわ。じゃあ、カンナちゃんに教えてもらおうかな~? カンナちゃん、教えてよ~?」
「そ、それは……」
「カンナ!!」
「静香ちゃんは黙っていてくれるかな~? 私は今、カンナちゃんに聞いているんだから~それとも静香ちゃんは『あの事』を皆にばらしてもいいってことなのかな~?」
ん? あの事??
「ウグッ!! うぅぅ……く、くそぉぉ……」
「カンナちゃん、早く教えてよ~?」
「も、茂香の横にいる子よ……名前は竹中颯君と言って一年生よ……」
「あら? へぇ、こんな近くにいたんだ~? で、二人は一年生の子が好きになっちゃったの~? 私達よりも二つも年下でまだまだ子供じゃないの~」
いや、あんただけには『まだまだ子供』っていうセリフは絶対に言われたくないぞ!!
「と、年下の何がいけないのよ!? 愛さえあれば歳の差なんて関係無いでしょ!?」
「プププ……いつも冷静なケイトちゃんが、まさかそんな事を言うなんてね~私、驚きと感動が同時に来ちゃったわ~」
「うっ、うるさい!!」
「ハハッ、ケイトちゃん顔真っ赤だ~!!」
「ウウッ……」
しかし、あれだけカリスマ性があって周りから大人気の二人がこの茂香っていう人にはタジタジなところを見せるなんてなぁ……ほんと世の中、不思議なことってあるんだな?
「で、君が竹中颯君だったかな? 私は二人の幼馴染で
「は、はぁ……」
ジ―――――――――――――――――――ッ……
えっ!? も、毛利さんが俺の顔をジッと見ているぞ!!
こ、これは『品定め』っていうやつか!?
「へぇ、今どきこんな『瓶底メガネ』をしている人がいたんだね~? でも個性的で良いんじゃない。それに二人が好きになった人の事を私がとやかく言う権利は無いからね~」
はぁ、よ、良かったぁ……また見た目を悪く言われたら心が折れそうになっちまうからな。
毛利茂香って人は話し方は軽いけど、中身はそんなに悪い人では無いのかな……
「よしっ、それじゃぁ二人共~そろそろ始めましょうか~?」
えっ、何を始めるんだ?
「 「えっ!? は、始めるって……」 」
「何を今更言っているのよ~? あなた達の争いを止めるにはこれしか無いじゃないの~最近は『仙石学園名物』って言われているらしいよ~知ってた~?」
「で、でもさぁ……」
「今回はそういう気持ちにはなれないというか……」
「さぁ、つべこべ言わずに始めるわよ~!! さぁ、他の人達も準備をしてよ~? 今から、新学期最初の~『中庭の合戦』を始めたいと思いま~す!!」
えっ!? な、中庭の合戦って何だ!?
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
毛利茂香、彼女は静香やケイトと幼馴染で唯一、二人の争いを止めれる少女らしい。
というか、二人の言い争いをどこか楽しんでいる様にも見える。
そんな中、彼女から『さぁ、始めるわよ』という言葉が……
そして、その始めると言うのは『中庭の合戦』と言うらしい。
果たして『中庭の合戦』とか!?
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます