第34話 山頂レストラン
山頂レストランは外観は白っぽい建物で二階建てとなっており、二階部分は壁がガラス張りになっており外の景色を楽しむ事ができるようになっていた。
その二階部分がレストランの客席となっており、一階部分が厨房とゲームコーナーになっていた。
正面玄関の入った所に二階レストランへ続く階段が設けられていた。
正面玄関の目立つ所に案内標識が吊るされており、二階レストラン、一階ゲームコーナーと書かれていた。
晴南が麻衣子に言った。
「そうか、ここにプリクラの機械があったのね。」
麻衣子が晴南に言った。
「スキー場のレストランの中じゃ忘れちゃうわね。」
二実がみんなに尋ねた。
「さあて、ケーキとプリクラどっちからにする?」
すると美咲が二実に言った。
「ケーキを先に食べましょう!!」
二実が美咲に言った。
「オッケー、それじゃあ先にケーキを食べましょうか!」
晴南達は二階のレストラン席に移動した。
二実と三緒は一階の厨房に行ってお皿とフォークとコップを人数分用意してから、二階にあがっていった。
そして見晴らしの良い席に全員が座ると、それぞれの席の前に皿が並べられてチーズケーキとマドレーヌが配られていった。
それぞれの席の前に置かれたコップに二実が持ってきた紅茶が注がれた。
全員に配り終わると、晴南が大きな声で言った。
「それじゃあ、頂きます!!」
他のメンバーが言った。
「頂きます!!」
全員がスイーツを頬張っていた。
美咲は満面の笑みでチーズケーキを頬張っていた。
「あー幸せ!!平日にベルガのチーズケーキを食べれるなんて!!」
二実が美咲に言った。
「美咲ちゃん、チーズケーキもマドーヌも多めに用意してるから、欲しかったら遠慮なく言ってね!!」
美咲が二実に言った。
「はい!!ありがとうございます。」
しばらくして全員がスイーツを食べ終わった。
すると麻衣子が二実に尋ねた。
「このミールって夏はずっと閉まってるんですか?」
二実が麻衣子に言った。
「うんうん、夏でも休日は営業してるらしいよ。休みの日は登山客がそこそこ来るらしいから。」
二実が晴南に言った。
「こうしてレストランを貸し切り状態でスイーツを食べるのもなかなかいいでしょ?」
晴南が二実に言った。
「はい!」
三緒が二実に言った。
「まあこの町じゃ貸し切り状態なんて珍しくもないけどね。」
二実が三緒に言った。
「三緒?一言多いわよ?」
二実がみんなに言った。
「さてとそれじゃあプリクラを撮りにいきましょうか。」
三緒が二実に言った。
「ちょっと二実?使った食器を洗わないと?ほったらかしてそのまま帰るつもり?」
二実が三緒に言った。
「あっそうだった。みんな先にプリクラの所に行っててくれる?」
冬湖が二実に尋ねた。
「二実さん?お手伝いしましょうか?」
二実が冬湖に言った。
「いいからいいから、食器洗いぐらいすぐ終わせられるから気にしないで?プリクラの機械の電源はさっき入れておいたからすぐに遊べると思うわ。」
冬湖が二実に言った。
「分かりました。」
晴南達は一階のゲームコーナーに移動した。
二実と三緒は手早く食器洗いを済ませて厨房に食器類を返却した。
そして二実と三緒は一階のゲームコーナーに向かった。
ゲームコーナーにはプリクラの機械やUFOキャッチャーやもぐら叩きなどおよそ十種類のゲーム機械が置かれていた。
プリクラの機械の前に集まっている晴南の所にやって来た。
だが晴南達はプリクラの機械に悪戦苦闘していた。
晴南が言った。
「あれー?なんで画面が動かないの?」
美咲が言った。
「ここまで来たのに故障とか勘弁してよね?」
二実が晴南に尋ねた。
「あれ?晴南ちゃんプリクラの機械が動かないの?」
晴南が二実に言った。
「はい、画面が全然反応しないんですけど?ちょっと見てもらえませんか?」
二実が晴南に言った。
「どれ?ちょっと見せてみて?」
そう言いながら二実はプリクラの機械の中に入った。
そして画面を操作してみる。
するとプリクラの画面が正常に動き出した。
二実が晴南に言った。
