第57話 周辺諸国は大混乱

「魔神アネエサ様に顔を覚えられた、私はこの仕事を最後に引退しようと思う」

「「「「「俺も引退するぞ!!」」」」」

 何故か仲良くなった、各国の諜報員達、全員引退を決意したようです。


「「検討を祈る!!無事報告が終わったら、アネエサ王国に集合しないか?」」

 西王国の諜報員が提案します。

「アネエサ王国か···それも良いかな」

「魔神に受け入れられたなら、住良さそうな国だ!」

「「「「「では、再開を祈して!!」」」」」


 西王国方面と東王国方面に別れ、勢い良く走り出しました。



 ◎◎◎



 西王国方面は、南王国、南西王国、西王国、北西王国、北王国、北海王国、山中王国と全諜報員が合同協力し、報告に回りました。


 東王国方面は、南南東王国、南東王国、東王国、東北王国、北東王国、湖王国、草原王国を、全諜報員が合同協力し、報告に回りました。


 同盟国諜報員、仮想敵国諜報員全て取り混ぜた合同報告です。

 拘束される事は無くとも、各王は怪しみながらの対応でした。


 しかし、リスクを負いながらの、諜報員全員が口を揃えての報告は信憑性を増したようで、諜報員が個別に報告するより、早く情報を流す事が出来ました。


 建国以来の災厄に、一国では決め兼ねる難事、数ヵ国が集まり解決策を検討するも、良策が見付からぬまま、数日、十日と時間は過ぎて行きました。


 ダラダラと対策会議を続ける各国の中に、無謀だがいち早く方針を決めた国が有ります。


「魔神アネエサは驚異ではあるが、吸収され国が無くなる事は看破出来ぬ」

 西王国は南王国と北王国を説得し、3国合わせて一万の軍勢で、アネエサ王国を討ち滅ぼす事を、強引に決定しました。

「15日後、アネエサ王国西開拓村を殲滅する!!」


 報告が終わり、諜報活動を引退した、西と南北の元諜報員達は、魔神アネエサ様に、祖国を焼き滅ぼされては大変と、アネエサ王国に忠信する為、走るのでした。

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