第26話 偵察

 3日間の強化の間、私は凄く迷っていました。


 お手伝い親衛隊は23人、私を入れても24人しかいない、対する荒くれ盗賊団は50人以上、無謀な戦いに子供達を駆り立てて居るような、もっと違う良策がないものか。


 詳細確認で、殆ど盗賊だったけど、大工が3人家具職人が2人、百姓が4人商人が1人居た、領地運営に役に立てば女達と一緒に助けたいが、皆殺しの方がこっちのリスクが少なくて済む。


 盗賊ボスと狂暴な10人は、夜襲を仕掛けて最優先で殺す。

 洞窟の最深部で寝ているはず、カマイタチの一斉放射で済む。

 残りの25人は盗賊に染まってる、殺すのは親衛隊には容易いでしょう。

 ただ、5人の流民が混じってる可能性がある。

 盗賊となって居ない者は、出来れば領民として働かせたい。



 取り合えず偵察して、情報収集しよう。



「サヨ!私を肩に乗せて!!」

 私から、魔法習得していたサヨに話します。

「はい!」

 ぐぅ~~んと、私の視線が上がって行きます。

 サヨの肩までが2メートルあるんだよ、肩に座るとサヨの頭の天辺と私の頭の天辺が同じ位の位置になる。


「サヨ!こっちの方向、東に全速力!!」

 サヨは私が落っこちないよう、大きな手で私を押さえ走り出しました。

「速い!!」

 サヨの全速力侮ってた、歯を食い縛って振動に耐えます。

 身体強化しないと、サヨの押さえる手で潰されそう。

「止まって!」

 私がヨチヨチだけど、1日半歩いた距離をサヨは30分程で駆け抜けました。

(人間業じゃ無いよ?あっ!サヨは始祖豚人だったっけ)


「サヨ大丈夫?」

「全然平気だよ」

 サヨは息切れすらしていません。

「邪魔な木が無い所は、縮地も使ったから」

「縮地簡単に覚えたんだ!凄いね!!」

 誉めると可愛い笑顔、サヨも根本は素直な幼女だけど、ジロウが苦労してやっと使え出した縮地、それを意図も簡単に覚える、サヨ一人で盗賊全滅させそう。


「そうだ!!サヨ!精神操作使える?」

「うん、使った事無いけど、使えるよ」


 洞窟が見えました。

 様子が変です。

「静か過ぎる?」

 人の気配が殆どしません。


「サヨ!ここに隠れて居て!!様子を見て来る」

「嫌!!アネエサ様をお守り!!付いて行く!!!」

「私一人なら、ステルスで誰も気付かないの」

 サヨの後ろに回りステルスを発動します。

 前にこっそり回って「見えないでしょう!」

「ステルス習得しました!」

「へっ?なんで?魔法じゃ無い、スキルだよ?」


「·····鑑定やって見る、習得出来る?

 鑑定!!」

 サヨを鑑定してみます。

「鑑定習得しました」

 ビックリして、サヨのステイタス、見る間が無かったよ。

「アネエサ様のステイタス凄いです!!!特に魔力10000知力20000」

 しっかり見られた!あれぇ?サヨに文字教えて居ないよ?何で読めるの?

 疑問が声に出ていたようです。

「会話を習得して居ます」

「そう?」

 会話に読み書きが付随してるのか。


 始祖エンシェントには謎が多い、まっ、後で考えれば良いか。

「サヨ!ステルス使って付いて来て!!」

「はい!!アネエサ様」


 洞窟にコッソリ入って行きました。

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