「あれっ?普通に動いたわよ?」
晴南が二実に言った。
「さすが二実さん!」
二実が晴南に言った。
「このくらい朝飯前よ!って何にもしてないけどね。」
二実がみんなに言った。
「ねえ、せっかくだから全員一緒に撮らない?」
三緒が二実に言った。
「九人全員で撮るの?!!スペースがないなからさすがに無理でしょ?」
晴南が二実に言った。
「面白そう!やります!!」
二実が三緒に言った。
「なんとか押し込めば入るでしょ!!」
三緒が二実に言った。
「詰め放題じゃないんだから!」
二実の意向で全員が一緒に撮影する事になった。
三緒が二実に言った。
「やっぱり九人は無理があるわよ。」
麻衣子が二実に言った。
「押しくらまんじゅうしてるみたい。」
美咲が大きな声で七緒に言った。
「ちょっと七緒?こんな時に寝ないで!!」
晴南が大きな声で言った。
「いいじゃない!いいじゃない!この窮屈感も悪くないわ!それじゃあ撮るわよ!!」
晴南が撮影スタートの画面を押して撮影が始まった。
撮影が終わると機械の外に由香と美咲と麻衣子が出てきた。
由香と美咲と麻衣子はプリクラの機械の外から中を覗き込んだ。
そして晴南達は落書き(撮影した画像の加工)を始めた。
画面を操作している晴南がみんなに尋ねた。
「落書きはどれにしよっか?」
みんなが口々に言った。
「夏だし花火の落書きにしよ?」
「ハートマークがいいです。」
「アイスクリームのにしましょう?」
二実が晴南に言った。
「別に悩まなくていいわよ?時間の許す限り何度撮ってもらっても構わないから。」
これを聞いた晴南が大きな声で言った。
「だったらまずアイスクリームにしましょう?」
晴南はみんなの了解をとるとプリントアウトのタッチした。
しばらく待ってね。というアナウンスが流れた。
一分後撮影したプリクラが機械の取り出し口から出てきた。
二実が取り出し口から出てきたプリクラを確認する。
すると二実は残念そうにみんなに言った。
「あー、ダメね。上手く写ってないみたい。もう一回撮りましょ?」
晴南が二実に言った。
「えー、そうなんですか?」
晴南がみんなに言った。
「仕方ないわね。もう一枚撮りましょ?」
麻衣子が晴南に言った。
「そうね。」
晴南達は急いでもう一度プリクラを撮り直した。
そして二実が再び取り出し口から出てきたプリクラを確認する。
「うん、今度は大丈夫、綺麗に撮れてるわ。」
二実がプリクラを晴南に渡した。
晴南達が撮影したプリクラを見て盛り上がっていた。
「次の落書きは何にする?」
「次はどんなポーズにしようかな?」
「次は背景をピンク色に変えてみない?」
こうして晴南達は背景や落書きや立ち位置を変えながらプリクラを何回も撮っていった。
結局20回近くプリクラを撮っていった。
楽しい時間はあっというに過ぎていった。
二実がみんなに言った。
「みんな、時間が迫ってきたからそろそろ帰ろうか?」
晴南が二実に言った。
「もうそんな時間ですか?」
晴南がゲームコーナーに備えつけられていた時計を見ると午後6時を過ぎていた。
「本当だ。そろそろ帰らないと。」
晴南達は急いで帰る支度を始めた。
すぐに後片付けを済ませるとレストランの外に出た。
二実がレストランの中を一通り確認して出入口の鍵をかけた。
リフトの乗降駅の手前でみんなが集まっていた。
麻衣子が二実に言った。
「二実さん、今日はありがとうございました。本当に楽しかったです。」
二実が麻衣子に言った。
「どういたしまして!楽しんでもらえて良かったわ!」
晴南が二実に言った。
「夏にスキー場に来るのもなかなかいいですね。」
二実が晴南に言った。
「そうでしょ?冬にスキーを滑りにくるのとはまた違う雰囲気があって好きなのよね。それじゃあ、最後のイベントやって帰りましょうか?」
晴南が二実に聞き返した。
「最後のイベント?」
二実が晴南に言った。
「下りのリフトよ!なかなかスリルがあって楽しいのよね?」
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