第28話 探索者生活6
ここは、北西区にある建物。
「中に入ったは良いけど、順番を覚えてないや」
前回来た時に、マークと物だけは何とか覚えた。
最初は、植物の何かだったよな。
一通り見て植物に関するのは『木の看板』だけだったので、そこへ入る。
中に入って……。最初はベッドじゃない。
洋服ダンスは違ったはず。
蔦だな。当たり! やっと1部屋抜けた。
2部屋目は金槌。ノーリの武器と一緒だから覚えている。そして鏡。
3部屋目……ダメだな。集まった人に関係していたのは覚えてるんだが。
植物がエルフ、金槌がドワーフ。あとは人族と鳥族と角人族。
とりあえず適当に入るか。
「ダメだー! 俺の記憶力だとすぐ忘れてしまう。5ループ目までは数えたけど、どんだけ迷ってるんだよー」
3部屋目を越えたら洞窟通ってたんだけど、そこまですら行けてないわ。
3部屋目にもベッドあったな、ちょっと休もう。
「おい……起きろ!」
なんか聞こえるなー。
「人の! 起きろ!」
目を開けると人影が見える。
ちょっと集中してたな、瞑想入りかけてたか?
「お。ダインさん?」
「ようやっと起きた。中に誰か入ってきたとあったがノールだったか」
「良かった。前のところに辿り着けなかったんですよー」
「一度で着けた奴はなかなかおらんからな。今日は何か用事か?」
そこで今日あった話をすると、ダインさんにも街の情報を知らな過ぎると言われてしまった。
結局、棒の金属部分もただの鉄で魔力は含まれて無く、斜め線の盾は犯罪集団のマークだとわかった。人族主義を
「そのマークのやつらは、主に南西側を縄張りにしとる。解決するまでは近づかんことじゃ。事情は仲間内で伝えておくとして、ノール」
「はい?」
「少し金を出す気はあるか?」
何のことやらと詳しく聞いてみる。
長命会の
「なら、すぐ動かすとしよう。あとお前に街のことを教える奴を小屋に向かわせる」
「おぉ! 助かります!」
「一つ聞きたい」
「へ?」
「
倒す程度の力はあるかもしれないけれど、そんなに自惚れては居ない。
「俺より強い奴をいっぱい知ってる。そんなことばっかりしてたら、すぐにこれさ」
両手首をくっ付けて笑って見せた。
「そうじゃな。才能のある奴はすぐに飛び越えていくからの」
「そういうこと!」
「ここもまだ覚えきれておらんじゃろ。次相談事があれば、北西地区にある『山のツルハシ』という酒場で儂の名前を出せば良い」
そう行って去っていった。
一度小屋に戻るか。
_______________
ところ変わって、上街のある館。
「やっぱりノールじゃったぞ」
扉を開けるなり大きな声で話しかけるダイン。
誰に話しかけているかと言うと。
大きめの椅子に座り紅茶を飲むペトラ。
「やはりそうでしたか。どのような話を?」
ダインは先ほどノールと話した内容を伝える。
「最近、人族主義の声が大きく感じます。たまたま、というわけで無く、資金集めに力を入れてるのでは?」
「儂もすぐにそれを考えた。ただ、最初の情報提供と協力者をノールにしたかったのじゃ」
「悪くは無いと思いますが、いささか
その後もお互い主張を言い合ってくが、すでに動き出したとダインの案で決まった。
「あやつが居るのは精霊教会じゃ。明日から行っても問題ない奴はいるか?」
「すぐですと……。少し問題ありますが、1人心あたりがあります」
「誰じゃ?」
「リリパットの……」
「あれか。多少煩くなるのは仕方なかろう。決まりじゃな。儂は声をかけれてない者に伝えてくる」
_______________
ノールは小屋に戻ってすぐ、汚れた装備を念入りに洗い直した。
「メサ。厄介ごとが起きた。しばらく下水駆除は無しだ」
しなしな。
「そんな萎びてる時間は無いぞ! 今回は気力を入れまくったから、明日にはニンニクの収穫かもしれんぞ?」
ぶるぶるぶる!
触手を振り上げ不思議な踊りをしている。
MPが吸い取られ・・・俺ってMPあるのか?
まだ、少し明りがあるな。
「今のうちに少し畑を拡張しよう」
と小屋の外に出るとシスターと近所の人かな?
「最近ここらにも人族主義を見かけるのよ。シスターは人族だけど、子供達がねー。大丈夫かしら」
「外での遊びも減らした方が良いでしょうね。あら、ノールさん」
「戻りました。物騒な話ですね。私も聞いて良いですか?」
話に入る。
スラムの入り口あたりに人族主義が増えてきているらしい。俺もさっきあったチンピラのことを伝える。
「ここはスラムの奥だけど、安心しっぱなしもよく無いわよね」
「それなんですけど、しばらくはメサは食事以外留守番になります。なのでいる時は見守りくらいはできますよ」
「それは助ります。教会としても、スペースが余ってるわけではありませんが、最悪避難場所くらいにはなれるかと思います」
スラムの人を心配してるようだが、ちゃんと人は選んだ方が良いぞ。ここでも真っ当とは言えない奴も少なく無い。と考えていると。
「あまりホイホイ入れちゃダメよ。つけあげる奴が多いんだから。でも良い子供達には伝えておくわね。」
そう言ってくれた。
その後は解散の流れだ。
そこで、戻ろうとしたがダインさんの言葉を思い出した。
「シスター。お伝えすることがありました」
「何でしょうか?」
「明日か明後日かわかりませんが、私に色々教えてくれる先生を手配してくれた方がいまして。お邪魔はしないつもりですが、少し煩くなってもいいですか?」
「それは良いことです。ココにいらっしゃる先生……そうですか」
考えこんでいる。
「何か問題ありましたか?」
「いえ。良ければですが……。静かにさせるので、その授業に子供達も参加させられませんか?」
「んー? どうなんでしょう? 私は構いませんが、先生に聞いてみましょう」
「是非お願いします」
ニッコリ笑顔。
さて畑を作りますかね。
そういえばメサって土を盛り上げてたな。
「メサ。土魔法で畑耕せない?」
両手をー広げてーぷるぷる肯定。
よし行け。
およそ1時間後、俺とメサはシスターに怒られていた。
「精霊様から教え賜った。何人も手を取り合い……」
メサが土魔法で耕し始めるとチョビッとしか出来ず、どうしたものかと何度もやってくと、大きかったり小さかったりとバラバラなのだ。
それに気づいて、一度止めようとしたところ、急に入れる力が増え地面が爆発した。
当然土は飛び散り、教会の壁も汚し、敷地外の家壁まで飛んでいる。
すぐにメサと謝罪しに行き、なんとかなったが、そこからシスターの説法が始まりだした。
何でも昔の精霊様は偉大で万人に寄り添い助けたという。俺らが怒られてるのは(今の時間にそんなことをやるなよ)ということなのだが、説法が間に入ると異様に長い。
というか精霊はそんなに人に優しく無いぞ。どっちかって言うと面白がっている方だ。
開放されたのは更に1時間。晩飯が遅くなった子供達に「ハチミツ」とねだられてしまった。
今日はもう寝る時間だろ。明日な!
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